ザックザックと踏みしめた記憶、
久しく遇わなかった…
乾燥気味で なかなか見つからない、 気づかないだけかも知れない。
針の束か柱のような 氷の板が光っていた。 地中の毛管現象を、 驚いて覗きこんだ日、 白鷺が舞った。
霜柱深き嘆きの声に溶け 朱鳥
霜夜にシンシンと聴く 霜の声
厳寒の 空の底から響いてくる かそけき音の…
土ともに崩るヽる崕ガケの霜柱 子規
掃きすてし今朝のほこりや霜柱 虚子
黒々とした土を頂く白い塊りのまぶしさ。 埃にまみれる霜柱を、 縁側から見たものだった。 今は かしらに霜を置く。
霜の花 青女セイジョ 青白い横顔の。 三ミツの花 三は 三枝サキクサ?
写真は 冬季限定 霜ばしら 創業330年の伝統の味
口溶けのやわらかさ、 はかなきこと… 仄かな、 なつかしい甘露が喉を通る。
やさしい味を 人々は愛でた。
-☆-
叢に鳥や虫がすだくのをさがそう。 雨だれをショパンにききたい。 かすかなそよぎや雪降る 音も。
蚊が細声で名のる のも、 睫毛が落ちる音 だって聞いてみたい。
考えるだけで 胸がきゅっと鳴っている。