ドアの向こう

日々のメモ書き 

詩を語る

2007-05-31 | こころ模様

     そうです 奥さん
      詩というは……
 
     高圧線の内部ナカに散る
     百万ボルトの火花です
     秘めた思いのむせび泣き
     涙の塩のにがりです
     音オンと意味とを綯ナい合わせ
     <耳で語って 口で聞く>  
     天使と悪魔の合言葉
     うそとも見える本当ホントです
     心の隅に巣を構クって
     生命イノチを餌に育つ奴
     知らずにいると芯までも
     あなたの心を食いあらす
     白蟻ですの 詩というは
 
     そうです 奥さん
     詩というは……
    
          「詩を語る」 堀口大學   <>の中はヴァレリーの言葉

              -☆-

    夕がた 雲は奔った   マントを翻し
     やがて始まる壮大なアリアのため
         やや早く    よりはやく…
   
     舞台の袖に立つ大物歌手のため  
       その歌声  神のごとく   遠くに聞こゆ

              -☆-

 奥さん! つい振り向いてしまった。 詩人に弱い! 
   白蟻? 蛙はそれが好きなんです。 きょうも一匹平らげた。
   
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2 コメント

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いきなり奥さんって。 (うしろの正面)
2007-06-04 13:17:51
老け顔なんで、既に高校生の時に「奥さん!」と呼ばれまして・・・。(笑)

ラグタイムさん、好物なんですね、詩が。
私の場合は立原という個体が好きなので彼の詩も感覚でしか味わえない(解釈出来ない)のですが、この詩はストレートに伝わりますね。
堀口大學にとって詩とはそういうものだったのか。
立原にとっては詩は何だったのか、聞いてみたいですね。

ところで、どうして奥さんなんでしょう。
返信する
堀口大學御中 (ラグタイム)
2007-06-04 18:22:54
  堀口大學の「母の声」< … 三半規管よ、 耳の奥に住む巻き貝よ、母のいまはの、その声を返せ。>
 切々と唱う。 かと思えば、エロチシズム、 魅惑に充ちています。
 うしろの正面さん、 続きがあります

 「詩を語る 又」 堀口大學
   いいえ 奥さん
   詩というは
   それとは全く別なもの

   何の味とも分らない
   おいしいだけの味のもの
   亡びたものの在り形ガタチ
   在るものの無かった時の姿です

   音譜で書いた時刻表
   夜叉と菩薩の双生児

   マリファナと大麻の夢の無責任
   手のひらに残る乳房の昔です

   水底の青い魚が木に登り
   金の兎が浪を蹴る……

   いいえ 奥さん
   詩というは
   それとは全く別なもの

 これから良く味わってみます。 家の奥にいるからでしょう、 この頃 みなさん外ばかりです
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