ブラスカル

元マラソンランナーですが、今や加齢と故障でお散歩専門、ブラタモリっぽく街歩きをしています。

19年3月に読んだ本

2019-04-03 22:28:21 | 読書
3月は16冊でした。
まずは昨年わりと話題になった小説(単行本)を6冊
◆沈黙のパレード(東野圭吾)
さすが東野圭吾、ガリレオシリーズ最新作の長編も安定の面白さ。つかみもうまくて1ページ目から引き込まれた。
悪辣で狡猾な被疑者の不審死、殺害の動機を持っている者は多数、これはオリエント急行殺人事件みたいなトリックかなと思わせておいて最後のどんでん返し。今回はいつになく積極的な湯川の草薙に対する友情、容疑者Xの石神に対する想い。本格ミステリーでありながら、シリーズ小説としても申し分なく楽しめた。
◆下町ロケット ヤタガラス(池井戸潤)
いつもどおり分かりやすい勧善懲悪ものの池井戸作品、TVドラマも見ていたので、ストーリーも分かっていて、安心して感動できた。この小説のとおり、日本の農業の未来がITCで切り開かれることを期待する。
◆ブロードキャスト(湊かなえ)
あれれ?イヤミスの女王が随分と普通の学園青春ものを書いたものだな。瀬尾まいこさんじゃないよね、と、著者を確認しながら読了。
文化部の中でも、放送部という予備知識ゼロの部活の話、コンテストの審査員の先生方の選評が感覚が的外れなのはいかにもありそうな話。審査員受けを意識して賞を取りに行くのか、納得のいくものをつくるのかは永遠の課題だろう。自分は運動部だったので、走れなくなった圭祐の気持ちは理解できる。道は違えど熱いものを持った者同士が惹かれあい、周囲を巻き込み、感化させていくのもこれまた青春。
でも、湊さんの作品は、やっぱりイヤミスが良い。
◆トラペジウム(高山一美)
乃木坂46の著者のデビュー作。軽い作品でほぼ半日で読了。小説としてのレベルはともかく、一言一言おろそかにすることなく一所懸命創作したのだろうということが伝わってくる作品だった。
トラペジウムってオリオン座あたりにある若い星団で、望遠鏡で台形に並んだ4つの星が確認できるらしい。チープな服に身を包んだ10年前の自分と仲間たち、ネーミングのセンスを感じる。なりたい自分になることにひたむきだった、かけがえのない高校時代、振り返ると胸が熱くなる。
◆フーガはユーガ(伊坂幸太郎)
年に1度、誕生日にテレポートして入れ替わる双子の話。半分くらいまで読んで、伊坂さんらしくない、ちょっと冗長な話だなーなんて思ったら、後半は一気の展開、やはり伊坂さんらしい作品でした。
◆ゲームの王国(下)(小川哲)
昨年の山本周五郎賞受賞作をやっと読了。ポルポト政権前後とその50年後の近未来のカンボジアという、なんとも珍しくも意欲的な舞台設定に大いにそそられたが、上巻がクメール・ルージュの圧政下で出会ったソリヤとムイタック、聡明な二人のボーイ・ミーツ・ガールだったのに対し、下巻は全然違う道を進み初老を迎えた二人の因縁の対決?
壮大な社会派SF小説なのだけど、時代背景とかが複雑で重たすぎて、気が散って読むのに時間がかかった。テーマはすごく面白いのだが、ここまで長くする必要はあったのか。

ミステリーを3冊
◆叙述トリック短編集(似鳥鶏)
冒頭からヒント付きの読者への挑戦状、でも、そのヒントがすでに叙述トリックで、確り著者の罠にはまってしまった。軽妙な短編連作、各話に必ず登場する別紙なる人物が、トイレ、周辺機器、駄菓子、きしみ音、座席、実に奇妙で多彩な趣味を持っているのだなと思ったら、、、中々に楽しい作品。
◆碆霊の如き祀るもの (三津田信三)
昨年末の「このミス」「本格ミステリ」「文春ミステリー」「ミステリが読みたい!」すべてにランクインした本ということで手に取った。久々の刀城言耶シリーズということだが、このシリーズ初読み。ホラーと本格ミステリの融合、動機が弱い気がするが、そこは本格なので気にしてはいけない。謎だらけの連続殺人の終盤の怒涛の謎解きがすごかった。特に第一の殺人の方法が悲惨でトリックがすごい。他の作品も読んでみたい。
◆依頼人は死んだ (若竹七海)
著者の葉村晶シリーズは、「さよならの手口」「静かな炎天」「錆びた滑車」と最近の3作が既読、作中の葉村晶は既に40代のおばさまなので、アラサーの晶は中々に新鮮。晶自らの語り口は変わらないが、心の闇をつくような事件の連続、今とちょっと作風が違うような。

ライトノベルを4冊
◆エロマンガ先生(11) 妹たちのパジャマパーティ (伏見つかさ)
だんだんバカバカしくなってきた。山田エルフ先生など、脇役がもっと活躍する展開になってほしい。
◆混物語 (西尾維新)
掟上今日子、哀川潤、地濃鑿、瞳島眉美、病院坂黒猫、水倉りすか、否定姫、無桐伊織、萩原子荻、千賀あかり、匂宮理澄、葵井巫女子、空々空、札槻嘘、想影真心、西尾作品の代表的なキャラを阿良々木暦と絡ませた短編集。「物語シリーズ」と「忘却探偵シリーズ」のファン(VOFANさんのファン?)なので、その他の作品はあまり読んでいないので、内容はともかく、よくもまあこれだけの作品を書いたものだ。最速の小説家に拍手。
◆りゅうおうのおしごと!10 (白鳥士郎)
今まで八一のロリ趣味の脇役的位置づけであったJS研のメンバー回。澪ちゃんや綾乃ちゃんのみならず、シャルちゃんまでが意外な根性と将棋に対する熱い思いを見せるその様子は感動無くしては読めない。序盤のヤンデレ天衣ちゃんの竜王争奪戦宣戦布告、そして次巻予告編?のぶっ壊れかかった空銀子、将棋は強くとも精神的にはJS研より危うい???11巻も波乱の予感。
◆幼女戦記 11 Alea iacta est(カルロ・ゼン)
ラテン語の副題は「賽は投げられた」の意だそうで、ここ2巻ばかり停滞していた局面が大きく動いた。ルーデルドルフの死でゼートゥーアが軍を全面的に掌握し、イルドア進行も回避されたと思ったのだが!この後どうなる?ってのはレルゲン大佐の回想録で概ね想像がつくが、どうしてそうなる?そしてターニャの運命は?
続きは半年くらい待たなければならないのかな、、、

新書を2冊。
◆応仁の乱 - 戦国時代を生んだ大乱 (呉座勇一)
昨年話題になった本だが、内容は中々に難しく、決して初心者向けではない。よくこれがベストセラーになったな。。。
応仁の乱については、『求心力を失った室町幕府体制下で、細川勝元と山名宗全の両雄の下東西の陣営に分かれて戦った泥沼の大乱』、その程度の認識だったが、「大乗院寺社雑事記」等の同時代資料を綿密に分析した結果浮かび上がってきた歴史はいやはやなんとも複雑怪奇。
軍事政権の盟主でありながら、経済力=軍事力の弱い足利将軍家、それを補佐する管領の畠山家で起きたお家騒動に諸勢力の利害が錯綜し、将軍・義政は定見定まらず、大乱は続く。戦国時代前夜に日本で起きていたこと、なるほど歴史の流れが何となく見えた気がする。◆地学ノススメ 「日本列島のいま」を知るために(鎌田浩毅) (ブルーバックス)
「理科系の読書術」で著者を知った。著者の説明は文系の自分にも実に分かりやすい。日本の周囲のプレートの沈み込みのことなど、何となく知っていることを体系的に理解することができた。
十和田カルデラや姶良カルデラの話は、ブラタモリで知った。南海トラフ地震、自分の生きているうちにおきそうだなー。

◆タスカジさんが教える 最強の「家事ワザ」
家事に興味があったわけではないのだが、この本に出てくるサニー春さんが元会社の同期入社のお友達だったので手に取った。
料理と掃除に興味はないが、サニー春さんの整理整頓術はちょっとやってみようと思う。
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