ブラスカル

元マラソンランナーですが、今や加齢と故障でお散歩専門、ブラタモリっぽく街歩きをしています。

21年10月に読んだ本

2021-11-06 12:20:39 | 読書
10月は読んだ冊数わずかに6冊。こんなに本を読まなかった月って、多分10年ぶりとかだと思う。
その中でも、なんとか完読を目指している【新潮文庫の100冊2021】を4冊、残すところあと2冊。

◆さぶ (山本 周五郎)
「さぶ」のタイトルとは裏腹に、さぶの友人の栄治の受難と成長の物語。変わりゆく栄治の姿に、一時は距離を置きながらも、北極星のように定点にさぶがいる。だからこの小説のタイトルが「さぶ」なんだろうな。

◆1ミリの後悔もない、はずがない (一木 けい)
家庭が「ワケアリ」の少女、由井の中学時代の恋愛模様を描いた「西国疾走少女」を軸にした短編連作。結婚して子供を持った彼女、高校時代、大学時代の彼女の話に、中学時代のクラスメートのその後などが絡む。中学時代にはヒーローだった高山くん、年取ってもそのままなんだね。同級生からみたら劣化してても、年上の主婦からみたらヒーローのまま、そして主婦のみならず結局同級生ともしちゃうところが真骨頂か。このヒリヒリ感を出すためにエロさは必然なのか、もう一作この人の本を読んでみたい。

◆てんげんつう【しゃばけシリーズ第18弾】 (畠中 恵)
昔、元NEWSの手越くんでドラマ化されてましたよね。若旦那を相変わらず手越くんに脳内変換して読みました。そういえば、手越くん、最近さっぱり見ないよね。やはり事務所やめちゃうと仕事ないのかな。
お話は江戸時代の中にもちょっぴり現代に通ずるような話題、軽妙なやりとり、面白かったです。

◆コンビニ兄弟―テンダネス門司港こがね村店― (町田 そのこ)
魅力ある地方都市、活気あるお年寄り、過疎化、高齢化、大都市集中の日本だけど、元気な地方はこうありたい。コンビニ愛にあふれたお話。町田そのこさん、こういうのを書いてもGOOD!

◆ののはな通信 (三浦 しおん)
庶民的な家庭で育ち、頭脳明晰、クールで毒舌なののと、外交官の家に生まれ、天真爛漫なはな、お嬢様高校に通う二人は親友では収まらず百合の関係に。ののの浮気による別れと大学での再開、そしてまた別離が訪れる。そんな二人が40を過ぎて再び心を通い合わせる、そんな書簡体の小説。
運命の出会い?魂の色が似ている?JKの百合関係はここまで強烈?大学時代に同居していたのののの伯母の正体(愛人)と外交官の婦人会でのはなの身体の関係も含めた女王様ぶり。書簡体小説は行間ならぬ手紙の間を読まなければならないので、いろいろ想像できて面白かった。

◆スモールワールズ(一穂 ミチ)
一穂ミホさん、初読みの作家さん。一見つながりの全くない短編が6篇、コミカルで良い話の「魔王の帰還」を除くと「ネオンテトラ」「ビクニック」「花うた」「愛を適量」「式日」、どれもちょっといたたまれなくなるようなお話なのですが、それでいてほっこりさせられる。第165回直木賞候補、今年の山田風太郎賞候補作。来年の本屋大賞にもノミネートされそうな作品。


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