「牧のうどん」(武雄北方店)

          

 用事があり1週間近く九州を回ってきました。個人的な旅行ではないので食べることについては二の次で事前の計画はなかったのですが、結果としてすごく充実したものになりました。美味しいモノを食べたいなら事前調査は絶対に必要と考えるマニュアル君の私には想定外のうれしい展開でした。

 事前調査なしの知らない街での食べ歩きは、ぶらぶらと散策した後に最後は勘頼みの勇気ある戸のガラガラな訳ですが、小心者の私はなかなか踏み切れません。歩いて歩いて店の前で考えて開けられずにまた歩いてで、ぐるっと周って、また同じ店に戻るあたりで自分が嫌になります。それでも結構疲れた1日を締めくくる夕食であると、美味しそうだけどもしかしたら店主や馴染み客との緊張感ある間合いがあるかもと煩わしくて、チェーン店系の方に流れたくなったり、勇気を奮って(?)戸を開けたりです。

・宮崎

「豊味うどん」 小林、都城あたりに数店舗あるようです。都城での昼食時、他に選択肢がないという理由だけで入店したのですが、広い店舗は地元客で結構賑わっています。鴨南蛮うどんを注文したのですが、これがなかなかイケる。麺は好みのしっとり軟らかめ、スープには柚こしょうが入っているようでピリッとアクセントが効いています。塩おにぎりもふっくら握ってあり、こうでなくちゃと思えます。何も期待していなかったのに満足度の高い昼食となりました。この店は釜揚げうどんが名物のようです。


・鹿児島

「味のとんかつ 丸一」 宿泊したドーミーイン鹿児島のロビー脇に並べられていたチラシに当ホテルおススメの10店というのがあり、主に黒豚の店が紹介されていました。ビールを飲んでつまみを食べながら焼酎を飲んでをイメージしていたので、小料理屋を選ぼうと思っていたのですが、鹿児島の丸一がうまいとどこかで読んだ記憶があったうえ、店構えに実に美味そうな雰囲気があり、天文館周回後、当初イメージとは異なるとんかつ定食の店の暖簾をくぐりました。とんかつは昼食のイメージが強く、夕食ではこれまであまり記憶にありません。
 衣が焦げていてあれ大丈夫かなと思ったのですが、中はもう少しで火が通るくらいの薄いピンク。上ロース定食(2100円)、うまいです。ロースというと脂の旨みの印象が強いですが、さっぱりとしていて柔らかく脂ではなく肉の味がします。ヒレのようなロース。食べておいてよかった。さすが鹿児島が誇る黒豚に職人技です。
(冒頭に、今回はマニュアルではないと書いておきながら、早速、おススメ便乗でした。すいません。)


・熊本

「酒湊 本店」 ドーミーイン熊本には、鹿児島にあったようなチラシがなかったので、情報なしでぶらぶらです。下通り方面に進み、アーケードを左折したところに「酒湊(さかそう)」という少し高級そうな居酒屋ビルがありました。予約客が複数入店しているので、いい店かもと思いましたが、とりあえず散策。前回もこのエリアで迷ったのを覚えています。結局、戻ってきて入店しました。カウンターに座ると実にうまそうな食材が並んでいていい感じです。手書きのメニューも豊富で海の幸、肉系、野菜をどうにでも食べさせる、何でもありの店のようです。
 今回は、焼鳥10本ととうもろこしの天ぷらにしましたが、食べたいメニューが沢山あり、使い勝手の良さそうな店だと思いました。


・福岡

「せいもん払い」 地元福岡なのですが、博多・中洲で飲むとき、一人で行く店が決まっていません。祇園から中洲方面をぐるっと回って、戻ってきて、どこに入るか決められません。またまた自己嫌悪に陥っていたとき、前回、良さそうな店と思えた生簀割烹風の店の前で足が止まりました。ドーミーイン博多祇園から中洲方面に少し歩いた右側の商店街にある店です。前回、店の前でどうしようか迷った際、「当店は安い店ではありません。平均6千円以上かかります」みたいな店のスタイルと客のミスマッチを想像させる張り紙があり印象に残っていました(後で知ったのですが、ここは中洲×居酒屋で検索すると食べログ1位になっています。それで多くの人が押し寄せたのかもしれませんが、この店は居酒屋ジャンルではないです、割烹に近い。8千円から1万円以上をイメージしたほうがいいいです。)。
 呼子のイカの活造り、うなぎの白焼きなどをいただきました。うまい。そして、店が推している大吟醸系の日本酒をワイングラスで提供するのですがこれがいい。この手があったのかと感激しました。値段は高めで料理の量は少ないのですが、ライブ感のあるカウンターで美味いものを食べられる満足感は堪りません。
 こういう誰かを連れてきたくなる店を知りたかった。いい店です。

「ナンバーワン 祇園店」 せいもん払いも美味かったのですが、注文を抑えたのは、大好きなナンバーワンでとんこつラーメンを食べたかったからです。普通といえば普通のオーソドックスな博多ラーメンです。スープはとてもクリーミー。深夜まで賑わっています。ドーミーイン博多祇園のはす向かいにあります。


・佐賀

「牧のうどん 武雄北方店」 冒頭で事前調査なしと書きましたが、牧のうどんをどうしても食べたかったので、挟んだ週末に、インターネットで佐賀県周辺の店の場所を調べておきました。
 麺が軟らかくて、甘味の強いスープ、私にはこれが昔懐かしい馴染みの福岡うどんです。「牧のうどん」か「英ちゃんうどん」がいいのですが佐賀方面なら牧です。武雄北方店が運転途中にありました。肉うどんにごぼう天をトッピング、軟麺にも惹かれましたが久しぶりの中麺に加えておにぎり2個です。これ以上の昼食はありません。幸せです。


・長崎

「老李(ラオリー)」 長崎にはちゃんぽん、皿うどんが美味い店は複数あり、正直味の差はあまりないと思うのですが、昼もやっている老李が利用しやすいと思います。ちゃんぽんは濃厚スープが旨みたっぷりで美味しい。また、ここは水餃子もいけます。



 地方を回る際、最近では「ドーミーイン」に宿泊することが楽しみ、喜びの一つになっています。宿泊先として大浴場のある「ドーミーイン」、「スーパーホテル」、「ルートイン」を探すのですが、その中でもドーミーインがずば抜けてよくて他と比較できないレベルです。今回は、鹿児島、熊本、博多祇園、長崎と4か所のドーミーインに泊まりました。どこも素晴らしいのですがあえて比較すると次のとおりです。

部屋・・・◎鹿児島、熊本 ○博多祇園 △長崎 (機能面では鹿児島、熊本が完成型、とはいえ長崎でも他ホテルよりはいい)
温泉・・・◎鹿児島、熊本 ○博多祇園 △長崎 (鹿児島、熊本は最上階なので屋外に露天風呂もある)
朝食・・・◎博多祇園 ○長崎 △熊本、鹿児島 (スーパーホテル、ルートイン、東横インなどは朝食無料でそちらを評価する方もいると思いますが、私は1200円かかっても地元系食材の比較高級志向のドーミーインの方が好きです)



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