ブラスカル

元マラソンランナーですが、今や加齢と故障でお散歩専門、ブラタモリっぽく街歩きをしています。

「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」

2010-03-14 11:56:06 | 読書
ちょいと話題になっている本なので読んでみました。
久々にライトノベル以外の本を買ったのですが、1680円の割には、半日で、ラノベよりも簡単に読めてしまいました。

高校、大学時代に部活にずっぽりと浸かっていた人間として、今もマネジメントとという業務にかかわっている人間として、すごく興味深く読めました。

組織の目的(存在意義、理念)は何か、目標は何か、それを考える時の基点となる顧客のNEEDSとは何か、組織の目指すことを明確に規定して始めて、やらなければならないことも明確になってくる。
あたりまえのことながら、このように、具体的に、分かりやすく説明してもらえると、改めて、なるほどなーと思えることがたくさんありました。

あー、この本が自分の大学時代にあったら、すごく部活の運営に役に立ったのにとも思いました。
あの頃は、大学の授業の関係で組織論っぽい本も読んだりしていたのですが、ピーター・ドラッカーなんて聞いたこともなかったし、そもそも大学の勉強と部活なんて結びつきようもなかった。

大学時代、自分はバレー部の主将だったりしたのですが女子マネージャーは、失礼ながら、雑用お手伝い係くらいの役割しか期待してませんでした。
OBとか学連とかとの折衝とかは、ほとんど男子マネージャーに任せっぱなしで、自分はプレーのことしか考えていなくて、マネージャーとクラブ運営についてコミュニケーションをとることすらあまりしませんでした。
監督や主将が組織の頂点みたいな意識があったのですが、実は監督も主将も単なる役職、役割のひとつで、それをうまく機能させることがマネジメント、そのように考えられればよかった。
チームが強い時って、感動するようなことが次々と起こるものなのですが、それは、やることをやって初めて、起こるべくして起こるようになるものなのだなとも思いました。

小説仕立てになっているので、後半部分のチームが甲子園予選で勝ち進んでいくところは、主題とは余り関係のない、蛇足のように思えましたが、それを差し引いても十分に満足できた本ではありました。
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