ドアの向こう

日々のメモ書き 

暮の秋

2010-11-29 | こころ模様

 

 

名残りの薔薇 は 

 はかなくて 寂しげ

    

 

 

 

 

 

 

  
  薔薇の想いをよそに 野鳥は賑やか




  棕櫚の木で 日向ぼこ
    


        

             -☆-

 
   冬近し草にかくれし榻一つ   万太郎

 榻は トウと読むのでしょうか  枯草のかげに忘れ去られた椅子ひとつ、 そこはかとない秋の終わりの情趣をかさねているのでしょう。 
 そういえば 切手趣味週間の記念切手に山口蓬春の「榻上(トウジョウ)の花」がありましたね。 上品でモダンな作品。
  
 また 榻はシジ゛ともいって、牛をはずしたときに、牛車の轅ナガエの軛クビキをのせたり、また、乗り降りするときの台にもした。 
 となれば、 この句は やはり 「とう」と詠んだのでしょう。

 榻の字に見覚えがあって、 どこかに写したはず… ノートをめくると 「榻上の花」 がありました。 さらに
 
  榻(シジ)の端書き(ハシガキ)  昔、男が女に思いをかけ、百夜続けて通ったら承知すると女に言われ、九十九夜通って、そのしるしを榻に書きつけたが、百夜目に支障があって通えず、思いを遂げられなかったという故事。 深草少将と小野小町の伝説などとして流布。 熱烈な恋のたとえ、 また思いどおりにならない恋のたとえとされる。
  能 通小町(雨夜之伝)ですね。 
 榻一つから とうとう 残酷な恋の試練 「百夜通い」まで転がってしまいました。           

       

         山口蓬春「榻上の花」

    能すみし面(メン)の衰へ暮の秋    虚子

   
秋の夜は更けて… 

 

 

コメント (4)
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