ドアの向こう

日々のメモ書き 

里帰り

2012-05-23 | アートな時間

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  東京国立博物館140周年 特別展 ボストン美術館 日本美術の至宝

 
(自分宛のメモながら)  

プロローグ コレクションのはじまり
・ビゲローの肖像  ・岡倉覚三(天心)像
 フェノロサ・ウェルド、 岡倉天心とともに日本美術の調査研究・収集   
 ウィリアム・スタージス・ビゲロー コレクション寄贈 

第1章 仏のかたち 神のすがた 
 海の向こうの正倉院…  平安・鎌倉時代の仏教絵画
  ・法華堂根本曼荼羅図(奈良時代)  ・普賢延命菩薩像 (平安仏画の傑作)
  ・弥勒菩薩立像 快慶作 鎌倉時代 
 
第2章 海を渡った二大絵巻
・吉備大臣入唐絵巻(キビダイジンニットウエマキ) 平安時代
  遣唐使 吉備真備が唐人の難問に不思議な力で立ち向かう。 
 阿倍仲麻呂の霊に出会い、 助けられて、 文選の解読をし、囲碁の名人と勝負し勝利する。
  遣唐使船で唐に渡るようすや、 高い楼閣に幽閉されてしまう吉備大臣や、宮殿で試験問題を盗み聞きするようすなど 漫画のようなたのしさ。

  楼閣に幽閉された吉備大臣       試験問題を盗み聞き 

・平治物語絵巻 三条殿夜討巻 
  ドキュメンタリータッチで凄惨な戦闘場面が描かれている。 さながら実況中継だ。 
何台ものカメラで 場面を切りとる。 折り重なる死体、 炎がせまる。
阿鼻叫喚、 疾走する馬、 牛が暴れ、犬が吠える。

 
第3章 静寂と輝き 中世水墨画と初期狩野派
・白衣観音図 狩野元信筆(流麗な衣の線)
・京名所図等扇面 狩野松栄筆  金山寺、清水寺など

第4章 華ひらく近世絵画
・竜虎図屏風   長谷川等伯  ちょっと可愛い虎 ユーモラスな龍の顔
・松島図屏風   尾形光琳  波濤の表現   明るい色彩
・芥子図屏風   宗達派  金地に描く芥子    
・鸚鵡図      伊藤若冲  繊細な羽根 

第5章 奇才 曽我蕭白
 「風仙図屏風」 中国の仙人が 池にひそむ龍を追い払って天の水門を開け干ばつを救う場面。 剣を持つ陳楠(チンナン)、 突風は勢いよく走り昇る。 掴みかかる手指のような波の描写。 流れ込む水、 勢いを増し激しく渦を巻いている。 風に靡く木々、 吹き飛ばされた従者の表情、 臨場感たっぷり、 面白い。
 
「雲龍図」(34歳の作) 大きさに驚く。  つよさ、 迫力、 躍動感、 困ったような龍の眼差し、 構図、  切り取りの妙。 大胆な筆さばき、 すごいスピード、 迷いのない線、 なぞっていては絶対に出ない切れの良さ。 下書きなど無くて この大きさにもかかわらずスピード感を持って描ききったのだろう、 線の勢いを持続させるのも大変なこと。
 眼の直径30センチ、 まさに 本展の超目玉作品。 
 黒々とした闇 真黒な墨の色(後日 NHKの「極上美の饗宴」により 削墨と知った。 蕭白は 奇怪、 怪獣、グロテスク、 悪魔的、エキセントリックな絵師と。) 
 
 豪放磊落、 繊細さを合わせ持つ、 面白いひと。 常識や理性では説明できない圧倒するすごさで。 芸術家として魅力にあふれている。 もし 実際に逢ったとしたら、 その掌を見せて頂きたい。 一気呵成な筆捌きの「雲龍図」、 印象は強烈、 胸がすく。
 
 一方 「鷹図」 繊細、 これもおなじ蕭白なのだ。 羽根の緻密な描写。  首や胸の多彩な模様。 精悍な目つきに身震いする。 大きな風切羽や腹部の羽、 尾羽など、 部分部分の描き分けもすばらしく、 美しい。 鋭い爪でガシッとつかむ。 鷹の緊張感が伝わってくる、 蕭白という絵師の際限のない大きさを息を止めてみつめた。
「商山四皓図屏風」 スケールの大きさ、迫力、自由さ   

第6章 アメリカ人を魅了した日本のわざ 刀剣と染色
 ・梨地家紋散糸巻太刀 
   組紐 金蒔絵 彫金など それぞれの職人が技を凝らした総合芸術だと思う
 小袖 白綸子地松葉梅唐草竹輪模様 (松竹梅は伝統的な吉祥模様、 大きな松葉、竹輪、梅唐草など個性的な模様)
  帷子(カタビラ ひとえもの) 染分麻地御座船梅竹模様
  唐織 紅地流水芦菊槌車模様  
   (刺繍のように見えるが 織り出された模様。  華麗な能衣裳。

  吉備大臣入唐絵巻の絵葉書とクリアファイル(至宝が20点くらい掲載されている)を購入。  「まぼろしの国宝、 ニッポンに帰る… 」 さすがに 面白かった。 

 

 clear fileの写真から  龍虎図屏風 長谷川等伯 (部分) 

 

 

 

コメント (2)
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ユリノキ

2012-05-23 | 自然や花など

 大きなユリノキ  

 

 東博の チューリップツリーに

  オレンジとクリームをぼかしたような花がたくさん咲いている
 ボストン美術館の二大絵巻、 曽我蕭白、 等伯、 光琳、 若冲が里帰り… 
 ワクワクする       

 百合の樹の広葉ひらめき散るを見つ   閉門どきの庭をよぎりて  鹿児島寿蔵

  鹿児島寿蔵は  「紙塑人形」作家であり アララギ派歌人でもある

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