ブラスカル

元マラソンランナーですが、今や加齢と故障でお散歩専門、ブラタモリっぽく街歩きをしています。

2020年12月に読んだ本

2021-01-01 09:41:50 | 読書
2020年最後の月は13冊、少な目でした。
年末恒例のミステリーランキングが発表になったので、ミステリーが多めだったかな。

◆欺瞞の殺意 (深木 章子)
「このミス」7位、「本格ミステリ」7位作品。
40年前の地方の名家で起きた妻と息子の毒殺事件で、自首し無期懲役となった後、一転無罪を主張した入り婿。40年後、仮釈放された彼が、かつての不倫相手と交わした真犯人捜しの往復書簡から、思わぬ真実が明らかになっていく。
犯人は想像がついたが、終盤にその2つくらい上をいくどんでん返しが待っていた。書簡体は目新しかったけど、割と正統派の本格ミステリー。

◆蝉かえる (櫻田 智也)
「本格ミステリ」2位、「このミス」11位。
昆虫好きで人見知り、すべてを見透かす推理とお人よしの性格のギャップ、魞沢泉(えりさわ・せん)という変な名前のホームズ役のキャラが良い。蝉、コマチグモ、フンコロガシ、蛍、ツェツェバエ、昆虫が鍵になった短編ミステリーが楽しい。ぜひシリーズ化していただきたい。

◆鶴屋南北の殺人 (芦辺 拓)
中学校の歴史の授業では、「寛政の改革」の松平定信が善玉で、賄賂を取った田沼意次は悪玉と教わったが、最近では、経済を活性化させた田沼を否定した朱子学の徒・松平定信こそが江戸を停滞させたという説が主流のようだ。そんな歴史の話はともかく、忠臣蔵と見せて松平定信を皮肉った鶴屋南北の奇想天外な歌舞伎シナリオをベースに、現在の大学で起こった殺人事件の謎を解くという、壮大な歴史ミステリー。ほとんどが著者の創作だろうが、よくここまで考えたなと感心。

◆巴里マカロンの謎 (米澤 穂信)
米澤さんは好きな作家さんだが小市民シリーズは初読み。古典部シリーズもだけど、こちらも久々の続編なんですね。「伯林あげぱんの謎」の小山内さんが笑える。

◆あの子の殺人計画(天祢 涼)
初読みの著者さん。母親の娘を利用した殺人のアリバイ工作、そしてマインドコントロールが解け、その虐待を繰り返す母親の殺害計画を練る小学校5年生の娘。悲惨なストーリーに気を取られ、著者が仕掛けた叙述トリックに最後まで気が付けなかった。再読するとわかるのかな。DVの連鎖、つらい話で読後感はすっきりしない。

◆Another 2001(綾辻 行人)
図書館で受け取った時はあまりの分厚さに驚愕、重いので寝転んで読みにくく、読み終えるのに1週間ほどかかってしまった。
Anotherは既読、アニメも視聴済み、エピソードSも既読だったのだが、これも3年3組の災厄のなせる業か、ストーリーをほとんど忘却しており、読み進めていくうちに徐々に記憶がよみがえり始めるという、想や美咲の気分をリアルで味えた。

◆まち(小野寺史宜)
著者の作品は「ひと」に続き2冊目。身寄りの少ない地方出身者が、東京の下町で、新たな人と触れ合う、悪く言えば盛り上がりにかける、よく言えばほんぼのと安心して読める、前作同様優しいお話でした。

◆クスノキの番人(東野 圭吾)
「ナミヤ雑貨店」的な、ファンタジー要素、ミステリー要素ありの、悪人がいない人情ストーリー、訳ありの語り部に、序盤は明らかにされないクスノキの秘密、理屈抜きに最後まで読ませてしまう筆力は、さすが東野さん。

◆白銀の墟 玄の月 第一巻 十二国記 (小野 不由美)
「丕緒の鳥」が新潮文庫で出たときに「月の影 影の海」と「魔性の子」 も一緒に読んで以来だから、7,8年ぶりの十二国記の世界。なんとなく世界観は覚えいるけど、登場人物は全員お初と思う。まだ1巻なんで、感想はもう少し読み進めてから。

◆僕の神さま(芦沢 央)
芦沢さんは好きな作家さん、いつものと違って、スーパー小学5年生を主人公にしたほのぼの系のミステリー。洞察力だけでなく行動力もある水谷くんを、多くのあこがれと少しの嫉妬を交えた凡人?の佐土原くんの視点で描く。自分の小学生時代を思い出す。川上さんの話は、自分はそんなことにも全く気づかないその他大勢だったなー。

ラノベを2冊。
◆青春ブタ野郎はナイチンゲールの夢を見ない (鴨志田 一)
青ブタ・大学生編もやっと本格始動って感じですね。時間がたちすぎて、高校生編での赤城郁美さんとの経緯を忘れていたので、理解するのに苦労しました。次回作からはまた麻衣さんがらみっぽいですね。今後に期待です。早く続きを読みたい。

◆涼宮ハルヒの直観 (谷川 流)
00年代を代表するラノベ、涼宮ハルヒシリーズも、2011年5月25日の「涼宮ハルヒの分裂」から何の情報もなしの長期の中断、鶴屋さんの山?で出土したオーパーツとか、伏線を回収せぬまますっかり終わったものと思っていたら突然の復活。相変わらず振り回してくれます。内容的には閑話休題のエピソード的な短編3篇かなと思ったら、最後の最後でちょっと本筋に戻ったり、続編、期待していいのでしょうか?まあ、涼宮ハルヒファンは放置プレイに慣れていますから、過度の期待をせずに待つことにします

◆息子のトリセツ (黒川 伊保子)
黒川さんの講演会を聴いてから、「妻のトリセツ」「夫のトリセツ」「定年夫婦のトリセツ」「娘のトリセツ」「息子のトリセツ」とシリーズ全部完読。まあ、同じことの裏返しなのだけど、それぞれが復習になり、よくわかりました。と言ってももうかなり手遅れなのですが、でもまあ、今からできることだけでも実践します。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 20年11月に読んだ本 | トップ | 第97回箱根駅伝 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

読書」カテゴリの最新記事