ドアの向こう

日々のメモ書き 

雛会

2008-03-03 | こころ模様
享保雛 遠山美術館

  
  毎年 みやびな雛に誘われた。 美術館で最高のおひな様に出会う。 
  時代を見つめてきた人形の呟きも聞こえるようだった。 近衛家の雛道具は銀細工。 茶道具も思い出す。  

  余所のおひな様で遊んでくる。 陶製、 木目込み、 紙雛、 芥子雛など多彩である。 装束の模様の色目、下襲。 指貫、 束帯。 笏シャクは象牙だろうか。 精緻な冠、 その瓔珞も揺れて。  

                     -☆-

  子をなくした両親の嘆きはいかばかりであったか。  兄は2歳だった。
  その後、 なにも知らない私たちは、 長男の立派な節句飾りで遊んでいた。 幟や毛槍など振り回し、 馬にまたがり調度をおもちゃにして走り回った。
  いつしか端午の節句は消え、 お雛様など最初からなかったのである。

       雛の軸 睫毛向けあひ 妻子睡ネムる     草田男    

  軸の雛は立雛であろうか。 雛は仕合わせな親子に よく似合う。

                     -☆-  

  母の里に若宮様が祀ってある。 寛政8年1月27日(旧暦) 事件は起こった。 仔細を伝え跡取りが守ってきた。  巻きぞえになった小児(女子)のことも不憫である。 

 訳ありて  

  米を煎って砂糖をまぶす、 大豆を入れて、 祖母がつくる雛あられ。 その記憶はあるが  従姉妹たちにも雛かざりはなかった。  

        手にうけて雪よりかるし雛あられ        万太郎  

  市松や抱き人形くらいはあったかも知れない。  
    桃の日の思い出…   わずかである。  そして哀しい。  

            
   遠山家の雛は こちらへ   ほかの人形は こちら

コメント (2)
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