ZARD「突然」


 早寝なので夜中の3時、4時とかに一度目が覚めます。トイレに行ったり水を飲んだりして、また寝ればいいのですが、PCを開いたりテレビを付けたりすると時間を費やして翌日は寝不足になるので避けるようにしています。

 こういう年末などの連休は翌日の仕事のことを考えなくていいので酔いが残ったまま気分よく音楽を聴いて過ごすことがあります。そういう時に聴きたくなるのは決まって日本のポップスです。
 以前は、夏川りみなどでしたが、今年は悲報もありZARDの曲をよく聴きました。1年を通じて一番多く聴いた曲といえば、大好きな「突然」です。繰り返し何十回と聴きました。こういう日本語だけで完結してメロディのよいポップス、かつ若い頃に夢中になった音楽は何度でも聴きたくなります。
 今年はZARDが死んだ年として記憶することになります。


 『突然』

 突然君からの手紙 あの日から途切れた君の声
 今すぐ逢いに行くよ 夏が遠回りしても

 カセットのボリューム上げた 日曜の車は混んでいる
 バックミラーの自分を見て “今度こそは意地を張らない”

 海岸通り過ぎると 君の家が見える
 過去も未来も忘れて 現在は君のことだけ

 突然の風に吹かれて 夢中で何かを探したね
 倒れそうになったら 僕を近くに感じて
 またあの日のように 君を抱きしめたい

 何かを求めれば何かが音をたてて崩れてく
 たとえ今日が終わっても 明日を信じて行こうよ

 僕は君の大切な存在になれるのだろうか
 この仕事はどんな状況も笑っているよ

 突然の熱い夕立に 夢中で車に走ったね
 埃まみれになって 時間の経つのも忘れた
 恋人よ 君を心から大切にしたい

 突然の風に吹かれて 旅人は行く先を知らない
 でもぼくらの愛は 二度とはぐれたりはしない
 あの青い空のように いつまでもそばにいる


 
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今年の1枚/今年の1冊/今年の1皿


 年末なので今年も1年間を振り返って特に印象に残った作品を整理しました。自宅に書斎を持ち、趣味を堪能するには最高の環境が整った1年だったわけですが、常に娘が遊ぼう遊ぼうと来るのでゆっくりできる時間は限られました。
 それでも娘が2歳を過ぎてからは必ずしもベタ付きしなくてもよくなったので、少しずつ自分の時間を持てるようになりました。今年も昨年に引き続き極めて小範囲の候補からのピックアップということになります。


○クラシック

 考えてみたのですが、今年のクラシック音楽の1枚はパスです。夏頃に「ローエングリン」をまとめて聴いた時期もありましたが、とうとうクラシック音楽に浸かりたいという中長期モードには入らずじまいでした。何を聴いても楽しめないというか心が求めません。
 本を読む際のBGMは音楽ではなく、窓をちょっと開けて外の自然音に耳を澄ますほうが落ち着きます。無理にCDを聴くことはないので、当面はクラシック音楽を聴きたい気持ちが戻るのを待ちたいと思います。
 という訳で、よいなあと思えたディスクも一部ありましたが、特別な1枚は思い浮かばないので今年は該当なしです。

○ロック・ポップ

 ロック・ポップは比較的1年間を通して聞きました。有名どころで新たにまとめて聴き始めたミュージシャンとしてジェフ・ベック、ボブ・ディラン、ELO、トーキング・ヘッズなど。ビートルズの「アビー・ロード」もアルバムとしては初めて聴いて新鮮な感動がありました。新人も音楽ショップの試聴で気に入ったディスクをいくつか聴いたと思います。
 その中で1枚となると、今更ですがトーキング・ヘッズの「リメイン・イン・ライト」です。年末にいろんな雑誌でギターやロックのベストアルバムを紹介する企画があったのですが、それで知って購入した1枚です。
 アフリカンビートとロックを融合したダンスミュージック。1曲目の冒頭を聞いただけでもう気に入りました。アフリカに限らずカリブ海など世界のビートを取り入れた音楽はアレステッド・ディヴェロップメント、ポール・サイモンの「グレイスランド」など大好きです。
 トーキング・ヘッズは「ストップ・メイキング・センス」は好きだったのですがベスト選曲と読んでいたので他のディスクは聴かず仕舞いでした。80年代音楽大好きを自認しているのにこんな名盤を知らなかったとは…。新作ではない1980年発表の作品ですが、今年最も印象に残ったアルバムなので今年の1枚にしたいと思います。

○ジャズ

 今年はビリー・ホリデイとチェット・ベイカーを新たに知った1年となりました。両者共にボーカルで、自分には新しいジャンルです。無性にジャズを聴きたくなった時に選択するアルバムの1枚になると思います。
 ジャズは、「ザ・ビリー・ホリデイ・コレクション」です。

○本

 今年は気になるジャンルを一気にまとめて読むことが楽しかったです。私はどちらかというと遅読でじっくり読むほうが好きなのですが、40歳を過ぎてようやく、こういう生活リズムでは読みたい本を人生の中では読み終わらないことに気付きました。そこで面白いことが分かっても一気に読むほど乗れない、わざわざ時間をかけて読むほどではないと判断した場合は、早々に見切って斜め読みで読了することにしました。こうすることで読書への関心を持続させる。趣味とはいえ情報過多の中、ある程度の規律というかリズムがないと集中できません。
 具体的には、年の前半は日本人作家のエンターテーメント作品、後半は新書、漫画などをまとめて楽しみました。どれも面白く、今年は充実していたと思います。
 その中から1冊となると…読んでいる時間が楽しくて楽しくて仕方ない、危うく読まずに死ぬところだったと思える作品、小説に出会いたいのですが…今年読んだ本はそこまでのレベルではなかったように思います。
 そこで、今年の1冊は、読み物のスタイルとして好みのタイプにすぽっと嵌った赤澤かおり/内野亮著「Aloha Book」です。当分、手元に置いておき、彼の地への旅が具体化する日が近いことを祈りつつ読み返したいと思います。

○食べ物

 娘が小さくて手が掛かることは相変わらずですが、比較的静かにムシャムシャ食べるようになったので行ける店の範囲は広がってきました。それでも、家族で行ける店はまだ味は二の次が多いです。
 そこで、一人行動中に食べて印象に残っているたこ焼き、焼肉、うどん、ラーメンなどの中から今年の1皿を選ぶと・・・高松で食べたさぬきうどん「こだわり麺や」の生醤油です。うまかった。あの食感、のど越しは今でも口、のど、舌が覚えています。
 以前、東南アジアなどの貧乏旅行記で、フォー(ベトナムのうどん)を日本円で50円くらいで食べているのを読んで安いなあ、自分も体験したいなあと思いましたが、香川県で80円、90円、100円でうどんが売られているのを知ると、逆に日本でこの値段なら東南アジアで50円は高すぎるんじゃないかと感じるようになりました。世の中のどの値段が安いのか、適正なのか、ボッタクリなのか、よく分からなくなってしまいます。高松の出張から帰宅した後、妻に「老後は香川県に住みたいかもしれない」と少し本気で伝えたところ、「私には何のメリットもない」と受け流されました。


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「江の浦テラス」(小田原)


 2泊3日で伊豆旅行に行ってきました。伊豆は我々家族には初めて周ったエリアで城ヶ崎海岸、浄蓮の滝、堂ヶ島などなどとても楽しいドライブとなりました。それぞれの観光スポットは皆さんご存知のところばかりなので省略して、今回宿泊した「江の浦テラス」(小田原)と「湯回廊菊屋」(修善寺)をご紹介させていただきます。

 まずは1日目の宿かつ今回の旅行の中で最も良かったスポットといっても過言ではない小田原にある「江の浦テラス」です。
 もともと今回の旅行は修善寺に1泊だけする予定だったのですが、伊豆によく行かれるという会社の先輩から「ペンションのようなとある宿を気に入っていて、最近はそこにしか泊まらない」ことを教えてもらいました。早速、ホームページを見たところ、みかん畑の傾斜地に建てられた簡素な宿、前面に広がる青い海、開放的な明るさが写真からも感じられて、どうしてもここに行きたいと思いました。
 土曜日の夜なのでダメもとで電話したところ・・・1室空きがあるとのことで早速予約。

 江の浦テラスはみかん農家のご家族がオープンした宿泊施設です。部屋は5部屋(洋室3、和室2)が横に連なっていて、外から直接部屋に入るコテージのようになっています。海に面した側は全面ガラス張り。生垣など目隠しもありますが、前を通る人には中は丸見えです。ただ、そこは大人の宿泊者なのでお互い見ないので気になりません(夜はカーテンを引きます)。

 ソファに座ってみかん畑を眺めたり、ちょっと外に出て広大な海を眺めたり。こんなに贅沢な眺めの宿は初めてです。1年中の疲れが癒されるような心地よさを感じました。

 お風呂は部屋にもありますが、ジェットバスと檜風呂と2つの展望風呂(温泉ではありません)が宿泊棟の脇の離れに作られています。広いお風呂に入ることは旅の醍醐味でもあるので、ここでも大いにリラックスできます。

 食事などはメモを改めますが、これだけの内容で1泊2食12,600円!です。安い。因みに、江の浦テラスの北側近くにあり評価の高い「ヒルトン小田原リゾート&スパ」は宿泊だけで18,500円から、同じ東伊豆の海を眺める川奈の「月のうさぎ」は週末45,000円からです。一度行きたいと思っていましたが、ここを知るとちょっとと思ってしまいます。


 今週末12/22(土)8:00からのテレビ朝日「朝だ!生です旅サラダ」の「みやこの宿かり日記」で江の浦テラスが紹介されるという張り紙がありました。平成16年頃に「くいしん坊万歳」などテレビで続けて紹介された後は1~2年、予約のとりづらい状態が続いたんだそうです(因みに、一番よい部屋は、我々が今回宿泊した106とは反対側の101で前面とサイドと2面が窓になって開けています)。
 我々はこれから何度も訪れることになると思いますが、当分は沈静化を待つことになるかもしれません。



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「江の浦テラス 海の眺め」(小田原)


 繰り返しになりますが、江の浦テラスの最大の魅力は、海の眺めです。テラスの前に立つと、遮るものなく広大な海と空が広がります。もちろん海を見た経験は何度もありますが、穏やかな青い海の眺めにこんなにも癒されることを初めて実感しました。ずっと見ていたい風景です。

 夜中の1時頃に目が覚めたので外に出たところ、満天の星です。空気がきれいな事と地表に光っているものがほとんどないのでくっきりと見えるのだと思います。
 学生の時、北アルプスの山の上で見た星空(2~3分おきにぴゅんぴゅんと流れ星が流れます)には及びませんが、こんな都会の近郊でこんなに星が見えるとは感激でした。

 そして、日の出です。少し雲が出ていたので、海から昇る太陽とはなりませんでしたが徐々にオレンジ色に染まる地平線から太陽が出た瞬間、光線がぱっと光って、初日の出でも見ているような清々しい気持ちになりました。地元の方にはどうってことない日常の風景なんでしょうが、地球の営みの神々しささえ感じられました。


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「江の浦テラス 金目鯛」(小田原)


 会社の先輩から江の浦テラスの話しをきいたとき、非常に興味をそそられたのは、1泊2食で12,600円と安いのに、夕食には金目鯛の煮付けが必ず付くことを聞いたこともあります。金目鯛の煮付けといえば、都会では時価あるいは3千円といった値段でメニューにあるいまや高級食材です。江の浦テラスでは、オーナーの兄弟に漁師さんがいるとのことで安価で安定的に手に入れることができるんだそうです。

 楽しみにしていた夕食。この施設は1階に宿泊室が5部屋あり、2階がフロントと食堂、休憩スペースなどになっています。18:00に2階へ上がります。

 メニューは、派手さはありませんが、ちょっと手を加えた洋風の料理と新鮮な魚がミックスされています。洋風の料理もおいしいのですが、やはりサザエや刺身などの魚が美味しい。食べ進んで高い食材も結構出されたので、今回は金目鯛はないコースなのかなあと思っていたところ、最後に出てきました、金目鯛。2人で1匹ですが立派な金目鯛です。身が締まっていて味が染みていて美味しい。美味しいとはいえ店で3千円とか値がつくのが妥当なのかは分かりませんが、高いと知っている食材が出されるのはやはり豪華です。みかん農家のご家族なのですが決して素人の料理ではありません。いろいろと勉強、工夫されているのだと思います。
 先輩によると金目鯛はワンパターンで変わらずとのことですが、こういう贅沢なワンパターンであればいつまでも続けていただきたいものです。

 旅行初日は、観光を早々に切り上げて早めに宿に到着して正解でした。この眺め、快適な部屋、リラックスできる風呂、美味しい夕食、美味しい朝食、これで12,600円。これ以上、何を求めることがあるのか。都会の近郊にこんなにも素敵なリゾートがありました。



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「湯回廊 菊屋」(修善寺)


 旅行2泊目は、修善寺にある「湯回廊 菊屋」に泊まりました。伊豆旅行を計画した際に落ち着きのある温泉街のイメージのある修善寺に泊まってみたいと考えました。そこで宿を調べてみたのですが・・・高い。日本のまともな旅館が高いのは承知していますが、改めて3万円を超える料金を見ると、3万円あれば何が出来るだろう・・・一生行けないと諦めていた高級店で食事できるじゃないかなどツラツラと考えてしまいます。かといって古くて汚いボロ宿で不味い飯を食わされるくらいなら夜遅くなっても日帰りがマシ。一旦は旅行見送り案が多勢を占めそうになった時に、この「菊屋」の26,000円という料金を見つけました。高いけどギリギリ圏内、改装して中もキレイそう・・・まあ久しぶりだし贅沢しようかということになりました。

 そういう訳で、高級宿の多い修善寺の中では中級(?)の値段設定、ガイド本にも広告を出していること、しかも江の浦テラスの後で・・・ほとんど期待していなかったのですが、こちらも素晴らしい宿でした。

 まずサービスが高級旅館と同等のサービスです(こう言っては宿に失礼ですが全く期待していなかったということです)。宿の前で駐車スペースを探していると、係りの方が飛んで来て、引き継いでくれます。荷物も運んでくれて我々は車を降りてチェックインに向かいます。入口からは渡り廊下になっていて、この廊下が桂川の上に掛かっているという洒落た造りになっています。川の流れを見る座席でウェルカム茶菓子をいただきながら宿帳に記帳し、説明を受けます。館内は歴史の感じられる造り、好意的に例えると「千と千尋」系の複雑そうで巨大な宿です。夏目漱石や知らない作家の手紙・記念品、大山名人が対戦した名人戦の時の碁盤などが飾られていたのでいろいろと歴史があるのでしょうか。

 部屋は本館1階の水仙という部屋でした。入ると部屋にコタツが置いてあり、窓のすぐ脇が大きな池、巨大な鯉がたくさん泳いでいて純和風の高級感があります。で、驚いたのが、部屋がもう一つあったことです。写真では分かりにくいのですが、奥に布団の敷かれている寝室が付いていました。雑誌で見たことのあるベッドのソファを下敷きにして少し盛り上がっている布団です。

 部屋に備え付きの宿案内にそれぞれの部屋のレイアウトが載っていたのですが、本館の多くは我々が泊まった部屋の半分の広さ(通常の宿同様の1部屋)で2部屋サイズの広い部屋が全体の1/5くらいでしょうか。想像するに、日曜日の夜で比較的空いていたこと、直接宿に電話して予約したので他のサイトへのマージンがなく上客となった(インターネット価格も定価とほとんど変わらなかったので直接宿に電話した)ことから優先的によい部屋を充てられたのではないかと思います。いずれにしてもよい部屋に泊まれました。



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「湯回廊菊屋 露天風呂」(修善寺)


 落ち着いたら早速お風呂です。内風呂と露天風呂(男性用、女性用、貸切2)があり、私は娘と男性用の露天風呂に入りました。やっぱりいいですね、大きな露天風呂は。翌朝に貸切露天風呂(写真)にも入りましたがこちらもよかったです。


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「湯回廊菊屋 食事」(修善寺)


 残念というか、まぁこんなものかと思ったのは夕食です。メインの3品は選択できる内容になっているなど新しい日本旅館の食事に生まれ変わろうという努力は感じられ、食材も特産のしいたけ、金目鯛(切り身)など出されて美味しいのですが、「旨い」と唸るようなレベルではありません。この値段では仕方ないのでしょう。中の上といったところです。
 写真の朝食はオーソドックスですがこちらはかなり満足できました。お米も妻は江の浦テラスよりはずっと美味しかったと言っていました。娘がもらった地元産の牛乳も濃厚でとても旨かったです。

 ここの特筆すべきサービスとして、夜の10時から11時半の間に宿の中央部のコーナーでのラーメンの無料サービスがあります。ドライブ疲れで起きているか心配しましたが、たまたま11時に目が覚めてしなそばをいただくことができました。さっぱりしていて美味しかったです。
 以前、大分の湯布院の宿に泊まった際、お風呂の外に無料のビールサーバーが置いてありいいなと思いましたが、こういうちょっとしたサービスはとても印象に残ります。

 ここの係りの女性は皆さんとても感じがよくてよい印象を持ちました。性格の良さが滲み出るような対応は教育だけではどうにもならないと思います。

 総合的には、久しぶりに高級感溢れるサービス、充実した施設を堪能できて満足できました。26,000円というのは考えてみればやはり高い料金だと思うのですが、場所が良くて快適な観光ホテルを求めると泊まるだけでも15,000円とか普通に取られることを考えるとそんなに高すぎない気もします。あまりまともな日本旅館に泊まった経験はないのですが、この水準で26,000円ということが我々には一つの基準になります。


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よしもとばなな「まぼろしハワイ」


 ようやくというか初めて吉本ばななの「キッチン」を読みました。吉本ばななは女性が読むという印象が強かったのでなんとなく避けてきたのですが、面白かったです。繊細な感受性が切ない。
 孤独、愛、死、家族、人との触れ合いなどを織り込んだ私小説風なのですが、設定の面白さ、ストレートな表現、なにげない日常の捉え方が冴えていて純文学を超えた娯楽性があります。今更、私が説明するまでもないよしもとばなな風な文体・タッチなのでしょう。
 現在、私には妻と小さな娘がいて、これからの人生を家族と歩むことに迷いはありませんが、若かった頃、自分の将来がどうなるのか分からず夜になると不安に襲われた頃の気持ちを思い出しました。


続けて、「まぼろしハワイ」という新作(短編3作)を読んでみました。1987年の「キッチン」から20年目の節目の作品、ハワイ大好きばななさんが5年をかけて書き下ろした本人曰く「入魂」の作品とのことです。よしもとばなな×ハワイ、期待は膨らみます。

 ちらっと斜め読みした書評にもありましたが、「キッチン」の作風と全く変わらないです。肉親の誰かが死んだ(でいる)設定、一人ぼっち、日々のちょっとした出来事の積み重ね、肉親以上に親しい他人との交流を通じて、泣いて泣いて、再生していく・・・。
 読んでいる途中は、また死んでるよ、また泣いてるよと多少うんざりすることもあるのですが、魅力的な会話、美味しそうな食事シーン、天候・空気の表情などディテールの表現が印象的で、最後には小さいけど何か希望を見出す主人公に共感できて、爽やかな読後感があります。旅行先としてのハワイを舞台としていますが、主役は上記のようなばなな風設定でハワイは名脇役といった感じです。

 続けて読むと満腹感がありますが、心が疲れたときなどにさらっと読むと心に沁みる作家なんだろうと思います。


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若杉公徳「デトロイト・メタル・シティ」


 最近は、最寄り駅に立ち飲み屋が増えてきてうれしい限りです。店は居酒屋風がまだ多いですが、ビール1杯(350円~380円)だけでも構わないロンドンのパブと同じシステム・雰囲気は大歓迎。夕食を自宅で食べるにしても仕事から解放されてちょっと飲んで一息つきたい時にはちょうどよいスポットです。

 1人で立ち飲みする時の過ごし方は人それぞれでしょうが、私は夕刊を読みながらです。朝刊は堅い全国紙も夕刊はリラックスして読める記事が含まれている。駅の売店で適当に夕刊を2誌(100円)買って今日はどの店にしようかと改札を抜けます。

 前置きが長くなりましたが、そんな夕刊ウォッチングの中で漫画についての広告特集を読み、面白そうな漫画が紹介されていたので久しぶりに本屋の漫画コーナーに行ってみました。

 漫画は決して嫌いではないのですが、たまーにという程度です。最近というかこの10年で読んだものというと「北斗の拳」、「ナニワ金融道」、「のだめカンタービレ」、「プルート」くらいです。

 平積みコーナーに新聞で紹介されていたお目当ての「デトロイト・メタル・シティ」がありました。紹介文の設定を読んだだけで面白い予感大だったので既刊の1巻~4巻を買おうかと思ったのですが、読んでみないと分からないと思い留まりました。その代わり、POPなどで勧めてあり関心を持った漫画のそれぞれ第1巻を読んでみることにしました。
 ボーナス月お小遣いで少し懐が温かかったのと漫画はどれも1冊500円ちょっとと安いので購入し易いです。

 結局、次の漫画のそれぞれ第1巻を読みました。

・「デトロイト・メタル・シティ」(若杉公徳)◎
・「ソムリエール」(城アラキ/松井勝法)○
・「ソラニン」(浅野にいお)○
・「吉田家のちすじ」(中島守男)○
・「イキガミ」(間瀬元朗)△
・「バガボンド」(井上雄彦)◎
・「神の雫」(亜樹直/オキモト・シュウ)○
・「岳」(石塚真一)○
・「賭博黙示録カイジ」(福本伸行)○
・「医龍」(永井明/乃木坂太郎)○

 どれも面白かったです。面白い漫画を1冊読むのはあっという間ですが、乗れないと漫画といえども興味が持続せずに最後まで行きません。その点、今回ピックアップした本は連載が長い人気作が多いこともあって、登場人物の描き方がリアル、設定に無理もなく実在感があって魅力的、どんどん読ませました。

 ◎、○を付けた漫画は2巻以降も順次読んでみようと思います。
 この中で1冊となると、やはり大爆笑させてもらった「デトロイト・メタル・シティ」です。クレイジー、おっかしい、笑えます。映画化するとのことですが、この過激な歌詞は映倫上どうなんだろうか、マイルドな歌詞に置き換えるのか興味が沸いてきます。

 40歳にして漫画に嵌る?年末の楽しみが増えました。


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らーめん翔太(梶が谷)


 久しぶりに「翔太(しょうた)」でラーメンを食べました。といっても現在の場所に移ってからは初めての訪問です。

 若い頃はラーメンを食べ歩いたこともありましたが、30歳を超えると胃が小さくなってきたのと脂っこいものを強く求めなくなったこともあり、徐々にラーメンから離れていった(わざわざ出向いて行列に並ぶことはしなくなった)のだと思います。
 そういう時に知ってもうラーメンはこの一軒だけでいいと思えたのが「翔太」でした。武蔵新城に店があった時は毎週のように休みの日は自転車に乗って通っていました。当時から美味い店として雑誌などに紹介されていましたが、場所柄か少なくとも休日に満席ということはなかったのも気に入った理由の一つですが、何といっても味が良かったです。

 ゲンコツ、鶏ガラなどをベースにしているらしいのですが、癖になる旨みのあるスープにインスタント麺に近いというと誤解されそうですが柔らかめの中細めんがよく絡む。それにたまねぎのみじん切りとキクラゲがトッピングされています。コッテリなんだけど後味さっぱり、たまねぎのシャキシャキ感。何度食べても飽きのこないラーメンでした。店長が会社員時代に評判だった手作りラーメンを進化させて店を出したというのが納得のアマチュアの作る美味しいラーメンという印象でした。

 この店の良さは、味に加えて、普通ラーメン屋には求めない店の温かい雰囲気です。真面目な会社員風の店長、まだ飲食店のサービスに慣れない奥さん、見た目は今どきの高校生風なんだけど話しぶりがとても感じのよいお嬢さんと親戚の女の子の4人+αで切り盛りしていました。私の知り合い家族も「翔太」に通っていたのですが、彼らも注文を取る2人のお嬢さんをとても気に入っていると言っていました。

 その後、私も転勤、転居などでご無沙汰していたのですが、今日、久しぶりに散髪のついでに電車を乗り継いで梶が谷に行きました。
 店に入るとまず厨房のスタッフがあの店長、家族ではなく、若い男性2人、女性1人だったので驚きました。運営は別の人に任せて現場からは引退したのでしょうか。

 写真の「翔太らーめん」(680円)に辛ネギ(150円)のトッピングを注文しました。おそらく8~9年ぶりになると思いますが、以前と同じスープの味わい(味噌ラーメンスープのコクに似ているかな)、麺の食感にほっとして美味しくいただきました。たまねぎのみじん切りは少なくなったように思いましたが、以前は不要なトッピングと思っていたキクラゲも美味しく感じました。

 今回、一人で向かった目的は、以前の店のようにテーブル席が複数あり娘も連れて行ける環境なのかどうかの確認だったのですが、それは無理そうです。狭い店内にカウンター10席、コーナー8席くらいでしょうか。しかも、店外での並び方にも張り紙があったのでさっさと食べて出て行く人気店のようです。

 昔のゆったりしたいい雰囲気はなくなりましたが、味はほとんど同じでほっとしました。また機会があれば食べに行きたいです。



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