ブラスカル

元マラソンランナーですが、今や加齢と故障でお散歩専門、ブラタモリっぽく街歩きをしています。

「零式戦闘機」「散るぞ悲しき」

2013-08-20 00:39:17 | 読書
終戦記念日を機に大東亜戦争関係の本を2冊、「零式戦闘機」と「散るぞ悲しき」。

「零式戦闘機」は、終戦記念日というよりも、ジブリの「風立ちぬ」の影響かな。
ジブリ映画は飛行機好きの青年・堀越二郎の夢、ロマンを前面に出して描かれていましたが、吉村昭の小説の堀越二郎は実直で優秀な技術者、もちろんこっちが真実なんでしょうけど。
世界から後れを取っていた日本の航空機産業、にもかかわらず海軍は過酷なまでに高スペックの戦闘機を作れと要求する。
でも、何とそれ以上のものが出来てしまう。非力なエンジンを使用し、重火器を装備してなお高スピード、高運動性能、長航続距離、奇跡のような戦闘機、零戦。
大東亜戦争も開戦当初は連戦連勝、零戦も、米英の戦闘機に対し圧倒的な強さをみせる。
しかしながら、零戦の強さは、防弾性能を極限まで削って実現されたもの。
米国は、その工業力を背景に、零戦の2倍以上の馬力のエンジンを使用し、堅固な防弾装備と運動性能を両立させた戦闘機を戦場に投入してくる。
後半は悲惨なお話ばかりでした。


「散るぞ悲しき」は硫黄島守備隊の栗林忠道中将の話。
戦争末期、サイパン、グァムが米軍の手に落ち、制空権、制海権を完全に奪われた日本軍、硫黄島の守備隊2万人は、圧倒的な米軍の火力の前に、もう全滅する以外の可能性は考えられない。
それでも、少しでも本土空爆を遅らせるため、そして大きな人的被害を与え、米国に厭戦の世論を起こさせ、講和に持ち込むため、そんな絶望的な目的のために、兵士は簡単に玉砕することも許されない。
死ぬことよりも苦しい抵抗を、最後の最後まで続けた。
米国の戦死者約7000人、負傷者2万人以上、歴史はそこそこ知っているつもりだったけど、ここまでだったとは。
クリント・イーストウッドが硫黄島の映画、作るわけですよね。

陸軍・海軍という、当時の日本では一番頭脳明晰な人間を集めたモノカルチャーなエリート組織、これが実は完全に制度疲労を起こしていて、組織として優秀でもなんでもなかったというお話。
一部の現実が見えている人たちも、なすすべもなく、自分の命が少しでも日本の未来に繋がることを信じて死んでいった。
教訓は山ほどあります。

戦死した日本兵約2万人の遺骨は、今もまだほとんどが硫黄島の土の中にあります。
遺骨は帰らなくとも靖国で会える、そういって死んでいった兵士たち。
今年は暑いんで見合わせていたけど、これは、やっぱり、靖国神社、参拝に行かないと。
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