眼鏡屋さんのまえで 読書するお方は 棘のあるひと
ご覧ください
馬にまたがる あの妄想家に似ていませんか
パンをつれて、 愛犬のパンザをつれて
私は曇り日の海へ行く
パン、 脚の短い私のサンチョパンザよ
どうしたんだ、 どうしてそんなに嚔クサメをするんだ
パン、 これが海だ
海がお前に楽しいか、それとも情けないのか
パン、 海と私とは肖ニてゐるか
肖てゐると思ふなら、 もう一度嚔をしてみろ
…
私のサンチョパンザよ、 お前のその短い脚で、
もつと貴族的に歩くのだ
さうだ首をあげて、 さう尻尾もあげて …
三好達治 「パン」 抜粋
どこかユーモアのある詩 外出すると 犬ばかり目について rugby と一緒だった日を 思い出す しょっちゅう嚔をしていた 咳はしない
-☆-
美術館へいこうとしたら 家人が風邪で寝ている
熱まで出して… ひっそりした家で 日記を書いた 犬のクシャミだけが聞こえそうだった