心の風景

晴耕雨読を夢見る初老の雑記帳

レコードを聴く

2005-01-29 17:35:57 | Weblog
 雑誌サライ最新号の特集記事は「レコードを今こそ聴き直す」でした。わたしが通っていた中古レコード店が2年前に店を閉じてから、少し遠のいていましたが、雑誌の特集記事になるぐらいだから、まだまだ愛好家の方々がたくさんいらっしゃるんだと少し嬉しくなりました。と言っても、ときたま輸入盤を目にする程度で、国内でレコードが発売されることはまずありませんから、やはり時代の流れには逆らえません。
 でも、記事にもあるように、1枚のレコードの中に自分の歴史を感じることができるのは確かです。雑音のないCDと違い、レコードの盤の傷に想い出が詰まっています。それに、気のせいでしょうか、レコードにはCDとは違う音の深み、優しさ、演奏者の息遣いのようなものを感じます。
 土曜休日の昼下がり、久しぶりにレコードプレイヤーの蓋を開けて電源のスイッチを入れました。愛用のカートリッジをセットして、1枚のレコードを置きました。グレン・グールドが弾くパルティータ第4番ニ長調とイタリア協奏曲ヘ長調、トッカータホ短調です。グールドの息遣いが聞こえてきます。そこには、2進法の数字列ではなく、ひとつの連続した音の世界、アナログの世界があります。今となっては懐古主義なのかもしれないけれど、やはり大事にしていきたい。30数年間も付き合っているプレイヤーに、そんなことをおしゃべりしていました。
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