きょうは雨の日曜日と覚悟していましたが、なんとかお天気が持ちそうな、そんな明るい朝を迎えています。足元に雫の残る下草を感じながら、愛犬ゴンタと朝のお散歩ができました。
愛犬ゴンタといえば、このところの雨で身体が鈍っているだろうからと、昨夜も遅くにお散歩にでかけました。夜の街を30分ばかりうろうろしていましたが、公園の横にさしかかったところで、目の前の路面に、細長い人間と犬の影が動くのに気づきました。なんということはありません。街灯に照らされた、わたしとゴンタの影が闇夜に浮かび上がったということです。ゴンタがわたしの傍に近づいたり離れたり。嬉しそうなゴンタの動作を、影絵で楽しみました。
そのとき、ふと浮かんだのが、プラトンの国家論だったかに登場する洞窟のメタファーのお話でした。洞窟の中に囚われ人が、壁に映し出される幻影を現実世界と信じ込んでいる。あることをきっかけに、一人の囚人が洞窟の外の眩しい世界を目の当たりにして驚く。それを洞窟内の仲間に伝えるが、信じてもらえない。何かそんなお話であったように記憶しています。要は何をもって事実を認識するのかということであったかと思います。
でも、そんな難しいことは別にして、影絵は、幻想世界にわたしたちを誘ってくれます。現実の汚れきった世界を闇で覆い、オールカラーの自然色を廃し、真実のみを墨絵のように浮き上がらせます。いや、それを真実と思い込みたいという思いを募らせます。何やら不思議な感覚に囚われた夜のお散歩ではありました。
土曜休日のきのうは、例のごとく午前中で仕事を切り上げ、街中を散策しました。といっても出かける先は決まっています。お気楽なLPレコード探しです。新規開拓店を含めて5軒ほどを見て回りました。グレン・グールドのゴールドベルク変奏曲の1955年録音盤(モノラル)を探すのが目的でした。そのモノラル版をステレオに録音しなおしたLPは手元にあるのですが、原盤を探すのです。で、あるにはあったのですが、庶民が手を出せるお値段ではなかったので、感触だけを確かめておきました。結局、そのLPをモノラルのままCDに録音したものを手にして帰りました。LPの方は、ヘンデルのオラトリオ「サムソン」8枚組。1978年の録音です。往時の定価8千円を2千円で売っていました。
でも、お馬鹿さんですね。オーディオ機器の進化が目覚ましいなかで、ひとつの時代を終えたメディアを追いかけるなんて。LPといい、古本といい、何か後ろ向き人生のような気がしますね。ところがどっこい。古きをたずねて新しきを知る。たかだか50年、100年足らずの時代の変遷に人間が右往左往することはない。その底流に一貫して流れる「清き心」を感じたい。などと殊勝なことを考える、考えることができるほどに心安らかな休日の朝を過ごしています。
愛犬ゴンタといえば、このところの雨で身体が鈍っているだろうからと、昨夜も遅くにお散歩にでかけました。夜の街を30分ばかりうろうろしていましたが、公園の横にさしかかったところで、目の前の路面に、細長い人間と犬の影が動くのに気づきました。なんということはありません。街灯に照らされた、わたしとゴンタの影が闇夜に浮かび上がったということです。ゴンタがわたしの傍に近づいたり離れたり。嬉しそうなゴンタの動作を、影絵で楽しみました。
そのとき、ふと浮かんだのが、プラトンの国家論だったかに登場する洞窟のメタファーのお話でした。洞窟の中に囚われ人が、壁に映し出される幻影を現実世界と信じ込んでいる。あることをきっかけに、一人の囚人が洞窟の外の眩しい世界を目の当たりにして驚く。それを洞窟内の仲間に伝えるが、信じてもらえない。何かそんなお話であったように記憶しています。要は何をもって事実を認識するのかということであったかと思います。
でも、そんな難しいことは別にして、影絵は、幻想世界にわたしたちを誘ってくれます。現実の汚れきった世界を闇で覆い、オールカラーの自然色を廃し、真実のみを墨絵のように浮き上がらせます。いや、それを真実と思い込みたいという思いを募らせます。何やら不思議な感覚に囚われた夜のお散歩ではありました。
土曜休日のきのうは、例のごとく午前中で仕事を切り上げ、街中を散策しました。といっても出かける先は決まっています。お気楽なLPレコード探しです。新規開拓店を含めて5軒ほどを見て回りました。グレン・グールドのゴールドベルク変奏曲の1955年録音盤(モノラル)を探すのが目的でした。そのモノラル版をステレオに録音しなおしたLPは手元にあるのですが、原盤を探すのです。で、あるにはあったのですが、庶民が手を出せるお値段ではなかったので、感触だけを確かめておきました。結局、そのLPをモノラルのままCDに録音したものを手にして帰りました。LPの方は、ヘンデルのオラトリオ「サムソン」8枚組。1978年の録音です。往時の定価8千円を2千円で売っていました。
でも、お馬鹿さんですね。オーディオ機器の進化が目覚ましいなかで、ひとつの時代を終えたメディアを追いかけるなんて。LPといい、古本といい、何か後ろ向き人生のような気がしますね。ところがどっこい。古きをたずねて新しきを知る。たかだか50年、100年足らずの時代の変遷に人間が右往左往することはない。その底流に一貫して流れる「清き心」を感じたい。などと殊勝なことを考える、考えることができるほどに心安らかな休日の朝を過ごしています。