心の風景

晴耕雨読を夢見る初老の雑記帳

京都下鴨納涼古本まつりを散策

2013-08-15 22:59:26 | 古本フェア

 LPレコードの整理の目途がやっとつきました。800枚ほどをラックに収め、あとは後日ナンバリングに併せてラックを組み立て収納することにしました。これだけでもずいぶん整理できました。
 今夜は、クーラー全開の部屋のなかで、LP「グレゴリオ聖歌集第Ⅱ巻」(ミュンヘン・カペラ・アンティカ聖歌隊/コンラート・ルーラント指揮)を聴きながら番外編のブログ更新です。聖歌の意味は知らないけれど、夏の夜、クーラーのお蔭でひんやりとした部屋に流れる聖歌が、私の心を鎮めてくれます。
 ところで、12日は予定どおり京都下鴨納涼古本まつりにでかけました。京阪電車の出町柳駅を降りて、高野川を渡ってすぐのところに下鴨神社はあります。北に向かって15分も歩けば、40数年前、私が大学時代を過ごした下宿屋があります。
 当日の京都の最高気温は38.1度。京都盆地特有の暑さにうんざりしながらも、糺の森に足を一歩踏み入れると、急にひんやり感が身を包みました。鬱蒼と茂る樹木、その下を流れる小川、ツクツクボウシが夏を歌います。なにやら遠い昔の夏を思い出させてくれました。天気予報士さんは二重の高気圧が高温の原因だと物知り顔に解説していますが、樹木の持つ自然の力を侮ってはいけません。そんなことを思ってしまいました。
 40店舗が立ち並ぶ風情は圧巻です。そこに老若男女が三々五々やってきては店を冷やかしていきます。道の片側を1時間、小休止して反対側を1時間、蝉時雨の中を呑気な古本巡りを楽しみました。この日手にしたのは、今西錦司「私の進化論」、多田富雄「免疫の意味論」中沢新一「東方的」C・M・ネーベハイ「クリムト」、あとは雑誌「ユリイカ」の白洲正子特集とゴッホ特集でした。しめて3500円でした。
 糺の森を出ると、夏の陽が容赦なく照りつけます。電車で祇園四条まで戻ると、今度は知恩院に向かいました。さすがの暑さに人出は少なく、むしろ外国人観光客が目立ちます。そんな京の街を歩いて、八坂神社、円山公園を抜けて知恩院三門に到着。見上げるような男坂(石階段)を一気に上がると、平成の大修理中の御影堂を横目に、阿弥陀堂をお参りしました。
廊下を歩いて法然上人御堂へ向かうと、何組かのご家族が法事法要の最中でした。そんな畳の大広間で一人ぼんやりしていたら、お隣のご家族の御祖母さんが「じゃあ、納骨堂に行ってお祖父さんにお参りしましょう」と若夫婦とお孫さんを促していました。ああ、そうなんだ。いずれ私もそういうことになるんだろうなあと妙に納得したものでした.....。
 暑い夏は、古き良き時代を想起させます。と同時に、人の心にメリハリを与えてくれます。グレゴリオ聖歌のせいでしょうか。ものごとを冷静に見つめる自分に気づきます。長期休暇も半ばを迎えました。 

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