暑さ寒さも彼岸までと言いますが、昼と夜の長さが同じになる春分の季節を迎えました。ここ大阪は、淡い小雨が舞いつつも、午後には春の陽が街を覆う、そんな週末でした。庭の片隅では、山野草のひとつケマン草が柔らかな春の陽を浴びて芽生え、よく見ると小さな花芽まで確認することができます。
ところで今週半ば、珍しく講演とトークセッションに臨みました。他のお二人が業界筋ではあまりにも著名な方だったため、気遅れしなくもなかったのですが、自然にというか無理やりというか、とにかくひとつのシナリオを思い描きながら、気持ちの良い時間を過ごすことができました。
その後の懇親会で、某社の社長さんから「(実務家の立場で)”心に汗をかいた”お話しでしたね」との労いの言葉をいただきました。「心に汗をかく」。良い表現だなあと思いつつも、いざ調べてみると辞書にはありません。ならばと「汗をかく」を調べると「懸命に努力する。目的達成のために汗をかく」と広辞苑。「額に汗する」は「 一所懸命に働く」の意味。なにはともあれ、「心」に拘わり続けて四半世紀、長い仕事人生にひとつのけじめをつけることができたのは幸いでした。5月には別の場でお話しをする機会があるようですが、今夏のリタイアに向けて着々と「心」の準備にとりかかることにいたします。
そんな週末のきょうは、午前中で仕事を終えると、不思議な開放感に誘われて、関西古書研究会主催の「弁天町ORC200古本祭」に向かいました。以前から知っていた古本祭りですが、覗いたのは今回が初めてです。場所はJR大阪環状線「弁天町」駅を降りてすぐのところ。長い間大阪に住んでいながら、環状線の内回りに乗る機会は滅多になく、西九条駅ではUSJ(ユニバーサルスタジオジャパン)に向かう乗り換えでごった返していました。
ことしは近隣の古本祭制覇をめざしています(笑)。来月に入ると環状線京橋界隈での「ツイン21古本フェア」、下旬には四天王寺春の古本祭り、5月に入ると京都・春の古書大即売会と続きます。無造作に買い込むことは避けたいのですが、きょうも小泉八雲の「仏領西インドの2年間(上・下)」と橋本治著「小林秀雄の恵み」、やや衝動買いでありました。
というわけで、3連休の初日の土曜日は静かに終わろうとしています。そして明日は、京都市美術館で開催中の「モネ展」にでかけ、その足で知恩院にお参りです。明後日は、長女と孫たちを連れて、家内の両親のお墓参りです。何事もなく当たり前のように時間が流れていくことに感謝しなければなりません。