2017年 8月1日
自然農実践家 川口由一さんの田畑のレポート 後編です。
田んぼの水管理をされておられる川口さん。8/1
「もう少し水位をあげて分けつを促したいと思います。」
排水口の出口の板を高くされ水がもれないように
溝の土を盛っておられます。
ゆったりとした溝ですね。
水がたっぷりと溜められますね。
なんだか泳ぎたくなります。
(暑い日だったので。8/1)
分けつ後期の稲、とても元気がいいです。
こちらの畝は 左二列が黒米
真ん中の二列が赤米
右の四列が緑米です。↓
条間にはいられての夏草刈も進んでおられます。
こちらはトヨサトでしょうか。↓
左手前にトウカイアサヒ
その向こう側にアケボノ。↓
こちらは古代米の畝です。↓
今年のお米の作付けは七種類だそうです。
トヨサト トウカイアサヒ アケボノ
香り米二種
古代米の黒米・赤米・緑米です。
川口さんの田んぼには三年ほど前からジャンボタニシがいます。
卵は水に弱いので稲の茎に産みつけます。
稲の生育に影響があるかもしれないと思い、
最初は卵を水に落とすなどされておられましたが、
今ではそのようなことはせず任せておられるそうです。
なぜなら自然農の稲の茎は丈夫で食べられませんし、
畝にはタニシが好む草もあります。
他の小動物との関係で増えすぎることはないのだそうです。
ただ、溝から畝に上がる時に、
溝際の稲の根を食べられることがあるそうです。
また、草を食べることで畝の端の土が崩れると
その補修が必要になります。
しかし、タニシの甲羅にはカルシウムが多く含まれ、
生死に巡る中でその成分が田んぼを豊かにしてくれるそうです。
『川口さん 帽子にカマキリがいますよ。』
『そうか、それはうれしいなぁ~。』
『仲良しですね。』『そうやなぁ。』
田に水が入っているので涼しげです。
が、じっとしていても汗が流れます。
陽ざしはほんの少し夕暮色になってきたでしょうか。
畦で記念写真、
そして田んぼを後に畑へと。
写真中央はさつまいもです。
元気に育っていますね。
その向こうの木々の下にはこほれ種で育っているゴボウ。
近くで見ると なんと大らかな育ち具合なのでしょう。
その足元に桔梗が可憐です。
こちらは、ささげ豆です。↑
さざけは、つるの先端を摘み取ってあげると
その手前のところに花を咲かせ実をつけるそうです
ふと見ると畝に大根の種が置かれていました。
こぼれ種で育つことになるのでしょうか。
目をあげると 実をつけはじめた柿の木です。
猛暑の夏に 結実への営みが始まっています。
グミの古木に登っているのはヘチマです。
タワシとしてお台所やお風呂で使われるそうです。
天然のスポンジですね。
マクワウリです。
いろんな種類を育てておられ
こちらはアオマクワでしょうか。
↓
こちらは白マクワ? 黄マクワでしょうか。?
↓
こちらはシマウリでしょうね。
↓
食用のヒマワリ、その隣にオクラ、そしてモロヘイヤです。
空芯菜の畝です。
『ここに生姜がありますよ。』と川口さん。↓
『こちらはミョウガです。』↓ と教えて頂きました。
自然農は 耕さず
虫や草を敵とせず
持ちこまず 持ち出さず
自然に 添い 応じ 任せ、
栽培する農です。
一つひとつの作物の性質を知り
そのいのちに添い応じ任せます。
こちらはニラの畝ですね。↓
人参の葉が草の中に見えています。
↓『ここは草刈りが必要ですね。』と川口さん。
トウモロコシ、
水色の空に健やかな姿が美しいです。↓
手前にも時期をずらして植えておられます。
食用(種)のヒマワリがきれいです。
その後ろには百日紅のお花が咲き揺れています。
汗びっしょりになりながらも
にこやかに田畑をご案内してくださいました川口さん。
ひまわりがお似合いですね。
爽やかな槿のお花が水色の空に映え
グラジオラスが鮮やかです。
楽園のような自然農の畑。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
現在、川口さんは78歳。
『自然農は決まった形ではないので新たなことが起きてきます。
その答えを出していくとともに、
二か月に一度、田畑にて見学会を開いていますので、
その時々に皆さんの見本となるよう、
励みになるようにと思っています。』
とおっしゃられる川口さん。
ご自身の健康のためにも
お天気の良い日はほぼ毎日四時間ほど楽しく田畑に立たれ、
雨の日は座り仕事(執筆等)をされておられるそうです。
今回も 明るい夏空の元
美しい田畑にてやわらかないのちのひびきを
全身で感じさせていただきました。
川口さん ありがとうございました。
みなさま 最後までお読みいただき、
ありがとうございます。
八木真由美