
公園内、 茶室のそばの柞(ハハソ)の黄葉
「ははそ」とはクヌギやコナラの総称である。
写真は クヌギの葉より丸味を帯びているので、 コナラかも知れない。 モミジや銀杏の明るさに対抗して落ちついた美しさだ。 柑子色 鬱金色 刈安色 山吹 樺色 黄土色 金茶 代赭色… など混ぜたような渋い色。 この、 こっくりした色が大好き。
雑木林の、もっとも美しい季節が二回ある。 若緑のふきだすころの春と、橙黄色にもえる深秋だ。 そういえば、 万物すべて、生まれる時と、滅びる時に、 その美の極致を発揮するのではなかろうか。(足田輝一)
黄土色 刈安色 代赭色
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葉を落とした公園の皀莢 実があらわになった。
莢がふたつそろって 風にゆらゆら。
公園を見晴らすモミジバフウは、威風堂々。 掌も大きい。
をりとりてはらりとおもきすゝきかな 蛇笏
風にもつれる細い薄の 思いがけない重さよ
尾花、 芒、 真赭 まそほ(マスオ)の芒。
花すすき月の光にまがはまし深きまそほの色に染めずは 山家集
真赭の芒、穂がつやつやと赤味を帯びている大きな芒。
いかにせん結ぶ木の実を待たずして秋のははそに落つる山風 (海道記)
12月にはいっても 暖かい日が続いている。
しばらくは 薄や柞などの朝な朝なの変化を楽しもう。

遊歩道のクヌギ