ブラスカル

元マラソンランナーですが、今や加齢と故障でお散歩専門、ブラタモリっぽく街歩きをしています。

10月に読んだ本

2014-11-01 01:04:46 | 読書
今月は少な目の14冊でした。
「吾輩は猫である」と「素数の音楽」に手こずりました。

「新潮文庫の100冊」全冊読破に挑戦中です。
その新潮文庫から9冊。
◆素数の音楽 (マーカスデュ・ソートイ)
題名通り、数学の、素数にかかわる「リーマン予想」証明に向けての数学者のお話。文系・体育会系の頭にはキツイ内容でした。
数学の歴史、素数の神秘的な不思議さと魅力、それに挑戦する数学者のドラマみたいなものは伝わってきましたが、「それで、結局、リーマン予想って何?」って感じもします。
ITセキュリティの「公開鍵」の理屈が素因数分解によるものだということは、初めて知りました。数学って、こんなところに役に立っているんだ。

◆つぎはぎプラネット (星 新一)
星新一さんは好きですけど、これは、はっきり言ってあまり面白くありませんでした。
星新一さんが大好きで、「星さんの著作はほとんど全部読みました」って人が読むには良いと思います。

◆夜の光 (坂木 司)

坂木さんの作品は「和菓子のアン」についで2冊目ですけど、こっちの方が断然面白かった。こういう話、好きです。
高校生は所詮子供、親の言うなりにならざるを得ない。本心を押し隠してそれぞれの仮面を演じるブッチ、ジョー、ゲージ、ギィの4人。
一見緩いようだけど、理解者、同志、4人だけのコードネームも、こっそりものを食べるのも、ギィとゲージが安易にくっつかなかったのも、1年後の温度の低い再会も。いいなー、青春。

◆吾輩は猫である (夏目 漱石)
長いよ。。。
これが明治の終わり頃に書かれたもので、日清・日露戦争までとは違う、時代の流れみたいなものが見えます。
世の中を斜めに見る姿勢とか、小説の文章の表現自体に新しさが感じられ、今更ですが、漱石のすごさが少しだけ分かってきたような気がしました、

◆レンタルチャイルド―神に弄ばれる貧しき子供たち (石井 光太)
インドのスラムのストリートチャイルドを取材したノンフィクション。
結局子供は親次第、環境次第の無力な存在です。胸の悪くなるような邪悪な循環がここにあるってことか。
マララさんが言うとおり、この悪循環を断つのに絶対必要なものは教育。政治が一番最初に取り組まねばならない問題です。

◆何があっても大丈夫 (櫻井 よしこ)
硬骨のジャーナリスト、櫻井よしこさんの自伝、半生記。
「教授、あなた、患者を見殺しにしましたね」、あの薬害エイズの時の取材っぷりは鬼気迫るものがありましたが、なるほど、ボンドさん譲りってわけですね。
優しげで落ち着いた感じの見かけから、お嬢様育ちなのかなと思ったら全然違う、波乱万丈の半生でした。
それにしてもしようもないお父さんと素晴らしいお母さんです。

◆錦繍 (宮本 輝)
愛人と無理心中未遂のあげくに離婚、臨死体験、霊魂とか、暗くて重い前半に比べ、未来に向けて歩き始める後半は明るくて、前向きで、ユーモラスですらある。
あまり難しく考えずに、単純に、心の持ちよう、考え方の転換一つで、人間は前向きになれるんだ。厭世的になるのはもうやめ、さあ自分の人生をやり直そう、って話と思って読みました。

◆小澤征爾さんと、音楽について話をする (村上 春樹)

村上春樹さんの小澤征爾さんとの対談本なのいですが、しっかり村上ワールドしてました。
クラシックといえば、学校の音楽の時間とのだめカンタービレでしか聴いたことがない自分ですが、村上春樹さんの音楽に対する深い造詣というか、マニアックなこだわりに感心。
村上さんの文学って、天才的ではあるのだけど、天性のものではなくって、天分を努力と理論で磨き上げた文章って感じがします。その文学に対する彼のあり方みたいなものが、音楽に対する姿勢にも十分に現れているように思いました。
もう少しクラシックに親しんでから、再読してみたい。

◆魔性の子 (小野 不由美)
これは新潮の100冊にはエントリーされていないのですが、十二国記の前編にあたる作品のようなので読んでみました。
独特の世界に引き込まれて、1日で一気読みでした。


◆世界から猫が消えたなら (川村 元気)(小学館文庫)

表紙と題名に惹かれて購入。
死が現実のものとなった時に初めて気づくことがある、私も若くはないので言わんとしていることはわかります。
突然の死の宣告と悪魔、そしてその悪魔が提示する猪突な条件、なんか、うーん、無理矢理感があって、今ひとつ作品に入り込めませんでした。

◆天使の卵―エンジェルス・エッグ (村上 由佳)(集英社文庫)
ひねりのない、ベタな恋愛小説でした。まあ、良い意味で。

◆星の王子さま(アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ )(集英社文庫)
集英社文庫のものを再読。
前回読んだときはあまり何とも思わなかったので、今回は「ナチスドイツに占領された母国フランスにいるユダヤ人の親友にささげた本」であるということを意識して読んでみました。
ヒツジ、バオバブ、花、王様、うぬぼれ男、酒飲み、ビジネスマン、点灯夫、キツネとの出会いは、そして何より王子さま自身は、いったい何のメタファなんだろうと思いながら読むと、前回よりは少しだけこの小説の意図するところが分かったような気がしました。

◆池上彰と考える、仏教って何ですか?
宗教というものは、本来は、よりよく生きるためのもの、精神生活を豊かにするためのもので、日本の仏教も本来はそうであったはず。
それが単に葬送の儀式のためのものに成り下がっているのが現実。
日本人が無宗教と言われてしまうのは、宗教法人として優遇されながらもその役割を果たしていないお寺に問題があるのではないか。
仏教の本質を池上流に非常にわかりやすく解説してくれている良著、でもわかりやすい分、中身も薄い。

◆なれる!SE (12) アーリー?リタイアメント(夏海 公司) (電撃文庫)

この本も早12巻か。
今回はヒロイン室見立華さんの怒涛の伏線回収回。
良家のお嬢様とは思っていたが、まさか高校生だったとは、、、
段々桜坂くんのハーレム展開になってきました。
映像化、されないのかなー、楽しみにしてるんだけど。


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