ガーディナー/ORR「ブラームス ドイツ・レクイエム」

             

 田部京子のイベントでタワーレコード渋谷に行った際、新譜コーナーで見つけた一枚です。ブラームスのドイツ・レクイエムは大好きな曲だけどもうこれ以上いいんじゃないか、アーノンクールとウィーンフィルの怪盤も加わってリストは十分。迷いましたが、それでも先日聴いたモーツァルトのシンフォニーの再録音での充実ぶりに瞠目したガーディナーです。

 何度も聴いているのですが、この演奏の素晴らしさをうまく表現するのは難しいです。特に古楽器の響きです。これまでも古楽器オケをたまに聴いてきましたが、演奏スタイルは現代風が多くて、そんなに違和感というか現代オケとの違いを感じなかった(というか聴き取れなかった)のですが、この演奏はまさに古楽器のサウンドです。古楽器について詳しくなく、私にはこの演奏を聴いて得られる感動がオケの響きによるものなのか、ガーディナーの指揮によるものなのかが区別できません。

 どこがどう良いのかうまく言い表せないのですが、オルケストル・レヴォリューショネル・エ・ロマンティークの響き、モンテヴェルディ合唱団の豊かで壮麗なコーラス、それを統率したガーディナーの円熟ぶりに酔いしれます。本当に素晴らしい演奏です。

 ライナーノーツを眺めていたら同じレーベルで交響曲第1~4番のディスクも出ていました。タワーレコード渋谷で試聴したところ、この曲を初めて聴くような響きやアレンジに驚き、惹かれました。1番だけは売り切れていましたが、早速購入してしまいました。こちらもじっくり聴いてみようと思います。

 ガーディナーは私が言うまでもない名指揮者ですが、更なる巨匠への道を歩み始めているのかもしれません。是非一度ライブで演奏を聴いてみたいです。


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「桂花」(渋谷センター街店)

          

 今日の渋谷は人も車もすごく少なかったです。車は東京マラソンの規制の影響でしょうが、人はどうしてでしょうか。

 今週も「桂花」で「五香肉(ウーシャンロー)定食」です。50円でキャベツをトッピングしました。美味しかったのですが、五香肉の仕上げ方がちょっと違いました。こないだの新宿店はもう少し衣が薄くて肉がふにゃっとしていたのですが、渋谷店のはしっかりしています。私は新宿店の方が好みです。ラーメンのスープも臭みが控えめのようです。もう少し風味強めでもよいです。お米は渋谷店の方がいいものを使っています。 

 店によって味が違うのも面白いです。


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宮本輝「流転の海 第一部」

              

 「錦繍」に感動した後、評判のいい宮本作品のうち未読の小説を読んでみることにしました。まずは「ドナウの旅人」です。ヨーロッパを舞台にしたちょっと変わった設定、読み進めたのですが150ページで一旦中断することにしました。最高傑作と評する人もいるのでここからが本番だと思うのですが、迷ったらとりあえず止めることにしています。

 引き続き手にしたのは「流転の海」です。作者の自伝的作品という父と子の物語です。こちらは面白かった。これぞ夢中になる最高のオモシロ本です。こういうどっぷりと物語に浸れる本だと、先を急がずにゆっくり読んでしまいます。戦後の大阪で事業を再興させようと奮闘する豪快な男、松坂熊吾とその一人息子の伸仁、おそらくまだ幼児の伸仁が作者となるのではないかと思いますが先はまだ分かりません。

 1984年に刊行されたこの小説はこれで一旦完結しているのですが、連作の大河小説となっていて、現在、第7部の連載が始まっているようです。続けて読んでまとめてメモを書いてもよいのですが、いろいろと読みたい本もあるので順次読んでいこうと思います。

 それにしても、どろどろした金銭欲に性欲に出世欲、嫉妬心や執拗な復讐心に利己的な忘恩など人間のえげつなさを書かせたら宮本輝はピカイチです。一方で、世間の厳しい風当たりの中で時に見失いがちで隠れてしまうけど誰もが持っている心根の優しさ。そして、愛する人が自分ではない他人を愛する人生の哀しさ。
 「大きい小さいが男の値打ちやあらへんで。大きい男っちゅうのは、気味悪いくらいに小さいもんも持ってるんや。」などいくつかの言葉には本を置いて暫く考えさせられます。人間の本質を見据える作者の視線の確かさです。どういう体験を経て、宮本輝がこういう視点を身に付けたのか、この自伝的作品で明らかになるのでしょうか。

 それといつもながらの脇役の立ち上がりの見事さです。地味でちょっとした脇役と思っていた人物の人生にも隠された深いドラマがあります。

 宮本輝の王道作品の切なさにはいつも胸が締め付けられます。


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大植英次指揮/大阪フィルハーモニー「第49回 東京定期演奏会」

          

 大植英次指揮の大阪フィルハーモニー交響楽団の定期演奏会です。先日読んだ週刊誌で大植英次の退任コンサートであることを知り、急遽、購入したものです。数日前の予約だったのですが、前から3列目の席だったので人気ないのかと若干心配したのですが、サントリーホールはほぼ満席の賑わいです。

 3列目といっても一番右端、場所としてはコントラバスが目の前に見える席です。通常であれば微妙な席なのかもしれませんが、大植英次の指揮ぶりを真横から見られるので凄くいい席じゃないかと楽しみにしていました。これで7000円は安い。

 〔プログラム〕
 ベートーヴェン 交響曲第6番「田園」
   (休憩20分)
 ストラヴィンスキー バレエ音楽「春の祭典」

 田園は美しい演奏でした。自然の風景をストレートに描写します。大植英次は指揮棒なしで手だけで柔らかくオーケストラを歌わせます。指揮者がコントロールしなくても楽曲とオケの機能美だけで十分という雰囲気です。それ以上の意味を持たせることなく、第4楽章の嵐もこの世の終わりのようなおどろおどろしいものではなく田舎での雷雨の音です。

 初めてこんなに前方の席で聴いたのですが、これまでのコンサートは何だったのよというオケの響きの違いです。当たり前ですが、目の前で演奏しているのでそれぞれのパーツの音がリアルに聴こえます。右の耳からコントラバスのギーコーギーコー、ベンベンといった響きが聴こえて、左の耳からはバイオリンその他の楽器の混成音が聴こえてきます。目の前の空間で音が交わってハーモニーします。

 サントリーホールはどの席でも凄く音がいいと言われています。一流オケのチケットは2階席であることが多いのですがそれでも十分に楽しめているのだと信じていました。ただ、一昨年、ウィーンフィルを初めて聴いた際(トリスタンの前奏曲・愛の死とブルックナー9番)、正直、何とも思わなかった。悪くもないけど良くもない。ウィーンフィルってこんなものなのかなあとその時はモヤモヤが残りましたが、おそらく、2階席の後ろだったので音が届かなかったのだと思います。1階の前の方で聴いた音楽とは別の音楽だったということです。

 そういえばサントリーホールで唯一、前方の良い席で聴いた(15年以上前ですが)ビシュコフ指揮のパリ管の演奏会で透明感ある弦の音がふわっと浮いて消える響きに驚いたのを今でも覚えています。それまで体験したことのないサウンドで長い間、パリ管の特徴だと思っていたのですが、あれは近くで聴けたので本当のオケの音に触れられたのではないかと思います(本拠地のサル・プレイエルでは2階席で聴いたのでそんな響きではなかったです)。

 なるべく前の方のオケに近い席でコンサートは聴くべきなんだなあ、そんな当たり前のことに今更気付いたなあなどと考えながら、ひたすら綺麗な音に酔いしれました。いろいろと用事を済ませた後で疲れていたのか、夢見心地で力が抜けて1楽章、2楽章、5楽章とウトウトしてしまいました。
 独身の頃、アバド指揮ベルリン・フィルのトリスタンとイゾルデを確か55,000円払って観たとき、第1幕では隣の席の人が寝ていました。第2幕は私が寝てしまいました。第3幕は私の前の席の人が寝ていました。高いお金を払って気持ちよく眠れるのは贅沢な幸せです。


 休憩を挟んで、後半は春の祭典です。春の祭典を生で聴くのは今回が初めてです。フルメンバーに近い大編成になります。大植英次は短めの指揮棒を持ってテキパキとドラマチックに音を処理していきます。ここでも、ビオラやコントラバスなどこれまで聴こえなかったいろんな音がハーモニーとして、あるいは不協和音で耳に届くのでこんな曲だったのかという驚きがありました。
 当然のことでしょうが、CDで聴いてきたどんな録音よりも生で聴いて、そして目の前で観る演奏の方が迫力があります。原始的なリズム、魅力的な音の掛け合い、春の祭典としてはこれまでで最高の演奏体験になりました。春の祭典はどういう演奏がいいのかモノサシを持っていませんが、今日の大阪フィルの演奏には興奮しました。

 いろいろと勉強になって楽しかった3列目の端席、この席は、音をリアルに聴ける反面、演奏している奏者の姿をほとんど見られません。左からコンサートマスター、指揮者、第二バイオリンとヴィオラの後ろ姿だけ、ただしコントラバスの前5人はバッチリです。コンサートの華でもあるオーボエ、フルート、クラリネット、ティンパニは全く見えません。特に春の祭典は鳴らしものの演奏を耳だけでなく目でも観賞するのが楽しみですがそれは出来ません。演奏後の指揮者のパーツごとの紹介なども様子が伺えないのは残念ですが仕方ありません。

 大植英次は意外と小柄ですが、和かに余裕のある指揮姿で懐の大きさを感じます。男前、ダンディ、エンターテナー。佐渡裕同様にバーンスタインの指導を受けただけあってオーバーアクションも楽しいです。

 終演後、オケもいなくなったステージに再登場して、多くのファンのスタンディングオベーションを受けていました。客席に降りて観客と握手していました。こんな指揮者を見たのは初めてです。一周回って長時間、拍手に応えてから名残惜しそうに去りました。

 今後の役回りを知らないのですが、大植英次には世界を舞台にした活躍を期待したいです。大阪フィルも気に入りました。これからも聴こうと思います。


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「桂花」(新宿ふあんてん)

          

 デパートで買いたいものがありどこに行くか考えたのですが、元京王線沿線居住者にはやはり新宿伊勢丹が百貨店の頂きに君臨しています。そこまで大げさではないのですが、値段はともかくいい物が欲しいときにはまずは新宿伊勢丹で探してみたくなります。実際にイメージに近いものが見つかりました。

 久しぶりの新宿で食事です。いろいろと食べたいものがあるようでほとんど無いような。結局、「桂花」にしました。桂花は最近の大ラーメンブームの中では過去の忘れられた店になってしまい、桂花を好きなんて書く人はいませんが、私は今でも大好きです。
 スープ、麺だけでも満足できるのに、比較的新しいメニューである「五香肉」(ウーシャンロー/豚の肩ロース肉の香り揚げ)が滅茶苦茶美味い。肉の旨み、柔らかさと衣が独特です。名物は「太肉麺」ですが、最近は五香肉がいいです。

 今日は「五香肉定食」(950円)にしました。肉もラーメンもクセになる美味しさ、ボリュームも満点で最高です。


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「第24回大倉山観梅会」(大倉山)

          

 大倉山公園で開催された観梅会に家族と行ってきました。今年は寒くて開花が遅れていると読んでいたのですが、出店が並ぶイベントの方が子供も楽しいです。

 快晴の気持ちよい日でした。残念ながらほとんどの梅の木は蕾あるいはそれ以前の状態です。1本だけ紅梅が少し花開いていました。白梅もほんの一部です。

 それでも気持ちよい散歩になりました。子供達も綿菓子や焼き鳥を食べて楽しそうでした。

 まだまだ寒い日が続きますが、朝と夕方の日が長くなってきてもう少しで春だなあという気分になってきました。


          


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「ドラゴン・タトゥーの女」(ワーナーマイカルシネマズ港北NT)

             

 「ドラゴン・タトゥーの女」を観てきました。いやぁ最高、痺れました。何もなければ「ものすごくうるさくて、ありえないくらい近い」を選んだと思うのですが、家族の都合で10時50分開始のこの映画でないと時間が合いませんでした。観ておいてよかったです。

 暫くはストーリーがよく分からなくて、ちょっとウトウトした時に肝心なシーンを見落としたのかと思っていたのですが、そうではなくて途中で二人の物語が重なります。そこからは一気です。主人公と一緒になり、身を乗り出して何十年も前の不可解な未解決事件の謎を追っていきます。つんのめるようにシーンが展開して核心に迫っていきます。ある意味、オーソドックスな謎解きではあるのですが、パソコンを活用したハッキングやデータ処理など最近の技術も駆使されて新しさを感じます。

 なんといってもドラゴン・タトゥーの女を演じたルーニー・マーラです。アカデミー賞ノミネートも納得の迫真の演技です。帰宅後、どんな人なのか検索したところ、実物は大金持ちのお嬢様のようです。弱さと強さを併せ持つ複雑で気味の悪い哀しい女を熱演しています。この演技は凄いです。

 映画を観ていてビシビシ感じたのは原作の良さです。全然知らなかったのですが、やはり世界的なベストセラー小説のようです。早速、原作の「ミレニアム1」を購入してしまいました。

 原作同様に3部作がこれから順次、製作されるようです。興行成績がよく分かりませんが、是非、大ヒットして2作目、3作目も潤沢な資金で作られることを期待したいです。


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国立劇場2月文楽公演「彦山権現誓助剣」(国立劇場 小劇場)

          

 先日、角田光代の「曾根崎心中」を読んで、人形浄瑠璃版を是非観てみたいと思ったのですが、検索してもヒットせず当分はなさそうです。ただ、関心が湧いたので何か観てみたいと別の演目を探したところ、国立劇場で公演をやっていました。
 どこかで見た題目でこれかなと思った「義経千本桜」は完売していて、「彦山権現誓助剣」という公演だけ席が残っていました。人気のない演目なのかもしれませんが、4月の演目を見ても何か知ってそうなお話もないので、とりあえずこれにしました。
 永田町の最高裁判所の隣にある国立劇場の小劇場、料金は5700円です。残り券僅かの表示だったのですが、予約すると席は3列目の真ん中でした。

 文楽については昔、NHKで何かを見た記憶はあるのですがライブは初めてです。今回知ったのですが、文楽と人形浄瑠璃はほとんど同義語で、歌い手と三味線の演奏にリードされた人形劇のようです。

 観劇の前に今回観る「彦山権現誓助剣(ひこさん ごんげん ちかいのすけだち)」のあらすじをネットで検索して予習したのですが、物語が複雑すぎて理解できません。別のあらすじを読んでも同じで人間関係がよく分かりません。大衆芸能なのにどうして単純じゃないのか少しイライラしながら当日を迎えることになりました。
 しかも上演時間はトータル2時間半程度と結構長く、特に後半は1時間40分で興味が持続するのか心配です。期待1/3、失敗したかな2/3くらいの気持ちで劇場に向かいました。

 永田町駅で初めて降りました。国立劇場までの道ははっきりしないし、入口も建物もパッとしないし地味だなあと思ったのですが、正面玄関は反対の皇居に面した方でこちらは東京のど真ん中風の晴れやかさがあります。
 平日ということもありますが客層は年配者が多いです。30代がいるかどうかくらい。着物の女性も複数いて上品な雰囲気です。
 劇場口の前で同時解説イヤホンを550円で貸し出していました。普段であればまずは虚心坦懐に芸術に触れようかと考えたかもしれませんが、予習でのモヤモヤがあったので、貸してもらいました。

 『彦山権現誓助剣』
  11:00~11:37  杉坂墓所の段
    <休憩30分>
  12:07~13:28  毛谷村の段
  13:31~13:52  立浪館仇討の段

(原作は全11段構成のところ8~11段の上演です。公演時間の表示がえらく細かいです。)

 3列目の真ん中でいい席です。一番後ろでも17列目ですが、人形の動きを目の前で観られたのでよかったです。ただ、見上げるとはいえ前から5~6列くらいは傾斜がないので見にくいかもしれませんが、たまたま前の列はずらっと空席だったのでラッキーです。関係者用の席なのかもしれません。
 舞台右側の張り出しに構える太夫・三味線、両脇上段の字幕スーパー、人形の見え方、劇場の傾斜などなどを考慮すると8~12列目くらいが一番良いのかもしれません。

 肝心の文楽、人形浄瑠璃の世界については、大夫(歌い手)、三味線、人形の動かし方、劇的な舞台演出などなど、伝統的なのに現代的に洗練されていて新鮮です。面白い。詳細は省略しますが素人が見てもワクワクします。盛り上げる場面での歌い手、人形の緊迫感はハンパないです。時間もあっという間。舞台、演劇が好きな方であれば絶対、観るしかない。
 不安だったストーリーも音声ガイドや字幕スーパーがあれば全く問題ないです。視覚的にも理解しやすい。仮に音声ガイドなし、字幕スーパーが見にくい席だとしても楽しめると思います。今回のような不人気(?)演目でもこれだけ楽しめるのであれば、忠臣蔵、義経、曾根崎心中のような人気作品であればどれだけ楽しいんでしょうか。

 年配者だけ理解できる特別の世界ではありません。義理と人情、親の恨み、仇討ちなどお馴染みの世界を理解できる日本人なら絶対に楽しめます。これまた新しい楽しみを覚えました。


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「てんぷら黒川」(築地)

          

 卵と鶏肉の買い出しです。そんなもん近所で買えばいいじゃないかとも思うのですが、新海商事のプリップリでコクのある奥久慈卵と鳥藤のジューシーなもも肉を暫く味わえることを考えると築地往復は苦になりません。

 今朝は到着が9時過ぎだったので久しぶりに黒川でてんぷらです。野菜の天ぷらで有名ですが、エビから始まる普通のコースの方で2000円の「雪」にしました。

 エビ2、ニンジンを巻いたもの、湯葉(?)、銀杏、何か(忘れました)、さつまいも、カキ3。揚げ物は多分、こんな感じでした。普通のコースといっても、定番のキスやレンコンなどはなく築地らしい旬のものを揚げているようです。天ぷらで初めて食べる食材も入っていて楽しいです。2番目の客でカウンターは一人なので、テンポよくどんどん出てきます。お酒を飲んでいると早すぎるかもしれませんが、食事だけなのでいい感じです。

 そして食事は穴子天丼です。これも美味い。そして味噌汁が付いてくるのですが、中に大きな大根(おでんよりも分厚い大根の半分)が入っているのですが、甘く煮付けてあって凄く美味しかったです。

 ほんの15分程度ですが、いろいろと驚きのある食事です。こんな質の高い天ぷらを2000円で味わえるのは幸せです。


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宝塚歌劇花組公演「復活/カノン」(東京宝塚劇場)

          

 初めて宝塚を観ました。いやぁ面白かった。宝塚ワールドに魅了されました。ミュージカル、ダンスは好きな方で、若い頃、ミュージカル観劇を目的にニューヨークへ3回行きました。特に「クレイジーフォーユー」が好きで、シューバート劇場で3回観ました。この世にこんなに興奮するものがあるのかと嵌りました。
 その後は、バレエやオペラの方がよくなりご無沙汰だったのですが、久しぶりの踊る舞台にワクワク、興奮しました。まさかこんなに面白いとは。演出、ダンス、舞台装置、歌どれも質が高くてびっくりです。いろいろと舞台を観てきたつもりですが、こんなに豪華絢爛、金ピカで眩しい舞台は生まれて初めてです。

 日比谷線日比谷駅のA5出口から出て真っ直ぐ進むと、右側に東京宝塚劇場が見えてきます。外観は普通のビルです。チケット代行サービスでしょうか、「〇〇の会」の紙をもった人が複数います。角の先には募金をしているような女性が6~7人立っています。よく見ると箱には出演者の名前が書いてあり、ファンからのメッセージを代表で受け付けているようです。


          

 中に入ると赤い絨毯とシャンデリアで豪華です。皆さん楽しみで仕方ないという幸せな雰囲気があります。

 階段を上がり、更にエスカレーターで上がったフロアが1階席になっています。席は1階の一番後ろの中央のブロックです。席は前列の前2席の間から前方が見えるようズレて配置されています。小さい女性への配慮だと思いますが、我々大きい男性も後ろを気にする必要がなくていいです。
 後ろが気になることもあり、今回、席を予約した際に一般的に傾斜の付いている後方のブロックを選択したのですが(S席8500円)、これなら選択可能だった最前方の左右のブロックでもよかったです。広い劇場だと前方の脇はあまりよくありませんが、ここは劇場の幅もあまりないので全く問題ないです。ただ、同じブロックに熱心に拍手するおそらく古参のファンが多くいたので、後方でも中央の席がいいというファンもいるのかもしれません。いずれにしても最後方でも23列と劇場は狭く、どこで観ても悪くはありません。

 舞台と客席の間にはオーケストラピットがあり、ニューヨークのミュージカル同様にオケの練習の音がピーヒャラ鳴っていて、指揮者もいましたが、実際に演奏しているのかどうかはよく分かりません。

 観客の90%以上は女性です。晴れの観劇に気合の入った服装が多いのかと想像しましたが、結構、普段着です。また、上演中に何か独特の掛け声でもあるのかと思っていましたが、事前にしないように放送がありました。

 15:30~17:05 ミュージカル・プレイ『復活 -恋が終わり、愛が残った-』
 17:05~17:35 休憩
 17:35~18:35 レビュー・ファンタシーク『カノン』 -Our Melody-

 15時30分になると劇場が暗くなり、時間通りに始まります。復活はトルストイ原作のカチューシャの物語、かなりこってりしたメロドラマですが宝塚に期待するイメージに近いストーリーです。ミュージカルとバレエと演劇がミックスされたようなお芝居です。
 ストーリーは省略しますが、舞台装置の転換が次から次へとあって飽きさせません。ここまで転換の多い舞台も初めてです。物語は劇的に進んでいきます。中央の舞台の両脇の張り出しも長く、また、観客席とオーケストラピットの間に花道が設けられていて、前後左右に広がりがあります。ただでさえ劇場は狭いのに更に前に出てくるので目の前でスターが光り輝きます。途中で観客席の通路を使う演出もありました。こういう驚きもありワクワク楽しめます。

 休憩後はカノンというレビューショーです。リズム、タンゴ、ムードミュージック、カンカン、サンバ、ロックなどなどの音楽に合わせてめくるめくダンスの世界です。お約束のラインダンスもあり、最後はこちらもお約束でしょうか大階段を使用した演出です。繰り返しになりますが豪華絢爛、金ピカ、オールピンク、これでもかとド派手でギラギラな演出が続きます。衣装は一体何回代えているのか。こんなショーを観れば誰でも夢中になります。

 最後はオペラや演劇のような一人一人のカーテンコールはなく、幕が降りてさっと終了です。

 てっきり宝塚風の振り付け、宝塚風の言い回し、宝塚風のダンスをするのかと思っていたら、とんでもない高水準のプロの演技、プロのダンスです。少々大袈裟で大味なイメージとは違いました。素晴らしい演技、ダンスに魅せられます。

 現在の花組の男役トップは蘭寿とむで私が見てもいい男、色気があります。娘役トップの蘭乃はなも華奢ですが舞台では大きく見えて華がありました。その他、次を狙うメンバー達も魅力的です。

 本当に楽しかったです。観ておいてよかった。昨日までは宝塚を知らない人生でした。また観たい。宝塚には複数の組があり、次から次へと出し物が続きます。雪組の舞羽美海や月組の蒼乃夕妃のような宝塚らしい華やかな雰囲気の娘役も観てみたいと思いました。
 次の王冠をかけた恋の話し(エドワード8世)は好きではないので、次回は4月下旬からの雪組のドン・カルロスでしょうか。


〔2012年2月19日(日)〕

 3月24日からの月組公演「エドワード8世」の一般前売開始日で予約しようとしたのですが、土日の席は完売したのか空席なしです。平日も残り僅かで一番後ろとか2階席しか空きがないようです。男役と娘役の両トップのサヨナラ公演なので人気なのか、もともと月組が人気なのか分かりませんが、次回は前の方の席で観劇したいと考えていたので、ちょっと想定外です。蒼乃夕妃が最後なので観てみたいと思ったのですが、どうするかちょっと考えます。今後も人気公演のチケットが取りにくいのであれば宝塚友の会に入会するしかないですね。


 その後、宝塚のチケットを安売りする金券ショップがあることを教えてもらいました。確かに大量のチケットを扱っています。ただ、基本は安売りではなくてプレミア金額での高額販売です(8500円のS席を場所により9500円~25000円くらいで販売。直前まで売れないと逆に安くなるようです)。機会の限られる観光客なら喜んで利用するのですが、こういう券は何か不愉快ですね。楽しみにしていたけどどうしても行けなくなったので仕方なく売るのではない立場を利用したお小遣い稼ぎチケット。お金で解決したい人もいる訳でニーズがあるんでしょうけど。どうするかまた考えます。


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「筑紫樓」(恵比寿店)

          

 宝塚の前はやっぱり銀座で洋食かなあとイメージして、こういう時じゃないと行く気にならないから資生堂パーラーでコロッケでも食べようかと思ったのですが、店のHPを見るとどうも一人でゆっくりできる雰囲気じゃなかったのでパスしました。

 結局、一度評判のよい汁そばを食べてみたかったフカヒレで有名な筑紫樓に行くことにしました。銀座店も一人じゃちょっとの雰囲気だったのですが、恵比寿店はお一人さまコーナーらしきものがあったのでここにしました。

 「ふかひれ入り煮込みつゆそば」(1800円)に「焼売」(600円)、「マンゴープリン」(700円)を注文しました。同じつゆそばでも、ふかひれの姿入りだと3300円です。まずは安いほうからです。

 おそらく一番早くできるメニューなんでしょう、つゆそばが5分くらいで出てきます。熱々のとろみに覆われた醤油ベースのそばです。美味いです。上品で濃厚な高級中華料理屋の味。コストパフォーマンスは分かりませんが、確かに美味い。細麺と絡んでズルズルいけます。ふかひれは切れ切れに混じっている程度でよく分かりませんが、汁そばとしては最高です。次回、家族と来たときにふかひれの姿を確認できる料理を食べてみたいです。


          

 つゆそばを食べ終わる頃に焼売が出てきました。これは一応アクセントで注文したもので特に期待はしていなかったのですがスゴク美味かったです。味が付いているので醤油不要と説明があり、カラシと紅葉おろしのようなものだけ添えられます。肉肉しい焼売、これも最高でした。


          

 デザートは確か名物だったマンゴープリンを注文したのですが、これは普通の味でした。十分に美味しいのですが、そごうで売っているペニンシュラのマンゴープリン(1200円)の方が断然うまいです。
 ただ、精算の時に気付いたのですが、名物はマンゴープリンじゃなくて杏仁豆腐の方でした。選択のミスですが、これは仕方ない。

 13時過ぎでしたが、店は結構な賑わいでした。サービスもスマートでいい店です。


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田部京子「ミニ・コンサート&サイン会」(タワーレコード渋谷店)

          

 ブラームスの後期ピアノ作品集を発表した田部京子の発売記念イベントに行ってきました。以前はタワーレコード渋谷や無くなったHMV渋谷で開催される無料コンサートにたまに出掛けていましたが最近はご無沙汰です。

 タワーレコード渋谷店の6階、クラシックフロアの一角、結構な観客が集まっています。作品118、119から4曲が演奏されました。基本的なスタンスはCDと同じなのですが、生のピアノの響きに聴き入りました。やっぱりいいですね。生のピアノを聴くのは岡山でのツィメルマンのショパン以来でしょうか。田部京子は力強いタッチも魅力なので、是非ブラームスのコンチェルトも演奏してもらいたいです。

 トークの中で「20年以上前、ドイツ留学から帰国したあとのリサイタルでブラームスのピアノソナタ第3番を演奏した。それを気に入った日本コロンビアから録音の誘いがあったのだが、諸般の事情でショパンに変更になった。その後、メンデルスゾーンの次のディスクについて打ち合わせたときもシューベルトかブラームスを録音したいといったがシューベルトになった。本格的なブラームスの録音は今回が初めてとなるが随分前から録音したかった作曲家です。」、「シューベルト、ベートーヴェン、ブラームスにしても後期の作品に惹かれる。後期作品は枯れたとか老いたとか表現されるが、若い頃も含めたそれまでの人生の全てが詰まった曲だと思う。」といったことを話していました。

 コンサートの後はジャケットにサインをしてもらいました。先日、CDの整理をしていたところ、田部京子のディスクは15枚ありました(シューベルトの即興曲集とソナタ20番、吉松隆のプレイアデス舞曲集が特に好みです)。その内、メンデルスゾーンとロマンスという小曲集にもサインをもらっていました。ロマンスは同じタワーレコード渋谷でのイベントだったのを覚えていますが、メンデルスゾーンはよく覚えていません(日付はロマンスの前日の98.9.19となっているので、HMV渋谷とタワーレコード渋谷で連続であったのかもしれません)。

 3月のモーツァルト、5月のベートーヴェンも楽しみです。


 来週の日曜日は、大植英次と大阪フィルハーモニーのコンサートがサントリーホールであります。このコンビは一度聴いてみたいと思っていたのですが、先週の週刊誌に退任コンサートとして紹介されていて、たまげて早速予約したものです。田園と春の祭典、まだ券は余っているようです。3列目の席でした。これで7000円は安いのでは。バイロイト指揮者である大植と朝比奈の頃のベートーヴェンを好きだった大阪フィル、曲も魅力的だし今から楽しみです。


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「ゴーゴーカレー」(渋谷宇田川町店)

          

 もう一店は、いつか食べてみたいと思っていた「ゴーゴーカレー」です。金沢発の豪快なカレーのようです。

 人気のロースカツカレー(650円)にルー追加(100円)にしました。スチールの皿にカレー、脇にキャベツの組み合わせは、キッチン南海など街の食堂で出されるカツカレーを思い出させます。
 カレールーは黒く煮込まれたもので、どこかで食べた味、思い出せませんがとある系統の味です。金沢発というのでちょっと変わったカレーを想像していましたが、極めてオーソドックスな食堂カレーです。これはこれで美味しかったです。キャベツもお替わりできていいです。

 ロースカツやチキンカツにウィンナーなど主なトッピングを全て乗せたメジャーカレーが名物のようです。普通に計算すると1550円のところ特価1000円とPRされていました。食べている若者の大きな皿をちらっと見ましたがこれは凄いボリュームです。大食いの会社の新入社員が喜ぶだろうなと想像しました。

 ラーメンの後でしたが、ぺろっといただけました。ごちそうさまです。


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「有昌」(渋谷)

          

 渋谷で食事となると「喜楽」、「有昌」、「桂花」、「中本」などの麺類が思い浮かびます。一応迷ってはみるのですが本命は有昌です。少し離れているので躊躇しますが、今日は「有昌」です。
 歩道橋を渡り、警察署横の明治通りを登ります。並木橋の交差点脇の小汚い店です。馬券売り場が近くにあるのでその関連のお客さんが多いです。競馬新聞片手にタバコをスパスパ吸っていて、昼時は相席覚悟、環境はよくありません。

 それでも、ここは吃驚するような美味しい料理を出します。といってもこれまで有昌メンとしいたけソバしか食べたことがないのでその他は分かりません。食べてみたいメニューが3~4あるのですが、どうしてもいつものメニューを注文してしまいます。
 今日も「しいたけソバ」(890円)です。胃腸に沁み入る透明な塩味のスープに独特の香草の香り、軟らかめの細麺が絡み、それに旨みたっぷりのしいたけがいいアクセントになっています。滅茶苦茶に旨いです。今日も満足できました。


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ユジャ・ワン/アバド/MCO「ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番他」

             

 タワーレコード横浜でレコード芸術の読者チョイス1位のディスクとして推薦してありました。ユジャ・ワンを知らなかったのですが、中国出身のピアニストなんだそうです。

 ラフマニノフの「パガニーニの主題による狂詩曲」と「ピアノ協奏曲第2番」が収録されています。狂詩曲がとても良かったです。有名な曲らしいのですが初めて聴きました。以前聴いたことがあるのかもしれませんが覚えていません。まるで映画音楽かと思わせる分かり易くロマンチックな音楽です。ユジャ・ワンの硬質て純度の高いタッチのピアノが鳴り響きます。普段はあまり技術的な上手さには関心がないのですが、この曲でのテクニックの冴えは心地いいです。キレがある。曲を気に入ったのか、演奏を気に入ったのか、両方ですね。

 ピアノ協奏曲第2番は名曲ですが、これまでこの演奏がベストと思える突出したディスクはない印象です。というより個性を出しにくい曲なのかもしれません。もともと濃厚な楽曲なのであまりやりすぎるとくどいし、著名なピアニストと録音するオケであれば概ね厚みのある弦で不満はありません。
 このディスクも初めは普通の演奏に聴こえたのですが、何度か聴くうちにこれで十分でこれ以上は不要なんだと思えました。ユジャ・ワンの情感溢れる打鍵、アバドとマーラー・チャンバー・オーケストラの新鮮かつ迫力ある生き生きとした伴奏。アシュケナージ盤、ツィマーマン盤などとの違いは素人の私には分かりませんが、十分に満足できる演奏です。


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