想風亭日記new

森暮らし25年、木々の精霊と野鳥の声に命をつないでもらう日々。黒ラブは永遠のわがアイドル。

雨後のトラの尾

2009-07-16 00:13:46 | Weblog
高く伸びたどんぐりの木を伐採し、山桜だけを残し見晴らしをよくした場所に
トラの尾が群生しているのに気づいた。
以前は下草はほとんど熊笹ばかりだったのに、緑の中に白い花が咲き乱れて
ファンタジックな景色に変貌している。
雨が降り続いたあと、次々に伸びて緑から白へと変わっていった。
伐採後にカメが地面を均す作業を繰り返していたので、運ばれてきたタネが
芽吹いて増えていったのか?



どうして増えたのかわからないけど、実はこの花がとても好きである。
花屋にある瑠璃虎の尾などより、山の中で自生している白い岡虎の尾のほうが
よほどいい。シルクより木綿って感じだ。決してコットンとは言わない、もめんである。


(スカーレット、主役はあたしよ)

バラに虎の尾を添えて花束を作って差し出したら、カメがその白いのはいらないよと言った。
ふふふ、それはわかっているが押し売りである。
バラの華やかさに添えると中和されていいんじゃないかなあと思ったのだった。
事務所に持って帰ってもらいたかった。
でも断られる理由はわかっている。野生の虎の尾はすぐに弱り、散るからだ。
バラバラと床に散らばりお掃除が‥‥、少々めんどくさいオマケ。
忙しくとも自ら掃除をするカメだから掃除がいやなわけでないだろう。
ただ、持って帰ってすぐ翌日には掃除、儚いのである。
それを知っているんだなあ。

虎の尾ちゃん、いっぱい咲いたのに貰い手がないよ。
それはいらないよと言われたから摘まずにそのまま眺めてるからね、ありがとうね。
わたしは好きだからね。
しばらくそのまま咲いてておくれ。
(デモこっそりと一輪だけそっと紛れ込ませたのであった‥‥)

野山に自生する花を見ていると、肩の力が抜けていいのであります。
癒し~なんかじゃなくて、自らを知っている風情に心打たれるから。

コメント
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