心の風景

晴耕雨読を夢見る初老の雑記帳

頬に優しい春の予感

2012-03-04 09:33:05 | Weblog
 春よ来い 早く来い あるきはじめた みいちゃんが ♪ 3月のこの季節にぴったりな童謡です。大正12年3月、児童雑誌「金の鳥」に発表された「春よ来い」は、早稲田大学校歌「都の西北」を作詞した相馬御風の代表作のひとつです。ここ数日、頬に触れる空気が穏やかで、なんとなく優しく感じるのは私だけでしょうか。

 歳時記を紐解きながら、この季節に相応しい季語を探していると、まず目にとまったのが「雛祭」、孫娘にはお祖母さんが何か贈物をしたようです。ついで「蕗の薹」、我が家の庭の片隅にもあちらこちらで芽吹いています。芳しい春の香りを楽しみます。次に「梅」、新聞には開花予想が掲載されていますが、先日、勤務先の記念碑建立神事に列席したら神社の境内にある梅が満開でした。続いて「下萌」、いつの間にか花壇には草の若芽が顔を出しています。クリスマスローズが開花する時期でもあります。ル―セブラックが静かに花開いています。


 「啓蟄」、そういえば先日、出勤途上の坂道で大きなバッタの死骸に出会いました。なんで今頃と思いながら、そろそろ地面の虫たちが目を覚ましてきたのかと。でも、バッタさんは夏の服を着ていました。寒い冬をどこで過ごしていたのでしょう。春を待たずに他界するとは可哀そうなことです。交通事故のようでした。
 そんなことを思いながら、昨日の土曜休日は、ホームセンターにでかけて、ソラマメの苗とジャガイモの種イモを買ってきました。畑の土を耕して、肥料を施して、さっそく植え付けです。種イモの方は来週に植え付けの予定ですが、6月頃には孫君を呼んでジャガイモの収穫祭ができそうです。
 春は、こうしてのんびりと過ごすのが一番です。目を瞑ると湖北の山小屋の春を思い出します。すべてが喜びに満ち溢れているような、そんな空気を感じたものです。きょうは、ルービンシュタインとガルネリ弦楽四重奏団員によるモーツアルトの「ピアノ四重奏曲」をLPレコードで聴きながらのブログ更新です。

 そうそう、新聞記者の方からご紹介いただいた本があります。題して巽尚之著「鉄腕アトムを救った男」(実業之日本社)。ベビーカーで一世を風靡したアップリカの創業者・葛西健蔵氏の生い立ちを著したもので、手塚治虫と大阪商人「どついたれ」友情物語、という副題がついています。大阪商人とは、大阪の工業系の学校を中退した葛西氏そのひとです。
 子どもの頃よく読んだ漫画「鉄腕アトム」を著した手塚治虫さんにも倒産の危機があった。それを救ったのが葛西さんだった。初めて知りました。まだ読み始めたばかりですが、戦中戦後の大阪の風景を思いました。最近、NHKテレビで「カーネーション」という朝のドラマが人気のようですが、時代が重なります。なにか、生きる力のようなものを刺激してくれる、そんな内容です。きょうにも最後まで目を通したいと思っています。
 この本、アマゾンで購入したのですが、古本しか手に入りませんでした。きのう届きましたが、新品同様で定価1500円なのに、かかった費用は本代67円、送料250円、合計317円でした。このご時世、それ以上の値打ちがある内容なのに。引き続き昨夜は、楽天ブックを通じて手塚治虫文庫全集「どついたれ」を手配しました。こちらは新品で本代998円、送料無料でした。

 話はがらりと変わりますが、家内が今日から数日間、台湾観光旅行にお出かけです。お相手は、なんと次男君です。ずいぶん忙しくしていたようですが、仕事がひと段落したらしく、次男君のご招待旅行です。私が行けるわけはなく、家内と2人旅。親孝行をしてくれます。2人にとっては最後の旅行かもしれません。嬉しそうにご出発でした。
 お留守番のわたしは、きょうの午後、近くの長女宅におでかけです。用事は2つ。まずは孫君と散髪に行くことです。昨年末、生まれて初めて散髪屋さんに連れて行って髪を刈ってもらった孫君、4月の入園を前に、ここでもう一度散髪をしておきたいけれども、「お祖父ちゃんと一緒でないと行かない」と可愛いことを言ってくれるものだから....。何はともあれ、春3月、新しい世界が待っているような、そんなウキウキ感が、わたしは大好きです。4月には第2子が誕生のようですが、こちらも男の子のよう。今晩は孫君一家をご馳走にお誘いすることにいたしましょう。
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