8月は22冊、結構頑張りました。
まずは、直木賞受賞作、候補作を3冊。
◆少年と犬(馳星周)
本屋大賞ならともかく、これが直木賞!?ひねりのない普通の感動話で、東日本大震災絡みで多聞が九州に向かっているとわかった時点でほぼ展開は読めてしまう。
でも、犬好きにとってはたまらない話。我が家にも、多聞とは比べ物にならない阿呆であるが、15歳になる愛犬がいる。犬の人に寄り添う力、おそらくはそう長くは続かないであろう彼と一緒の生活を思い、哀しい気持ちになった。
◆じんかん(今村翔吾)
織田信長が戦国の梟雄・松永久秀の一生を語るという、何ともスケールのでかい小説。父も出身も不詳、主家乗っ取り、足利将軍弑逆、東大寺焼き討ち、そして二度も信長をも裏切る、戦国のダーティ大名の代表格を全く違う視点で描く意欲作、木下昌輝さんの「宇喜多の捨て嫁」の松永久秀版みたいな話。500頁も気にならずにすらすら読めた。
昨年に続き直木賞は残念でした。私が選考委員だったら、犬よりこっちを選びます。
◆能楽ものがたり 稚児桜(澤田瞳子)
能の演目を題材にした短編が8編。能は皆目わからないので、元になった演目をググりながら読んだ。それぞれ一ひねりあるものの、澤田さんにしてはエグさ控えめかな。
先月の「夜が暗いとは限らない」に続き、今年の山本周五郎賞候補作を2冊。ちなみに同賞は未発表。個人的には、この3冊から選ぶのであれば「展望塔のラプンツェル」かな。
◆ボダ子(赤松利市)
著者の小説は「鯖」に続いて2作目だが、これも動けば動くほど深みにはまる同様の破滅型の人間を主人公にした暗いお話。「浩平、どうしてその場しのぎでそんなことしちゃうかな」とイライラしながら読めば、それが著者の術中にはまったということになるのでしょう。
たまに読むのは良いけれど、続けては読む気にはなれない作品群。
◆展望塔のラプンツェル(宇佐美 まこと)
著者の作品は「愚者の毒」に続き2作目。作品数は少ないけど、どっしりと悲惨な話を書く作家さんという印象。親の前で子供は無力、そして暴力は親から子へ連鎖する。動機や理由はどうあれ、連鎖を断ち切って淡々と不幸な子供たちのために体を動かす悠一に感動、悲惨な話だけど、希望が持てるラストで読後感は悪くない。時間差の叙述トリックでミステリー仕立てっぽくなっているのも良い。
◆彼女は頭が悪いから(姫野 カオルコ)
実際にあった東大生の強制わいせつ事件を題材にした、胸糞が悪くなるような話。昨年の柴田錬三郎賞受賞作。
私は文京区の出身で東大は徒歩圏内、当然憧れはあったが結局他の大学を卒業した。確かに東大って特別な大学と思うけど、特別なのは東大であって東大生ではない。18歳やそこらでの能力差なんて大したことはなくて、大切なことは、その恵まれた場所で何を学びそれをどう社会に役立てるか。東大入学のために共感力とか人間性を損なちゃっているのであれば本末転倒。勘違い野郎は気持ち悪い。
◆ムゲンのi(下)(知念 実希人)
医療系ミステリーの多い知念さんであるが、今回のは病院が舞台ではあるもののファンタジー要素強め。ミステリーとしては、黒幕に早めにフラグが立ち展開が読めてしまうのだが、お話として面白いというか、サクサク読めた。アニメ映えしそう。
全冊読破にチャレンジ中の「新潮文庫の100冊」等、夏の文庫本フェアから7冊。
◆東京奇譚集 (村上春樹・新潮文庫)
「偶然の旅人」「ハナレイ・ベイ」「どこであれそれが見つかりそうな場所で」「日々移動する腎臓のかたちをした石」「品川猿」の短編が5編。
「偶然の旅人」は、「そんなことあるよねー」くらいの話だったが、読み進むにつれて村上さんらしい不思議な人物や、しゃべるサルまで登場。ま、村上さんの作品はわざわざ奇譚集と銘打たなくとも不思議な作品が多い。長編作品はやや苦手なのだが、本作は短編集のせいか、楽しくすらすら読めた。「ハナレイ・ベイ」は映画化されているんですってね。知らなかった。
◆深夜特急2 ー マレー半島・シンガポール(沢木耕太郎・新潮文庫)
1995年から4年間香港に住んでおり、タイやマレーシアも行ったが、それよりもさらに前、日本がバブル前夜の頃の話だろうか。ジャパン・アズ・ナンバーワン」の時代は、日本とアジアではこれだけの格差があった。それが旅情を誘うが、今はなき、古きアジアが良かったかといえば、そうも思えない。
◆わたし、定時で帰ります。 (朱野帰子・新潮文庫)
吉高由里子さんのファンなんだけど、なぜかこのドラマ見逃してた。日本のホワイトカラーって生産性が低いといわれるけど、生産性を下げているのは、吾妻は論外として、案外三谷みたいな人たちで、由衣みたいな社員ばかりになれば日本の会社の効率は返って上がるのにって思う。コロナの影響で働き方も大きく変わりそう。「健康より大切な仕事なんてない」心からそう思う。
◆手のひらの京 (綿矢りさ・新潮文庫)
代々京都生まれ京都育ちの閉鎖的な環境に育った三姉妹の話。自らの価値観を押し付けようとする両親、それにそまった保守的な長女、迎合しない次女、おとなしそうで真っ先に殻から飛び出した三女、見事に性格の違う三姉妹。そうか、やはり「いけず」は京都の伝統芸なのか。
◆パラ・スター 〈Side 宝良〉 (阿部曉子・集英社文庫)
競技人口が少ないマイナースポーツ(失礼)に青春をかける君島宝良たち車いすテニスプレーヤーたちのお話第二弾。熱血スポーツ好きの自分は、ワクワク楽しく読めました。パラリンピック、延期になっちゃたけど、、、
◆医学のたまご (海堂尊・角川文庫)
シリーズの中では一風変わった、中学生を主人公にした作品。コミカルで読みやすかった。ヨシタケシンスケさんの絵がGOOD!
◆誰か―Somebody (宮部みゆき・文春文庫)
積読本消化。杉村三郎シリーズ第一作。昔TVドラマ化されたのを見ていたはずが、聡美が深キョンで梨子が南沢奈央だったのは覚えてるけど、ストーリーはすっかり忘れていた。なるほど、杉村三郎は昔っから杉村三郎だった。
シリーズで読んでいるラノベを2冊。
◆りゅうおうのおしごと! 13 (白鳥士郎)
ラノベなのに熱い「りゅうおうのおしごと」、今回は本筋から外れて脇役JSの澪ちゃんの話がメイン。著者は脇役に焦点を当てるのがうまい。お約束のロリネタも炸裂で楽しく読めました。次巻からは最終章だそうで、八一と銀子の仲は進展するのか、あいや天衣の想いはどうなるか、楽しみ。
◆ソードアート・オンライン (18) アリシゼーション・ラスティング (川原礫)
ようやく完結、アリシゼーションのみならず、シリーズ全体も一区切り、でしょうか。TVアニメの進行に合わせて読んでいるので、アリシゼーションだけで数年かかった。目覚めたら目覚めたでキリト無双でしたが、それだけではない、なかなか良い終わり方でした。
歴史本を2冊。
◆歴史戦と思想戦 ――歴史問題の読み解き方 (集英社新書)
高校同窓の大学教授のおすすめ本だが、読んでみてがっかり、著者の論理はかなり胡散臭く思えた。
慰安婦等は確かに歴史的な罪だろうが、ケント・ギルバートとか(誰?)容易に非難が可能な極端な人の言論だけを取り上げて「大日本帝国のアイデンティティ」と切って捨てる、彼が批判するウヨクのやり方の裏返しをしているだけ。大日本帝国がやったことは今の日本国とは無関係だから非難するという思考回路にも疑問。自分たちの国・日本がしたことと考えることが歴史学の原点であるべき。
◆逆説の日本史 25: 明治風雲編 日英同盟と黄禍論の謎(井沢元彦)
1巻から全部読んでいるファンだが、今回のはがっかり。サブタイに「日英同盟と黄禍論の謎」とあるも、音楽と演劇の文化の話が3/4ほど。日英同盟も怨霊信仰とか資料至上主義とかをたとえ話でくどくど説明したり、批判にかみつくお約束の部分が多くて、肝心の黄禍論は数ページ程度。週刊ポストの連載なら良いけど、単行本にするときは、過去との重複部分を削除するなり、もう少し工夫してくれても良いのでは。芸能関係の話は、知らないことも多くて、ためになりましたケド。
夏なのにお休みを取って遠出ができない。せめてもの街歩きの参考に、暗渠の本とかを4冊。
◆春の小川はなぜ消えたか 渋谷川にみる都市河川の歴史 (フィールド・スタディ文庫6・田原光泰)
都市河川はいきなり暗渠になったのではない。農業用水や排水路に利用するために自然の川に人が手を加え、姿を変えたあげくに最終的に暗渠になったこと、よくわかった、
早速、渋谷川を渋谷橋から水源のある新宿御苑まで歩いてみた。
◆地形を楽しむ東京「暗渠」散歩(本田創)
東京在住の、川や暗渠のお散歩を趣味とする人にとっては「バイブル」的な本。コース案内の地図は詳細にわたり、説明も的確、また暗渠の楽しみ方も教えてくれ、その文章からは暗渠に対する愛が感じられる。何度も歩いたり走ったりした場所も多いのだけど、見落とした個所も随分あるなー。コロナで遠出が難しい今だからこそ、東京の街の成り立ちを見直してみたい。
◆暗渠パラダイス!(高山英男,吉村生)
東京や全国に多々ある暗渠、その紹介本ではない。暗渠の愛で方、楽しみ方を紹介した本。なかには「暗渠カレー図鑑」とかちょっと笑ってしまうものも。井草川縄文散歩とか、ジョアン・ジルベルトで味わう水窪川とか、いいですねー。やってみよう。
◆カラー版 重ね地図で愉しむ 江戸東京「高低差」の秘密 (宝島社新書)(竹内 正浩)
どのコースも大体土地勘はあり、早速いくつか歩いてみた。
まずは、直木賞受賞作、候補作を3冊。
◆少年と犬(馳星周)
本屋大賞ならともかく、これが直木賞!?ひねりのない普通の感動話で、東日本大震災絡みで多聞が九州に向かっているとわかった時点でほぼ展開は読めてしまう。
でも、犬好きにとってはたまらない話。我が家にも、多聞とは比べ物にならない阿呆であるが、15歳になる愛犬がいる。犬の人に寄り添う力、おそらくはそう長くは続かないであろう彼と一緒の生活を思い、哀しい気持ちになった。
◆じんかん(今村翔吾)
織田信長が戦国の梟雄・松永久秀の一生を語るという、何ともスケールのでかい小説。父も出身も不詳、主家乗っ取り、足利将軍弑逆、東大寺焼き討ち、そして二度も信長をも裏切る、戦国のダーティ大名の代表格を全く違う視点で描く意欲作、木下昌輝さんの「宇喜多の捨て嫁」の松永久秀版みたいな話。500頁も気にならずにすらすら読めた。
昨年に続き直木賞は残念でした。私が選考委員だったら、犬よりこっちを選びます。
◆能楽ものがたり 稚児桜(澤田瞳子)
能の演目を題材にした短編が8編。能は皆目わからないので、元になった演目をググりながら読んだ。それぞれ一ひねりあるものの、澤田さんにしてはエグさ控えめかな。
先月の「夜が暗いとは限らない」に続き、今年の山本周五郎賞候補作を2冊。ちなみに同賞は未発表。個人的には、この3冊から選ぶのであれば「展望塔のラプンツェル」かな。
◆ボダ子(赤松利市)
著者の小説は「鯖」に続いて2作目だが、これも動けば動くほど深みにはまる同様の破滅型の人間を主人公にした暗いお話。「浩平、どうしてその場しのぎでそんなことしちゃうかな」とイライラしながら読めば、それが著者の術中にはまったということになるのでしょう。
たまに読むのは良いけれど、続けては読む気にはなれない作品群。
◆展望塔のラプンツェル(宇佐美 まこと)
著者の作品は「愚者の毒」に続き2作目。作品数は少ないけど、どっしりと悲惨な話を書く作家さんという印象。親の前で子供は無力、そして暴力は親から子へ連鎖する。動機や理由はどうあれ、連鎖を断ち切って淡々と不幸な子供たちのために体を動かす悠一に感動、悲惨な話だけど、希望が持てるラストで読後感は悪くない。時間差の叙述トリックでミステリー仕立てっぽくなっているのも良い。
◆彼女は頭が悪いから(姫野 カオルコ)
実際にあった東大生の強制わいせつ事件を題材にした、胸糞が悪くなるような話。昨年の柴田錬三郎賞受賞作。
私は文京区の出身で東大は徒歩圏内、当然憧れはあったが結局他の大学を卒業した。確かに東大って特別な大学と思うけど、特別なのは東大であって東大生ではない。18歳やそこらでの能力差なんて大したことはなくて、大切なことは、その恵まれた場所で何を学びそれをどう社会に役立てるか。東大入学のために共感力とか人間性を損なちゃっているのであれば本末転倒。勘違い野郎は気持ち悪い。
◆ムゲンのi(下)(知念 実希人)
医療系ミステリーの多い知念さんであるが、今回のは病院が舞台ではあるもののファンタジー要素強め。ミステリーとしては、黒幕に早めにフラグが立ち展開が読めてしまうのだが、お話として面白いというか、サクサク読めた。アニメ映えしそう。
全冊読破にチャレンジ中の「新潮文庫の100冊」等、夏の文庫本フェアから7冊。
◆東京奇譚集 (村上春樹・新潮文庫)
「偶然の旅人」「ハナレイ・ベイ」「どこであれそれが見つかりそうな場所で」「日々移動する腎臓のかたちをした石」「品川猿」の短編が5編。
「偶然の旅人」は、「そんなことあるよねー」くらいの話だったが、読み進むにつれて村上さんらしい不思議な人物や、しゃべるサルまで登場。ま、村上さんの作品はわざわざ奇譚集と銘打たなくとも不思議な作品が多い。長編作品はやや苦手なのだが、本作は短編集のせいか、楽しくすらすら読めた。「ハナレイ・ベイ」は映画化されているんですってね。知らなかった。
◆深夜特急2 ー マレー半島・シンガポール(沢木耕太郎・新潮文庫)
1995年から4年間香港に住んでおり、タイやマレーシアも行ったが、それよりもさらに前、日本がバブル前夜の頃の話だろうか。ジャパン・アズ・ナンバーワン」の時代は、日本とアジアではこれだけの格差があった。それが旅情を誘うが、今はなき、古きアジアが良かったかといえば、そうも思えない。
◆わたし、定時で帰ります。 (朱野帰子・新潮文庫)
吉高由里子さんのファンなんだけど、なぜかこのドラマ見逃してた。日本のホワイトカラーって生産性が低いといわれるけど、生産性を下げているのは、吾妻は論外として、案外三谷みたいな人たちで、由衣みたいな社員ばかりになれば日本の会社の効率は返って上がるのにって思う。コロナの影響で働き方も大きく変わりそう。「健康より大切な仕事なんてない」心からそう思う。
◆手のひらの京 (綿矢りさ・新潮文庫)
代々京都生まれ京都育ちの閉鎖的な環境に育った三姉妹の話。自らの価値観を押し付けようとする両親、それにそまった保守的な長女、迎合しない次女、おとなしそうで真っ先に殻から飛び出した三女、見事に性格の違う三姉妹。そうか、やはり「いけず」は京都の伝統芸なのか。
◆パラ・スター 〈Side 宝良〉 (阿部曉子・集英社文庫)
競技人口が少ないマイナースポーツ(失礼)に青春をかける君島宝良たち車いすテニスプレーヤーたちのお話第二弾。熱血スポーツ好きの自分は、ワクワク楽しく読めました。パラリンピック、延期になっちゃたけど、、、
◆医学のたまご (海堂尊・角川文庫)
シリーズの中では一風変わった、中学生を主人公にした作品。コミカルで読みやすかった。ヨシタケシンスケさんの絵がGOOD!
◆誰か―Somebody (宮部みゆき・文春文庫)
積読本消化。杉村三郎シリーズ第一作。昔TVドラマ化されたのを見ていたはずが、聡美が深キョンで梨子が南沢奈央だったのは覚えてるけど、ストーリーはすっかり忘れていた。なるほど、杉村三郎は昔っから杉村三郎だった。
シリーズで読んでいるラノベを2冊。
◆りゅうおうのおしごと! 13 (白鳥士郎)
ラノベなのに熱い「りゅうおうのおしごと」、今回は本筋から外れて脇役JSの澪ちゃんの話がメイン。著者は脇役に焦点を当てるのがうまい。お約束のロリネタも炸裂で楽しく読めました。次巻からは最終章だそうで、八一と銀子の仲は進展するのか、あいや天衣の想いはどうなるか、楽しみ。
◆ソードアート・オンライン (18) アリシゼーション・ラスティング (川原礫)
ようやく完結、アリシゼーションのみならず、シリーズ全体も一区切り、でしょうか。TVアニメの進行に合わせて読んでいるので、アリシゼーションだけで数年かかった。目覚めたら目覚めたでキリト無双でしたが、それだけではない、なかなか良い終わり方でした。
歴史本を2冊。
◆歴史戦と思想戦 ――歴史問題の読み解き方 (集英社新書)
高校同窓の大学教授のおすすめ本だが、読んでみてがっかり、著者の論理はかなり胡散臭く思えた。
慰安婦等は確かに歴史的な罪だろうが、ケント・ギルバートとか(誰?)容易に非難が可能な極端な人の言論だけを取り上げて「大日本帝国のアイデンティティ」と切って捨てる、彼が批判するウヨクのやり方の裏返しをしているだけ。大日本帝国がやったことは今の日本国とは無関係だから非難するという思考回路にも疑問。自分たちの国・日本がしたことと考えることが歴史学の原点であるべき。
◆逆説の日本史 25: 明治風雲編 日英同盟と黄禍論の謎(井沢元彦)
1巻から全部読んでいるファンだが、今回のはがっかり。サブタイに「日英同盟と黄禍論の謎」とあるも、音楽と演劇の文化の話が3/4ほど。日英同盟も怨霊信仰とか資料至上主義とかをたとえ話でくどくど説明したり、批判にかみつくお約束の部分が多くて、肝心の黄禍論は数ページ程度。週刊ポストの連載なら良いけど、単行本にするときは、過去との重複部分を削除するなり、もう少し工夫してくれても良いのでは。芸能関係の話は、知らないことも多くて、ためになりましたケド。
夏なのにお休みを取って遠出ができない。せめてもの街歩きの参考に、暗渠の本とかを4冊。
◆春の小川はなぜ消えたか 渋谷川にみる都市河川の歴史 (フィールド・スタディ文庫6・田原光泰)
都市河川はいきなり暗渠になったのではない。農業用水や排水路に利用するために自然の川に人が手を加え、姿を変えたあげくに最終的に暗渠になったこと、よくわかった、
早速、渋谷川を渋谷橋から水源のある新宿御苑まで歩いてみた。
◆地形を楽しむ東京「暗渠」散歩(本田創)
東京在住の、川や暗渠のお散歩を趣味とする人にとっては「バイブル」的な本。コース案内の地図は詳細にわたり、説明も的確、また暗渠の楽しみ方も教えてくれ、その文章からは暗渠に対する愛が感じられる。何度も歩いたり走ったりした場所も多いのだけど、見落とした個所も随分あるなー。コロナで遠出が難しい今だからこそ、東京の街の成り立ちを見直してみたい。
◆暗渠パラダイス!(高山英男,吉村生)
東京や全国に多々ある暗渠、その紹介本ではない。暗渠の愛で方、楽しみ方を紹介した本。なかには「暗渠カレー図鑑」とかちょっと笑ってしまうものも。井草川縄文散歩とか、ジョアン・ジルベルトで味わう水窪川とか、いいですねー。やってみよう。
◆カラー版 重ね地図で愉しむ 江戸東京「高低差」の秘密 (宝島社新書)(竹内 正浩)
どのコースも大体土地勘はあり、早速いくつか歩いてみた。
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