カザルス/マルボロ祝祭管「ベートーヴェン7番・8番」







 ベートーヴェンもモーツァルトもバッハも何も聴きたくないような時期にそういえばと取り出してそれから夢中になって聴き続けることがあるのはこういう内容主義の濃い演奏だったりします。
 チェロの神様と称されたパブロ・カザルスが晩年に招待されて出演、指揮した珠玉のライブの記録。
 スタイリッシュで高速のカルロス・クライバーの真逆にあるというのか旧時代的な表現かもしれませんがなんとも味のある演奏、音楽です。

 日本語盤の解説書などに載っている「全人類的な包容力が音楽の強さを際立たせる」「生命力あふれる強靭な響き」「格調高く年輪を刻んだ」「人間味に溢れた無上の世界観」「剛毅な精神の音楽」といった言葉が大袈裟でなく納得できます。今後も聴かれ続けて欲しい音楽です。


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「はしご」(銀座4丁目)





 歌舞伎座の裏筋は、喫茶店、サンドイッチ、トンカツにうどん屋と大変な行列です。その中で向かうのはマガジンハウスのビルの斜向かいにあるいつもの「はしご」、ここは行列はありません。

 パイコウサンホンの中辛です。目、舌、体が求める酸っぱ辛さに痺れます。やっぱり美味い。以前の計算によるとこれまで200杯くらいでしょうか。ダントツで生涯ナンバーワン。ここまで好きな麺に巡り会えた幸せです。


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西加奈子『くもをさがす』





 他人様の闘病記を読み物として楽しむのは趣味が悪いというか、どうかと思いましたが、作者の渾身の読者へのメッセージであるらしいこと、また、自分も似たような時期に病気したしと言い訳しながら手に取りました。

 「無人島のふたり」は、突然余命宣告された翌月の2021年5月24日から亡くなる9日前の10月4日までの日記です。作者が愛した軽井沢、夫、仕事の仲間たち、大好きな小説・漫画、人生との別れの想いが切ないです。

 「くもをさがす」は同じく2021年5月下旬に異変を医師に相談してからのカナダ・バンクーバーでの日本では考えられないような治療の様子を関西弁でドタバタ風にまとめたライブ日誌、哲学入りです。作者の心強さには本当に心打たれます。

 読んでおいてよかった。最近は外国の小説を読むのが辛くなっていて途中で止めることばかり、一方で日本の小説・ノンフィクション系もなかなか好みが広がらずに閉塞感があって、村上春樹と沢木耕太郎の再読ばかりになっていたのですが、この2冊を読んで世界が広がった感があります。2人が紹介している読み物、世界を少し探ってみようと思います。



 

 



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「しぶそば」(武蔵小杉駅)




 東急の駅中に展開している「しぶそば」です。普通の駅そばですが、季節感を出そうとトッピングを工夫したり頑張っています。

 「秋の新そば祭」をやっていたので買い物ついでに寄りました。春菊のかき揚げと大もりそばです。
 店内も広くて光も燦々と入り、空間だけではちょっとしたカフェにもなりそう。気分よく小腹を満たすのには丁度いいです。

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「せいの農園」(弘前)




 大好きな品種「もりのかがやき」です。せいの農園で購入した生プルーンがまだ残っているのと(表面は皺が寄ってきますが身は完熟して旨みが日に日に増します)、妻がふるさと納税で注文したシャインマスカットなどが連続で届いているので迷ったのですが、今シーズンの最終告知に思い切りました。

 イメージより小ぶりで皮が日焼けしているようなのは今年の厳しい気候の影響でしょうか。固く締まった果肉、ジューシーで控えめの甘さ。妻もこのりんご好きと好評です。

 秋になると煎茶が飲みたくなるので、築地の丸山海苔店(寿月堂)で新茶を購入します。美味しい果物と柔らかい香りの煎茶、朝の楽しみです。

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山本文緒『自転しながら公転する』




 山本文緒の『自転しながら公転する』、再読です。初読の時は単行本で再読はデジタルに変えることが多くなって重複(無駄)が増えていますが、kindleの便利さに慣れてしまったので仕方ありません。

 再読はストーリーを追うよりも各シーンをじっくり味わえるのでこういう面白く切ない物語はちょっと堪りません。32歳の都、30歳の貫一とは随分違う環境にいますが心が揺さぶられ続けます。

 2020年の発刊の翌年に急逝した作者のまさに白鳥の歌です。


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川上未映子『すべて真夜中の恋人たち』




 2011年発表の川上未映子初期の作品です。周囲との人間関係が苦手で孤独な生活を送る校閲者が世間との接点を持とうとする。
 ちょっとした日常と小さな冒険の積み重ねですが最後まで読ませます。

 ユニークなのは、主人公が精神安定剤のように朝からビールを飲み、水筒に日本酒を入れて外出するところ。私もアル中っぽいですが、人と会う前に飲むことはありません。
 主人公のアル中設定では大好きなローレンス・ブロックのマット・スカダーシリーズ、日本では坂上琴の『踊り子と将棋指し』がそうでした。彼等の酩酊、やらかし事と本作の冬子の依存レベルは異なりますが、女性のアルコール依存は初めてで主人公のキャラを際立たせて面白かったです(桐野夏生などにあるかもしれませんが)。

 こういう正統派、本格派とは少し異なる味付け、視点が川上未映子の魅力なのかもしれません。

 また、この数日、アルゲリッチとショパンをまとめて聴いていたのですが、読み物との偶然の重なりは楽しいものです。探したのですが子守唄のCDはなかったので、Appleミュージックでポリーニの演奏を聴いています。


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「はしご」(銀座4丁目)





 「はしご」には30年以上前から通っていますが、12年近く前に「さんほんめん」を知ってからは、店の看板メニューである「だんだんめん」から遠ざかっていました。
 久しぶりのだんだんです。ゴマの風味の甘辛い味、美味しかったけど、さんほんに慣れすぎたせいか、ちょっと中途半端な感じはしました。それでも懐かしかったです。
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川上未映子『黄色い家』




 『夏物語』に続いて手に取ったのはおそらく最新作の『黄色い家』です。まるで宮部みゆきの犯罪小説でも読んでいるようなスリラータッチのエンターテイメントです。読売新聞の連載小説だったようで、多くの人が読み易く興味を惹くような内容、展開になっています。

 親切にしてくれた大人へのノスタルジーを縦糸に、カード犯罪・お金のリアルを横糸に織り交ぜて全く飽きさせない。経済学からでなく文学からお金とは何かにアプローチした野心作でもあり、成功しているかどうかはよく分かりませんが興味深くて面白かったです。

 個人的には在日韓国人の泥臭い苦労、苦悩を使うと小説としては比較的簡単に面白くなるんだよなぁとか感傷的なシーンも結構多いなぁという思いや主要人物の一人である黄美子さんの人物像が今ひとつはっきりしなかった印象は持ちました。

 それでも最後の最後まで隅々まで読み通せました。純文学系作家によるエンターテイメント小説で不思議な読書感はありましたが読み物としては一級品です。
 

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「サルバトーレクオモ」(綱島)







 家族が大好きなデリバリーのサルバトーレクオモ、特にステーキがめちゃ旨と評判です。ピザもいいですが確かに肉うまいです。
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アルゲリッチ/シノーポリ「ベートーヴェンピアノ協奏曲」




 偏愛しているベートーヴェンのピアノ協奏曲の1番、そして2番。評価が高いのは知っていましたがようやく聴いたシノーポリ指揮、アルゲリッチのピアノのディスクです。
 1985年のスタジオ録音なのですが、まるでライブのようなピアノの奔放な響き、テンポに聴き入ってしまいます。
 大好きなクレンペラーのディスクのような正統派の堂々とした演奏を好みますが、こういうアルゲリッチの自由な表現も魅力的です。これも確かにベートーヴェンです。
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「福美」(武蔵小杉)




 最近は原点に帰って白菜キムチがシャキシャキ旨みが深くて美味しいです。イカ軟骨も欠かせません。





 最近は、イカ軟骨のキムチが欠かせません。青唐辛子の爽やかな抜ける辛さとコリコリ食感が堪りません。
 それにタラの内臓のキムチ、チャンジャ。30年近く前、とある先輩が麻布の韓国大使館前にある韓国食材店(麻布第一物産?)のチャンジャをたまに買ってきてくれて、白菜以外のキムチがあることを知りました。福美のは少し甘めの味付けがいいです。
 今回はサラダキムチも買いました。もちろん基本の白菜も美味しいのですが、歯応えの変化球を最近は楽しんでいます。






 サラダ、島らっきょう、チャンジャ。海苔は底に敷き詰めて見えません。クセになる味付け、美味しい。


〔2023年5月23日〕





 武蔵小杉の福美にキムチの買い出しです。iHUGというのはバー、肉屋、ご飯屋など5〜6店で合わせてバーベキューを楽しむ施設のようです。私はキムチだけですいません。
 今回は甘口の白菜にトマト、それから味付けが好みのチャンジャです。まとめて容器に入れて味を合わせるのも楽しいです。






 別の日、サラダに島らっきょうにチャンジャ、美味しい。






 別の日、白菜、ネギ、キュウリにチャンジャ。チャンジャは外せません。






 新商品のイカ軟骨が食感コリコリ、青唐辛子の抜ける辛さで最高に美味いです。



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「せいの農園」(弘前)





 いつもりんごを購入しているせいの農園で生プルーンを注文しました。
 プルーンといえば液体のミキ(確かカリフォルニア産)で知られていますが、国産の生の完熟プルーンが一体どんなものか試してみたかった。全国送料込みの値段というのにも惹かれました。
 500g✖️8ケース、4500円。開けてみると驚きの巨大なプルーンです(スーパー・コンビニで売っている冷凍のブルーベリーをイメージしていましたが勘違いで別物です)。
 がぶりといただくと甘くて、例えるなら、完熟前の桃のような。果物らしくて美味しい。1個100円しないのでリーズナブルです(販売促進期間の特別価格なのかも)。これは定番に加えたい逸品です。

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「はしご」(銀座4丁目)





 涼しくて昼の移動も楽になったので、久しぶりの「はしご」です。
 排骨さんほん麺の中辛、酸っぱ辛さに咽せるけど、胃腸に沁み渡る美味さです。
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