「B&W 805Diamond」

          

 先日、トレッサ横浜に入っているノジマ・オーディオ・スクェア横浜で契約したオーディオセットが家に届きました。18:00からスタッフが家に来て組み立ててくれました。
 私の部屋は狭いのに、予想以上にラックが大きくて、CDを並べている棚まで使用しての設置となりました。結局、2時間かかりました。
 試聴した時から、パワーアンプを一番下に置くとか、ラックを使うとか、そういう違いに拘るかどうかなんですよということを聞いていたのでプロに設置してもらうのは有難かったです。

 ゴールドムンドのアンプとLUXMANのCDプレイヤーでB&W805DIAMONDを鳴らします。805Dのこの黒いタイプ(ピアノブラック)は人気らしくて現在納期は5か月要するそうです(木目なら即納可能)。私は総額を下げたいことと店側の提案もあり、展示品を購入しました。
 いやぁ凄いです。こんな物が自分の目の前にあるなんて興奮です。当分、このセットで多くのディスクを聴き直すことになります。


 数時間聴いただけですが、とりあえずの印象です。安いオーディオでもよく聞こえる「デビー・フォー・ワルツ」ですが、ベースの音がよりリアルに出ます。ビン、ブンと。「JACO PASTORIUS」は別世界です。もともといい音でしたがクリアの極みです。このセットはベースはリアルに表現するようです。

 試聴の時もそうでしたが、クラシック音楽は立体的でそれぞれのパートが場所場所で鳴っているような感じがします。左右上下までの立体感、目の前で演奏している実際の音イコールとまでは言いません。ただ、おそらくオーディオで再現できるかなりのところまで来ていると思います。このセットのサウンドを評して言ったのかどうか忘れましたが、スタッフの「コンサートホールで最前列ではないけれど、10列目より後ろの席で聴こえるいい音」、確かにそんな感じかもしれません。
 ジェシー・ノーマンのザルツブルク音楽祭での愛の死を繰り返し聴いているのですが、これまで聴こえなかったいろんな伸びや残響が聴こえるようです。オーディオが自分の聴く容量を広げてくれるのかもしれません。これからが楽しみです。


 それにしても30万円を190万円まで上げてようやくレベルアップを実感できました。オーディオ地獄と読みますが深入りすると大変です。



          

 いろいろと聴いていますが、このセットの良さは大音量でより発揮されます。乗ったことありませんが、ポルシェを運転する快感は80kmではなくて200kmで飛ばしている時に感じられる(のだろう)ことと同じなんでしょう。ゴールドムンドをエンジンとしたこのセットがリマスターやSACDのクリアな音をくっきりと表現します。これは堪りません。


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「松屋」(横浜西口店)

          

 朝早く食事抜きで外出した時、たまに横浜駅のにし北口から地上に上がり「松屋」に向かいます。早朝の食事、東京主要駅であれば立ち食いソバ屋が多数あり、今やそのレベルの高さは相当なものです。しかし残念なことに神奈川・横浜には有名立ち食いソバ屋が全く進出していません。
 仕方ないので横浜駅なら「松屋」なのですが、松屋もいいです。牛丼、カレー、定食どれもうまい。吉野家が差を開けられているのも納得の商品開発力、オペレーションです。

 今日は新メニューの「チゲ・カルビ焼きセット」(680円)です。お米とかは一流ではありませんが、カルビの味付け、チゲの旨みとか何とも言えないおいしさがあり、満腹・満足感を得られます。「松屋」最高です。


 牛丼屋は何故か人間ウォッチングには適した舞台で意識している訳ではないのですが、同じU字カウンターで食べている人をチラッと見てしまいます。昔は失礼ながら怪しい変人男性(私も変人です)が多かったのですが、最近は若い女性が一人で食べているのをたまに見かけるようになりました。日本の女性は一人で食事しているのを他人に見られるのを嫌がる、これはニューヨーク、ロンドンの女性も同じ、例外はパリと読んだことがあります。
 早朝などのあまり人が出歩かない時間帯に牛丼屋で牛丼やしっかりした定食を一人で(少し恥ずかしそうに)食べている真面目そうな若い女性と同席すると15年後の娘の頑張っている姿を見ているようで応援したくなります。



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今年の1枚/1冊/1本/1皿/1泊/1局

          

 今年は趣味の面では久しぶりに充実した1年でした。念願のAC/DCのライブ、ウィーンフィルのコンサートへも行けましたし、懐かしい一皿を再食できたし、いろんな新しい出会いもありました。簡単にそれぞれのジャンルのナンバー1を選びたいと思います。

〇クラシック音楽

 コンサートでは当然ウィーンフィルのブルックナー9番ということになる訳ですが、ディスクであれば、カラヤンの1977年東京ライブ。ティンパニの音を探求するきかっけになりました。

〇ロック・ポップ・ジャズ

 これは大阪の京セラドームでのAC/DCのライブ。最高という言葉ではあの感動を言い尽くせません。幸せな時間だった。あんなに痺れたのはプリテンダーズ以来でしょうか。
 ディスクではあまり思い浮かびません・・・あまり思い浮かびません。ロック・ポップ・ジャズはずっと聴いていますが、今年は好きなミュージシャンの新作はなかったような。また、昨年のように新規開拓はあまりしませんでした。

〇本

 「戦艦大和ノ最期」です。今更知った戦時の若者の苦悩、悶絶。衝撃、慟哭の記録です。

〇漫画

 「宮本から君へ」です。これは熱かった。同じ新井英樹の「ザ・ワールド・イズ・マイン」を今読んでいるのですがこれもブッタマげる大作です。

〇映画

 観た数も少ないので、エヴァンゲリオンの新劇場版「破」か「トイストーリー3」か「ノルウエイの森」です。今、改めて村上春樹の原作を読んでいますが、ああこういう物語だったなあという驚きの連続です。直子は菊地凜子とは違うかもなあといろいろイメージを膨らませながら読み進めています。エヴァも後を曳きましたが、1本を挙げるならノルウエイの森でしょうか。

〇宿・ホテル

 兵庫県北部、竹野海岸の「竹涛」です。ぴりぴりする高級旅館よりこういう緩い旅館の方が心からリラックスできます。食事も最高でこれ以上、何も望みません。

〇将棋

 今や音楽、本・漫画と並んで楽しみなのが将棋です。今年は公開対局も観たし、11万円もする駒も買ったし、タイトル戦のネット中継(考えてみるとほとんど無料というのも凄い、うれしいことです)は欠かさずに見て並べています。梅田望夫氏の本も面白かったです。
 年間で一番印象に残っている一局となると内容もさることながら雰囲気、重みも含めると注目度抜群の名人戦第一局となります。羽生名人のストレート防衛で結果は一方的でしたがやはり最高の舞台です。今期の順位戦も佳境に入ってきて誰が3月のライオン王になるのか、ワクワクします。森内九段、谷川九段、渡辺竜王の誰かか。郷田九段、三浦八段の逆転はないか。

〇食事

 5月23日は香川でさぬきうどんを食べていました。半年前まで岡山にいたなんて今となってはピンときません。「てっちゃん」や「しんせい」のような店で休日の昼食、多くのメニューの中から自由に選んでお腹いっぱい食べる。そんな幸せが香川にはあります。
 京都では念願の有名隣接店、「新福菜館」本店と「第一旭」本店とでラーメンを食べることができました。徳島ラーメンの「大孫」もうまかった。
 横浜に戻ってきてからは「夢民」、「有昌」、「アンドリューのエッグタルト」など懐かしい店の逸品。新規店では「南京亭」でしょうか。「鳥藤」、「オーボンビュータン」のカヌレも印象に残っています。食事は充実しすぎて選び難いです。どれかなら回数で「南京亭」です。
 日吉のいい店、うまい一皿は・・・「HUB」(慶応協生館)のギネス、「王府」の肉チャーハン、「どん」のラーメン(?南京亭を知った後は既存のラーメン店の評価が急落してよく分からなくなってますが)。取り上げてはいませんが、「とよからあげ」の持ち帰りから揚げもおいしいです。

〇ワイン

 レオヴィルラスカーズ、コスデストゥルネル、グリュオラローズなど。ラスカーズもコスもよかったですが、グリュオラローズ2000年のあの香り。忘れられません。

〇その他

 新しいオーディオセットが明日、我が家にやってきます。それにしてもSANSUIのアンプ、CDプレーヤーとスペンドールのLS3/5Aにはお世話になりました。15年以上に亘り素晴らしいサウンドを響かせてくれました。一旦、屋根裏で休養してもらい、いつか娘か息子が自分の部屋で音楽を聴きたくなった時に新しいCDプレーヤーやチューナーと一緒に蘇らせます。



          



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「一風堂」(横浜ポルタ店)

          

 以前、テレビ東京の番組で見ていつか行こうと思っていた「伝説のすた丼」。神奈川では日ノ出町に店舗があります。年末年始休みとなった今日、横浜から京急に乗り換えて行ってきました。すると休業。がくっ。こういう店って年中無休じゃないの。

 仕方ないので横浜駅に戻り・・・東口方面、ポルタにある「一風堂」にしました。正統派のとんこつらーめんを食べておきたい。福岡の大名本店は大好きですが、随分前に恵比寿の支店に入ったところ、厨房のスタッフがゲラゲラ爆笑しながら作っていて、とても不潔な印象でもう支店はいいやと思っていました。最近はそんなこともないんでしょうが、それ以来。

 待っている間にテーブル上の瓶に盛られている辛しモヤシと辛し高菜をバクバク食べます。そして注文の赤丸かさね味(950円)です。スープはオーソドックスなとんこつ、麺は極細の博多風です。美味しいです。辛し赤味噌と黒い香油が載っていて絡めていくつかの味が楽しめるというものです。
 いつも凄い行列で並んでまでという味ではありませんがとんこつとしては十分おいしいラーメンだと思います。





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「あびすけ」(日吉)

          

 12月28日、仕事納め。1年間お疲れ様でした。会社の人と軽く飲んで、妻から頼まれていた白楽のTERA COFFEEで豆を買って帰りました。

 「ザ・ワールド・イズ・マイン」を読みながらウトウトしていたのですがお腹が空いてきました。打ち上げでのつまみが軽かったからだと思います。夜中の12時過ぎ、久しぶりにこの時間に日吉駅前に繰り出しました。

 麺ですが、深夜は数店舗に限られます。どんではなく、「あびすけ」にしました。カレーや激辛や特濃スープなどこれまで変わり種ばかりでしたが、シンプルにつけ麺(700円)にしました。
 さぬきうどんの影響で麺は冷たいのでと頭に刷り込まれていましたが、ここは極太麺なので、以前、温かい方がいいんじゃないかと思って以来です。温かい麺の大盛でお願いしました。

 最近風のかなり堅めの麺です。好みはもう少し柔らかめですがこれはこれで美味しかったです。つけスープも濃厚で満足です。




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「ゴールドムンド Metis2 / Metis3」

          

 年末にもの凄い買い物をすることになりました。

 きっかけはCDプレーヤーの読み取り部分がおかしくなったことです。バネがいかれたのか3~4年前の修理以来2度目の故障です。15年近く前に購入したSANSUIのアンプ、CDプレイヤーにスペンドールの小型スピーカーを繋げたセット(買値30万円くらいだったか)で聴いていて気に入っているのですが、2度目の故障となると買い換えてもいいのではという気分になってきました。

 とりあえず大型ショップに行き、三点で50万円くらいになるセット(マランツ+B&Wなど)を聴いてみたのですが、現行とはっきりとした違いが感じられません。今聴いているスペンドールのLS3/5Aというのは名器とされているらしく(現在の代理店のHPにもそうコメントされています)、ものすごく音がいいのでこれは予測できました。

 やっぱり見送りかなあと思っていたところ、スピーカーそのままでアンプとCDプレーヤーを換えたらいいんじゃないかという思い付きでまた専門店に出向きました。

 スタッフに現在のオーディオをとても気に入っていることを伝えると、とりあえず聴いてみてくださいと言われたのが次のセットです。

 スピーカー    B&W 805SD (定価60万)
 アンプ      LUXMAN 507u (定価40万)
 CDプレーヤー  LUXMAN D05 (定価32万)

 スピーカーは特別な思い入れがないのであればB&Wが万能、アンプ、CDプレーヤーはLUXMANがSANSUIの雰囲気に近い(いい意味での緩さがある)、3点のバランスも必要とのことです。

 試聴したところ、確かに音が良くて自然でクリアな音がするなあと思いました。ただ、びっくりするようなサウンドではないかなあ。そのくらいにSANSUI-スペンドールは30万円のわりには驚異的サウンドです。ただ、自宅の密閉空間だとまた違うんだろうなあと納得していました。

 妻に買い換えたいことを白状してお願いしたところ何とか了解を得られました。そこで、最終的に上記3点で良いかを確認するために専門店を再訪しました。

 専用の試聴室にセットしてもらい、持参したCDを聴きます。同じクラスのスピーカーやアンプに換えてもらいながら聴き比べます。いい音なので正直違いが分からずに迷っていたところ、どういう音が好みか2~3のキーワードをもらえないか訊かれたので、絹のように繊細な弦にゾクゾクしたいような感じだと伝えると、ちょっと値段が違うのですがと前置きして、ゴールドムンドのプリアンプとパワーアンプを持ってきてくれました。私はプリとパワーの機能の違いは分かりませんが、別々の方が直接音源を取るなどの理由で音がいいとのことです。

 ディスクはいろいろ試していたのですが、最後はシノーポリ指揮ウィーンフィルの「シューマン交響曲第2番」の冒頭で比べていました。Metis2、Metis3で鳴らしたところ、ああ、これ、ゾクゾクする艶やかな中音域、これです。実は上記の3点セットは100万円超ですが心からこれだと感激できた訳ではありませんでした。もうこれで満足すべきなんだろうなという自制心が働いていました。ただ、一抹の不安が・・・100万円以上出してそんなに音が変わらないと後悔地獄だなあ・・・と。

 これいいですねーとスタッフに伝えると、そうであればこのアンプに見合ったCDプレーヤーにということで同じLUXMANのD06に変えてくれました。いやー凄い。音楽の質が別世界です。これを求めていました。どうせ買い換えるのなら現行の延長線上ではなくて別次元の音。「最後は酔えてナンボです。オーディオってそういうもんです。」とスタッフに言われていてそうだよなあと感じていたのですが、正に酔えました、納得の音。
 改めて、ポリーニ/ベーム/ウィーンフィルのモーツァルトのピアノ協奏曲23番やデビーフォーワルツやイーグルスライブなどを鳴らしてみましたが、痺れるような艶っぽくてリアルな質感です。

 スピーカー    B&W 805SD (定価60万)
 プリアンプ    GOLDMUND Metis2 (定価58万)
 パワーアンプ   GOLDMUND Metis3 (定価47万)
 CDプレーヤー  LUXMAN D06 (定価53万)

 定価計218万円です。これは大変なことになったなあ・・・。ケーブルやラックが重要なのも読んでいたのでそれも含めて試算してもらいました。妻には包括的に120万円でということで了解を得ていたのですが・・・200万円超えるとちょっとなあ・・・すると、190万円でした。少しほっ。それでも中型車並みです。スタッフに妻に相談しないと何ともいえないので持ち帰りますと告げました。

 (いろいろありましたが)何とか妻の了解を得られました。結婚以来、そんなに高いものを買っている訳ではありませんし、車も10年経ちましたが気に入っていてあと5年は乗るつもりです。CD3000枚以上あって音楽鑑賞は最大の趣味のひとつ。買わない人生もあるけど、節約して我慢して一体何のために生きているのか分からないとかごねると妻は折れてくれました。

 年内、今週の29日か30日にスタッフが自宅にセッティングしてくれることになりました。



 自宅に帰って、改めて現行のオーディオで聴き直しているのですが、最新の痺れる音を聴いた後でもやはり凄くいい音がします。このSANSUI+スペンドールLS3/5Aはバケモノなのかもしれません。バケモノに出合えた幸せです。




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梅田望夫「シリコンバレーから将棋を観る―羽生善治と現代」

             

 読みたい本がある時、散歩も兼ねて本屋の中をウロウロするのも楽しいですが、新刊でない場合は余程の巨大店舗でない限り、もう置いていないことが多いです。その場合は探した後、あるいは始めからアマゾンです。私が改めていうまでもないですが本当に便利です。追加料金で当日お届けサービスもあり、そこまで急ぐことはないので通常配送で注文しますが当日届くこともあります。

 また、本以外のものも安く、先日とあるコーヒーミルを買うことにして値段を調べていたらアマゾンが一番安くて注文しました。これからは何でもかんでもアマゾンでしょうか。

 先日、梅田望夫氏の「どうして羽生さんだけが、そんなに強いんですか?」を読んで感激し、早速、アマゾンで前作を注文したところ、これは珍しく1週間以上要しました。他に読んでいる本があったので問題はなかったのですが、今すぐにでも読みたいのに配送に時間がかかる場合は少し困る、そういうこともあります。



 「指さない将棋ファン」宣言&いくつかのネット観戦記をまとめた本です。指さない将棋ファン宣言には共感できます。私も今後は趣味は将棋鑑賞としたいと思います。
 小中学生まで将棋に熱中していた著者よりも私はもっと将棋実戦から遠い立場ですが、子供の頃、毎日新聞で将棋の対戦記を楽しく読んでいたのを覚えています。将棋はほとんど分からないのに観戦記は面白かった。当時、中原名人や米長九段が多く登場していたと思うのですが、今でも9八の位置に玉がいる棋譜は覚えています。長い間、忘れていたのですが矢内女流が米長玉を使う記事を読んで思い出しました。子供の頃、戦術も構えも何も知らないのに変な位置に玉がいることを不思議に思っていました。
 あれから30年近く経過、何がきかっけだったかよく覚えていませんが、昨年、そうだ将棋だと思い付き、少しずつ勉強するようになりました。いつかは自分も指せたらいいなと考えていますが楽しみの中心はトッププロの対戦を観ることです。タイトル戦のネット観戦が今一番の楽しみ。

 読む順番が逆になってしまいましたが「シリコンバレーから将棋を観る」です。本書は将棋ファンを公言する著者にタイトル戦のネット観戦記の誘い、依頼があり、始めは自分のようなアマチュアにはとても無理と断りそうになるのですが、指さない観戦ファンがいてもいいじゃないかと考え直して挑戦してみるものです。
 そこらへんの経緯や羽生名人、佐藤九段、深浦九段、渡辺竜王との対戦後のインタビューや交流などを通じて、将棋の現在、魅力的な棋士の姿を紹介していきます。ネット観戦記はまだ試行錯誤の段階で将棋の内容よりも棋士の人間性に迫る内容が中心です。私は将棋雑誌を読んだり、将棋ブログを閲覧して1年近くになるので棋士の人間的な魅力などは少しですが知っていて、「どうして羽生さんだけが」ほどの驚きはありませんでしたが、本書も初めて知る内容も多く非常に興味深いです。

 羽生名人の「変わりゆく現代将棋」を取っ掛かりに話しが始まります。名著の誉れ高い「変わりゆく現代将棋」ですが、これまでは何が書かれているのか全く理解できませんでした。どうして二十数手までの定跡が確立している矢倉の導入の5手を検証する意味があるのか。それが本書での解説、矢倉の後手急戦に備えるためにどういう手順で指すべきか、矢倉5手目までの定跡の背景などが分かり、成る程と納得です。
 プロ棋士の文章、プロ観戦記者の記事は我々素人には意味不明なところがあります。このような本で玄人と素人との間を繋げてもらえると本当に助かります。本書での5手目☗6六歩や「どうして羽生さんだけ」での2手目☖8四歩の意味の解説はこれまで誰もしてくれなかったけど、一番興味を持ったものです。

 駒を並べなくても分かり易い棋譜を挿入するといった工夫は第2作の方が進化していますが、こちらもアマチュアの目にしか映らない現場の雰囲気を新鮮に伝えてくれます。素晴らしい良書、将棋観戦ファンは必読です。



 さて、竜王戦は4勝2敗、渡辺竜王の防衛で幕を閉じました。楽しみのネット観戦が1回少なくなったのは残念ですがこれは仕方ありません。渡辺竜王の強さよりも羽生名人の不調を感じました。来年の羽生名人は注目です。年内は順位戦がまだ少し残っていますが、タイトル戦は終了です。

 来年のタイトル戦は1月8日の王将戦でスタートです。会場は、昨年同様に鳴門の大塚美術館の模倣システィーナ礼拝堂です。「シリコンバレーから将棋を観る」でもタイトルホルダーの誰もが挑戦者は羽生名人であってほしいと考えているとありました。当事者含め周りは話題となる華やかな一戦を期待します。明治ラグビー部は早稲田が慶應に勝って全勝で来てほしいと願い、野球ファンは巨人対ソフトバンクが観たい、中日対千葉ロッテじゃつまらないという訳です。
 羽生ではない挑戦者の立場では、タイトルホルダー、主催新聞社、会場、地元関係者などに羽生でなくて残念という空気があり辛いです。ただこれは仕方ないので、実力と人気をつけていくしかありません。久保二冠対豊島六段。豊島六段は読みが深くて確かに強いのですが、まだ経験不足なのか簡単に負けることもあります。振り飛車対決になるのか。熱戦を期待したいです。







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「こむらさき」(新横浜ラーメン博物館)

          

 無性にとんこつラーメンが食べたくなったので、馬券ついでに新横浜のラーメン博物館に行きました。未食の福岡県久留米市の「大砲ラーメン」です。まあまあでしたが、あれ?とんこつってこんな味だったっけと首を傾げるところがありました。

 口直しで熊本ラーメンの「こむらさき」です。以前、熊本の本店で食べましたがラ博では初めてです。クリーミーな白濁スープにニンニクチップの風味が合います。見た目よりかなりさっぱり味です。麺は中麺ストレートでインスタントラーメン風(安っぽいという意味ではなくて)ですがスープに絡んでなかなかの食感です。おいしく頂きました。







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アーノンクール/ウィーンフィル「ブラームス ドイツ・レクイエム」

          

 ブラームスのドイツ・レクイエム。大好きな曲で複数のディスクを持っていますが、外れがほとんどない、ある意味誰が演奏しても感動的な演奏となる鉄板の名曲です。強いて挙げるとバレンボイム指揮の新旧両盤がよかった印象があります。

 先日、横浜駅に出た際、年末だし何かあれば買おうとモアーズ6階のタワーレコードに寄りました。その際に購入した一枚です。

 鬼才の問題意識爆発の壮演です。これは驚きました。
 冒頭の弦を耳を澄まして聴いて、コーラスに入ります。アルノルト・シェーンベルク合唱団の清楚な響きを聴き続けたくなるのですが、ちょちょちょっと待って、何?今の冒頭の音楽。不気味なスローテンポ、暗く重い旋律。先頭に戻してもう一度始めからスタートします。聴き慣れた壮麗な静かな音楽とは別物の気難しいブラームズが顔を出します。こんな音楽だったんだ、こういう面が隠されていた曲なんだ。

 その後もブラームズというよりバッハを思わせるアタックがあったりと、初めてこの曲を聴くような新鮮な驚きがあります。大好きな曲ですが最近はほとんど聴いていなくて他の演奏と細部での比較はできないのですが全体の形、姿が違います。純音楽というよりまさにレクイエム。これは死者への慟哭、過激な葬送曲です。

 アーノンクールは、初期のモーツァルト、ベートーヴェンは刺激的でしたが、その後は比較落ち着いていたような印象を持っていました。ウィーンフィルとの演奏ではアイーダが最高でしたが、それに匹敵して驚き、納得できました。2007年12月のライブですから、3年後の発売となります。どういう事情でここまで遅れたのか分かりませんが、発売されてよかったです。これは名盤です。





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「中栄」(築地場内)

          

 普段は手に取らないのですが「週刊現代」に読みたい記事があり、パラパラと眺めていたところ、巻末に築地特集があり、そうだ築地があるじゃないかと思い立ちました。

 まずは一度行きたいと思っていた場内の「中栄」です。カレーファンにも評価高いここの辛口カレーです。

 早朝の店内、吉野家のようなコの字方の狭いカウンターです。カレーとハヤシを半分ずつの合がけが名物のようですが、私は辛口の印度カレー(500円)にしました。10秒くらいででてきます。
 昔風の日本カレー、スパイシーです。美味い。ネットで見た写真からもしかしたらと思っていましたが、やっぱり大好きだった新橋の「スマトラ」の味に似ています。好みのタイプ。このカレーは元祖がどこかにあるのでしょうか。クセになるとろみのあるカレーです。
 ルーが若干足らなかったので、スマトラでもやってくれるルー大盛を次回はやってみたいです。新橋の「スマトラ」は昼間の数時間しか営業していない不思議な店なのでなかなか用事がないと食べることができません。築地も早朝から昼までの営業なので食べやすいとはいえませんが、他の楽しみもありますし、カレー好きならワザワザ出向く価値ありです。





          

 今回の築地ツアーの主目的は週刊現代に載っていた「鳥めし 鳥藤分店」の「水炊きの定食」だったのですが、気分が変わり、これもいつか一度と思っていた「きつねや」の肉どうふにしました。
 肉どうふ600円とそこそこの値段なのに、ホルモン皿、肉どうふなど一品だけではダメ、酒かご飯を一緒に注文することと注文うるさく、味もここでしか食べられない一品ではありませんが、豆腐にダシが沁みていてうまかったです。日本酒と一緒にと思ったのですが、後のスケジュールの都合でご飯と合わせました。外のテーブルでの立ち食いは気分いいです。





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「玉友」(築地)

          

 お持ち帰りは週刊現代で紹介されていた「まぐろ藤田」でまぐろのブツを買って帰るつもりでした。

 朝の7時すぎ、青森県大間産のまぐろ100g、1000円が店頭にありました。ただ、ネットで見て美味そうだった100g、2500円のものはありません。どうしようかと徘徊しながら考えて、やっぱりせっかくなので一度高いまぐろを食べてみたい。ガラスケースに鮪のブロックが複数あり、ご希望の値段、量で切り分けますと張り紙がありました。これだ、100g、2000円程度のを頼んでみようと店に戻りました。
 そこで2000円くらいのを200gで注文したのですが、今は出来ませんとのこと。ここは場内の本店で売っている本マグロの中から切れ端を提供している店なのかもしれません。ガラスケースのブロックは見世物でしょうか。しかも、100g、1000円のブロックはもうなくなっていました。300円、500円のものもありましたが、今回はパスです。





          

 気を取り直して、定番の昭和食品で鮭の切り身です。「トキ鮭」(トキシラズのことでしょうか?)の切り身が3切れ1000円だったので切ってもらいました。まだ食べていませんが楽しみです。



 もう一品は玉友で赤玉の厚焼き玉子焼き(860円)にしました。帰宅していただくと甘さとうま味がバランスよく絶品です。家でも作って食べられる玉子焼きを買うのは贅沢ですが、築地の厚焼きは堪りません。






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「ノルウェイの森」(監督 トラン・アン・ユン)

                

 映画「ノルウェイの森」を観てきました。

 日本映画を観たいと思っていました。周りの映画ファンの話しを聞いていると最近は日本映画の質がよいこと、洋画の字幕を追うのが面倒になってきたこともあります。どこかでまず一作と以前から考えていたところ、この話題作が製作されていることを知りました。フランス語での製作を村上春樹が許可したように読んだ記憶がありましたが日本語でした。それと何といっても監督が「青いパパイヤの香り」、「シクロ」のトラン・アン・ユンです。映像美が想像できるようでこれは観なきゃと気合が入りました。
 それにしてもアニメでない実写の日本映画を劇場で観るのは久しぶりというより前回が何だったか。初めてではないと思うのですが・・・うーん、思い出せません。そのくらいの間隔です。

 いくつか眺めた新聞評などではあまり評価が芳しくなく(妻にノルウェイの森を観てくると話すとええ?評判よくないじゃないと言われました)、原作が原作なので映像化は難しかったのか。とはいえトラン・アン・ユンですから独特の世界観がある筈で自分の目で確かめたい。
 公開二日目、日曜日の1回目ですが、最近は事前にネット予約できるので本当に便利です。昔なら勝手な混雑予想で3週目くらいに出掛けようと考えていると、結局、その頃には関心が薄れてしまい・・・。比較的空いているので好きな新高島の109シネマズです。


(以下は映画と原作の詳細情報が含まれるので観賞予定の方はご注意ください。)


 映像は、導入こそ過去の経緯の紹介なのでバタバタ進みますが、本編が始まると静けさ、沈黙の中、顔のアップや動作だけで語るようなシーンが続き、息詰まるような緊張を強いられます。ホールでクラシック音楽の演奏が始まる直前に空間が静まり返るような雰囲気です。
 実は今朝起きたのが早く寝不足気味で、そうでなくても途中で寝ることが多く、寝るだろうなあと思っていたのですが、神経がピンと張りつめて最後まで眠気とは無縁。そういう意味では、この映画ほど目を凝らして、耳を澄まして観賞したのは初めてかもしれません。

 精神の不安定さが進行した直子が京都の山奥にある療養所(阿美寮)で静養、治療するのですが、この山というか草原の緑が本当に美しいです。これはどこで撮影したんでしょうか。E・ブロンテの「嵐が丘」でも撮影できそうなイングランドの田舎風の景観です。それでも日本なんだろうと思います。寒さの厳しい冬のシーンではやはり日本だなあと思わせる景色になります。

 随分昔に読んだ原作のイメージでは、どちらかというと暑い時期、少なくとも冬のイメージはありませんでしたが、映画では冬そして雪のシーンが後半多く登場します。心を病む直子には冬の風が厳しく吹きつけて、普通の世界に住む緑には雪が降っても毛糸の帽子と手袋があって温かい。

 会話と映像で原作の世界を表現していきます。映像はとても美しくて惹きつけられますが、原作を読んでいない人にこの物語をどこまで理解できるんだろうという思いが頭の片隅にありました。
 僕と直子、どうして直子に関わるのか。友情だったか恋愛意識なのか。原作にどう表現されていたのかは覚えていません。たしか、直子にはやるせない暗さ、重さがあった。トーマス・マンの「魔の山」を読みながら、非常に純粋な精神世界に入っていく。
 映画のメッセージがあるとすれば、純粋で不器用な人間は命を絶ち、世の中の何やかんやに順応して変われる自分は生き続けるといったことでしょうか。

 献身して心から愛した直子が自分のことを全く愛していなかったことを認識する悲しみ、原作が持つ切なさが映像で表現されたか。表面的な嫌いはあります。おそらくこの映画を評価しない人がいるのはそういう点への不満かなという気がします。それじゃあ、直子の心の世界をメインに据えて映像化すべきだったのか。
 私は原作と映画は別物と思っていて、原作を忠実に再現する映画は好きではありません。言葉が多すぎる映画は、まず失敗作です。言葉(セリフ)ではなく映像で語る、出演者が表現する。
 映像・出演者が魅せる映画ですが、トラン・アン・ユンによる日本の純文学の映像化が完全に成功したとはいえないと思います。それでも私は十分に楽しめました。時間を忘れる2時間30分なんて滅多に経験できません。

 ワタナベの松山ケンイチは良かったです。頼りないけど純粋な精一杯さが伝わりました。デトロイトでのコミカルな役、こういう純文学もこなせる、貴重な役者です。
 直子は難しいです。本質的に原作の直子とは違うタイプに見えましたがバベルに引き続き菊地凛子は好演しました。今、日本でこういうシリアスな役は菊地凛子にしか出来ないのではないでしょうか。一般の日本の女優は金銭面で一番おいしいCMの仕事が減るので、脱いだり濡れ場のある役を敬遠すると読みました。菊地凜子はいい映画のいい役が欲しいという根性があります。
 レイコさんも原作のイメージと映画での描き方とに違和感を覚えました。直子が死んだ後の二人のシーン、記憶では原作は「しようか」「はい」「よかった?」「すごく」と印象的ないいシーンだったのですが、映画では「やるべきだと思うの」「やるんですか」とえらく否定的な意味の分からないシーンになっていました。霧島れいかは初めて見ました。

 この映画の一番の驚きは緑かもしれません。原作では無色の女友達の印象ですが、水原希子がコケティッシュな演技で色を付けて命を吹き込みました。どちらがいいかは別として、緑ってこういう人だったっけ、この若手女優は存在感があるなと驚き、印象的です。
 それと原作での記述・存在を全く覚えていなかった永沢の玉山鉄二とハツミの初音映莉子も昭和の匂いのする迫真の演技でよかったです。

 通常、誰が演じたのかあまり興味はないのですが、今回、レイコさん、緑、永沢、ハツミをやったのは誰だろうと関心が湧きました。

 村上春樹の最近の小説は、私には難解で理解できません。読者としてロシア人やアメリカ人を意識したような無国籍なタッチに興味が持続しなくなります。この「ノルウェイの森」は著者がまだ日本人であることを感じて親しみを覚える作品で、最も好きな小説の一つです。
 この映画はベトナム系フランス人監督、外国資本の入った映画ですが、始めから最後まで日本人を感じる、日本の映画です。中途半端に無国籍ではないところがよかったと思います。もう少し深く描けたのではないかというないものねだりはありますが、秀作と評価できると思います。

 ラストシーンで「今どこにいるの?」という電話での緑の問いに「僕は今、どこにいるんだろう」と自問します。魔の山ともシンクロして原作ではずっしりと余韻の残る終わり方だったように覚えていますが、映画では比較的さっぱりと閉じられて、ビートルズの歌をBGMにクレジットが流れ始めます。

 あれ?さっぱり終わったなあ、この映画は一体何なんだろうとそこから考え始めた訳ですが、いろいろと思いを巡らせる楽しみがずっと続く、それがいい映画だった証拠なのかもしれません。



                

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「蓬莱閣」(横浜中華街)

          

 映画の後は以前から一度食べたいと思っていた「蓬莱閣」のギョウザを食べるために中華街に向かいました。新高島からなら3駅、このコースは魅力です。

 「蓬莱閣」のギョウザは池波正太郎(といっても最近の人にはもう分からないでしょうね)の好んだ料理として本に書かれているようですが、ギョウザは個人の好み差が大きく、誰かが好き、絶賛と書かれていても好みが合わないことが結構多いです。

 そういう訳で長らくいつかは行こう候補だったのですが、サンラータン麺という第二の名物を知り、出向きました。

 まずギョウザです。大きめのギョウザで4個680円と高めです。出てきたギョウザはパリッとしていて見た目はすごく旨そうです。口にすると皮はもちっとしています。味はストレートな風味の皮に肉中心の具が入っています。ジューシーな肉汁が溢れて独特の香りがあります。これは美味しい。個人的にはもう少し小さくて、具は野菜中心の方が好みですがこれはこれで美味しいです。
 他の店で食べられないギョウザではないですが、中華街の中ではかなり美味しい方です。



          

 サンラータン麺です。酢と山椒でしょうか、むせるような酸味、香辛料がスパイシーで美味しいです。ただ、小皿に一皿、お好みでお替りくらいで十分で一人で一杯いただくと口に酸味が強く残って、ちょっと量が多いかなという感想です。ただ、これも中華街ではかなりましな方だと思います。

 満足できます。美味しい方だと思います。中華街にいて同行者がどこかで食べたいと言った時には候補になる店と料理です。





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梅田望夫「どうして羽生さんだけが、そんなに強いんですか?」

              


 将棋ファン、特に自分で指すことはほとんどないけど観戦は大好きなファンには堪らない一冊です。

 著者の梅田望夫氏の本業が何なのかは分からないのですが、ネット業界に身を置く著述家でコアな将棋ファンです。著者による5つのタイトル戦のネット観戦記とその後の関係者へのフォローインタビューで構成されています。

 現在、ほとんどのタイトル戦はネット中継されるので、仕事が終わって帰宅後、駒を並べながら同時進行で対戦が楽しめます。今日は順位戦A級郷田-渡辺戦をネットで観戦しながら合間にこれを書いています。本書に出てくるまさに2手目、☖8四歩からの角交換腰掛銀です(新手☖8一飛、結果は先手郷田九段勝ち)。
 ネット中継は解説もあり、ある程度の状況は分かるのですが、私のような素人は、その後の「週刊将棋」(たまに)、月刊の「将棋世界」、新聞の連載(私は読売新聞なので竜王戦)でのレビューを読んで再び並べてみてようやく何があったのか感じることができる程度です。

 著者も指さない観戦ファンを公言しているアマチュアの立場だからでしょう、上記の専門誌での専業ライターの記事では素人に分からないポイントを平易な文章で分かり易く伝えてくれます。

 読み始めの印象では過去の単発的な記事の寄せ集めかと思いきや、とんでもない。深い洞察に基づく現代将棋の解析、提示があって刺激的です。これを読んだ後では同じ将棋が別の視点から眺められます。

 登場するのは羽生名人、木村八段、勝又六段、山崎七段、三浦八段、行方八段、深浦八段の7名。テーマは世代間の争い、コンピューターの進歩、最新研究とプロの処し方などなど多岐に亘ります。
 業界記者なら普段の付き合いがあるので遠慮して書かないようなことも含めてズバズバと書いているのが魅力です。ただ、こういうストレートな物言いは別に隠し事でもなんでもなく、いろんな解説会場やネット上でもオープンにされ、紹介されていることなので改めてこれを読んで気分を害するプロはいないと思います。そんな軟なハートだとこの厳しい世界を生きていけません。当然、嫉妬、やっかみもあると思います。いろいろと言われ、書かれていますが、それでも最後は将棋で勝った者、将棋の強い者が偉いという絶対の基準があるのだと思います。何とでも言え、それでも俺は勝ちたい、そういう強者の集まりです。

 この本を読むと、将棋世界や新聞での観戦記があまりにもステレオタイプのワンパターンであることが分かります。一緒に誰と現地入りしたとか、これまでの対戦結果はとか前段は毎回同じ、肝心の勝負の解説となると本人はセミプロで十分理解できているのでしょう、「ここは6五桂の一手」とさらっと流したり、検討陣の棋譜をダラダラ書いたりと玄人向けの記号のような内容が多いです。これまでは分からない自分が悪いと肩身の狭い思いをしてきましたが、このような良書を読むと既存のライターの突っ込み不足が明らかになります。

 著者の前著である「シリコンバレーから将棋を観る」が評判よいことは知っていたのですが、羽生名人とのコンピューターの進歩に関する対談と思っていたので関心外でした。認識改め、本書のような面白いアマチュア観戦記であればと早速にアマゾンで注文しました。

 この本は本当におもしろい。読書する最高の喜びがあります。





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青空

          

 中庭のある家にしました。今日のような天気の良い日はテラスを全開にして青空を眺められるのが幸せです。





          


 休日は以前はソファでしたが、最近はリクライニングチェアに寝転んで本を読んだり、音楽を聴いたりしています。御徒町にあるスーパーディスカウントの多慶屋で買ったこのデンマーク製のチェアは快適、優れモノでお気に入りです。




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