1982年
社会人ナンバーワン投手で大洋にドラフト2位指名され、先ごろ入団を発表した日産自動車の関根浩史投手(21)=千葉工出身=は三十日、育ての親である森川和千葉工業高校野球部監督と入団のあいさつに本社を訪れ、土屋社長、神崎運動部長の激励を受けた。年明けの五日から長崎で行なわれる自主トレーニングに参加する同投手だが、落ち着いた口調で、忙しいそぶりも見せず「早くみんなにとけ込み、一軍で投げたい」と即戦力ルーキーらしく、抱負を語った。
関根投手は181㌢、75㌔の恵まれた体形で、時速140㌔といわれる速球が武器の右腕本格派投手。高校時代は、二年生の秋季県大会で完全試合を達成、三年の春にも本社が後援している千葉市内大会で二度目の完全試合をし完全男として注目された。卒業後、日産自動車入りしてメキメキ頭角をあらわし今年のドラフトで大洋に2位指名された。だが日産側の引き止めで交渉は難航したが、本人の「どうしてもプロへ行きたい」という強い希望に会社も折れ、二十四日に仮契約、二十五日に入団が発表された。「やっと決ってホッとした」と、関根投手は年内にカタがついてホッとした表情。「自分でカッとなりやすい性質なので、斉藤明さんのようなガッツのある投手になりたい」と、抱負を語った。応対に出た土屋秀雄本社社長が同投手の手を取って「千葉にスタジアムを作る計画のさ中でもあるので、本県出身のプロ野球選手として頑張って欲しい。ピンチに立ったら、恩師の森川監督の顔を思い浮かべて、切り抜けて下さい」と励まし、同投手も大きくうなずいた。希望だった在京セ・リーグに入団した同投手は「ノンプロと違ってプロは競争が激しい」と、ちょっぴり不安を隠さなかったが、「来年からは酒、タバコをやめ自分自身で節制を心がけて頑張る」と、社会人ナンバーワン投手にふさわしく、決意の言葉に自然と力がこもった。また、付き添った森川監督は、「ケガと健康だけには十分気をつけて欲しい」と教え子の行く末を気遣った。同投手は正月を自宅ですごしたあと三日夜から四日朝には長崎入りし五日から有望選手を集めて行なわれる自主トレーニングに参加する。そのあと十五日に合宿に入り十九日から合同自主トレに加わる予定。実家は千葉市仁戸178。