ドアの向こう

日々のメモ書き 

五葉と漱石と

2008-01-16 | アートな時間
下編ジャケット

 新日曜美術館で漱石に再会できた。 

  版画家 橋口五葉の斬新な表紙や装画が紹介され、 とくに美人画の洗練された流麗な線は、 1000枚以上に及ぶデッサンの賜だと知った。

 

  夏目漱石は五葉の版画を 「五葉の絵は特徴がある。あれは 確かに橋口の絵で僕は非常に感服した。 僕の文章より旨い…」 と賛辞を惜しまなかった。 

  

  以前、 風信子荘で装画にひかれ、 手に取り、 写真に写したので番組は楽しみだった。  早速引用します。 

  本の表紙や扉を返して見たが、 どこにもすばらしい装幀家の名前は記されていなかったようだ。 五葉25歳の作品。 もう一度確かめよう。  

 

          左から中編・上編ジャケット  

 
   拡大はここ   
   他の作品    中編 扉(見開き)   下編 扉(見開き)   実物に装幀家が明記されていないので、 サインは、中村不折の 不、 或いは五葉の 五。 どちらにも思えました。  五葉のサインは 美人画にあります。  どうやら 「五」のようで…  勿論 不折も、 漱石の本の装幀をしています。 


                     
                                        -☆-


  文藝春秋新年特別号の 「漱石の長襦袢  半藤末利子」 を読んだ。 漱石はこれを部屋着にしたり羽織ったりはしなかったらしい。 いつの間にか女物にされて…  展示のキャプションに、 お身内(漱石のお孫さん)が驚いている。 漱石は時々羽織の裏など見えないところのお洒落を楽しんでいた、 ものの。

  画像は 熊本近代文学館「収蔵品展」でご覧になれます。  昨年展示されていた長襦袢と 同じものらしい。 が、江戸東京博物館の照明でみたときは 南蛮模様の朱色が際だっていた。 
 久しぶりに友といっしょで昂揚していたのだろうか。  とりわけ鮮やかだった。  

 

コメント
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