まずはミステリーが5冊。
◆ストロベリーナイト(誉田 哲也)
昔、竹内結子主演でTVドラマになったやつが、今二階堂ふみでリメイクされて放映中。電子書籍が期間限定ディスカウントになっていたのでつい購入。うーん、こんなにエグイ話だったのか。
◆インド倶楽部の謎 (有栖川 有栖)
火村&アリスシリーズは「鍵のかかった男」「狩人の悪夢」に続き3作目。インド倶楽部という、前世がインドで仲間同士だったことを信じている人たちのクローズドサークル内で起きる連続殺人事件。本格ミステリっぽいひねりはあまりない。奇異な殺害の動機だけが読みどころ。
◆昨日がなければ明日もない(宮部 みゆき)
TVドラマになった(小泉浩太郎さんはまり役)杉村三郎シリーズ最新作、このシリーズはずっと追っかけている。悪役キャラとしては「名もなき毒」の原田いずみが強烈だったが、本作の朽田美姫も相当に強烈。前作より本当に探偵になってしまった杉村三郎が、普通に常識ある人のスタンスで毒女と接し、探偵と言うよりも、事件が落ちるところに落ち着くお手伝いをするのだが、その善人寄りの観察眼による描写がなんとも心地よい。とはいえ、聞き込みのやり方など、杉村さんも段々と探偵らしくなってきた。
◆凍てつく太陽(葉真中 顕)
大東亜戦争末期、アジアの盟主を自認し欧米の支配に立ち向かう日本は、アイヌや台湾、朝鮮の人々をも天皇陛下の臣民と言うが、一方で民族の多様性を認めない傲慢さや差別意識があり、天皇の下の平等は欺瞞、偽善を孕んだものだった。被差別民であるアイヌの血を引く特高刑事・日崎は無実の罪で終身刑となるが、刑務所を脱走し、軍事機密「カンナカムイ」に潜む大きな陰謀に立ち向かう。
虐げられた人が、自らの大義を忘れ、打算と私利私欲に奔るエリート軍部官僚のたくらみを挫く。舞台装置は重たいが、実に痛快で良質な歴史エンタメ。
◆雪の階 (奥泉 光)
二・二六事件を題材にした歴史ロマンかと思い読んでみたら普通にミステリー。しかし実に緻密でよくできた、奇想天外なミステリーで、大いに満足。探偵役でヒロイン、特権階級のお嬢様の笹宮惟佐子のキャラが、常軌を逸しているというか、善悪を超越しているというか、最後の兄に対するやり口も大胆ですごい。相棒のお相手さん、千代子が常識的なのがこれまた面白く、ほっとする。
歴史小説が2冊。
◆清須会議 (三谷 幸喜)
明智光秀のクーデターの戦後処理会議であり、その後の歴史を決定づけた清須会議、その模様を面白おかしく、さもありなんと描いた傑作。時は未だ戦国、合議制や凡庸な大将では天下を収めることができないので、この結果は必然。
秀吉は、自分がやったことをそのまま家康にやられたわけで、因果応報というか、世の習いというか、ですなあ。
◆炯眼に候(木下 昌輝)
織田信長は全部お見通しのスーパースターであることを前提にした短編連作。木下さん独特のアクはやや弱め。
今川義元の首の話は、ミステリー仕立てでなかなか面白い。鉄砲や鉄甲船の話はさすがにそこまで?って感じ。本能寺の変の信長の首はねー、火をかけたので判別がつかないくらい焼けちゃったのかなと思っていたのだけどどうなんだろう。
その他小説いろいろ5冊
◆さざなみのよる(木皿 泉)
真っすぐに、自然体で生きた中年女性の死、その影響が、身内から、次第に友人、同僚の話に広がっていく。人間って互いに影響しあって生きている。自分も周囲にプラスの影響を与えられるような、死後にそう思ってもらえるような人生を生きたいと思う。
本屋大賞ノミネート作品、ま、大賞を取るようなタイプの作品ではないけど、ほのぼの良い話でした。
◆私の家では何も起こらない (恩田 陸)
丘の上の洋館で、実際にあった数々の事件、そして実際に起きる様々な怪異現象。ベタの少ない少女漫画のようなタッチで描かれた怪異譚は、子供時代の都市伝説的な思い出を回帰させる。
わかりにくさやなんでもありは薄れた記憶さながら。じっくり読む必要もないかなと思い、さっと読み飛ばした。
◆下町ロケット ゴースト(池井戸 潤)
いつもながらの勧善懲悪、正義の味方がワルを懲らしめる、日本人好みのビジネスもの。TVドラマ視聴済み、続編のヤタガラスを先に読んでしまったのだが、それでも面白いお約束のストーリーを安心して楽しみました。
◆山の音 (川端 康成)
川端康成というと「雪国」「伊豆の踊子」の印象が強いが、他の作品もなかなかで、さすがノーベル文学賞。
これは晩年の作品ですよね。時代は違えど信吾と似たような年代なので共感が半端なかった。思い通りにならない家族と自らの老い。突然ネクタイが結べなくなるとか、ぞっとする。淫夢の中の自分が若かったり、独身だったりというのもこれまた実感。忘れられない初恋の相手が妻の姉だったり、息子の嫁に対する淡い恋心が健気で切ない。
◆万引き家族(是枝 裕和)
映画は旅行の機内で見た。血のつながりのない、底辺で生きる人が一つ屋根の下に暮らす、その絆は偽善なのか、本物なのか。
是枝監督自らのノベライズ、僭越ながら、なかなか書けているじゃないですか。映画のキャストで脳内変換しながら読んだが、映画が補強されました。
海水浴での初枝のつぶやき、あれ樹木希林さんのアドリブだったんですね。それが小説にまで反映されるとは。。。
◆安彦良和の戦争と平和-ガンダム、マンガ、日本 (杉田 俊介)
NHKで「ガンダム THE ORIGIN」を視聴中なので、思わず手に取った本。前半がガンダムの話、後半は安彦さんの他の漫画作品について。安彦さんがこんなに漫画を描いているとは知らなかった、漫画は未読なのでこの部分は流し読み。安彦史観とでもいうべきものに触れた。
◆おもしろい! 進化のふしぎ ざんねんないきもの事典(今泉 忠明)
続々、続と読む順番が逆になってしまったが、これでシリーズ3冊読了。うんこネタが多い等、子供に興味を持ってもらえるようなネタを集めながら、さりげなく生物の進化の仕組みを刷り込む、子供に生物への興味を持たせるべく書かれた良書。大人も楽しんで読めました。
◆ブラタモリ 18 秩父 長瀞 大宮 室蘭 洞爺湖 宮崎
秩父三十四か所札所巡りを結願してしまうくらい、「あの花」の聖地巡礼もしてしまうくらい秩父好きの私、当然「秩父」「長瀞」の回は楽しみにTV視聴した。
昭和新山、中学生の時に行ったが、当時はまだ立ち入り禁止でもなく、木も生えていなくて、山肌に煙たなびく、低いながらも威容を誇る山だった。都内の氷川神社を巡っているのだが、大宮にある一宮はまだ行っていないなー、行かなきゃ。
◆ストロベリーナイト(誉田 哲也)
昔、竹内結子主演でTVドラマになったやつが、今二階堂ふみでリメイクされて放映中。電子書籍が期間限定ディスカウントになっていたのでつい購入。うーん、こんなにエグイ話だったのか。
◆インド倶楽部の謎 (有栖川 有栖)
火村&アリスシリーズは「鍵のかかった男」「狩人の悪夢」に続き3作目。インド倶楽部という、前世がインドで仲間同士だったことを信じている人たちのクローズドサークル内で起きる連続殺人事件。本格ミステリっぽいひねりはあまりない。奇異な殺害の動機だけが読みどころ。
◆昨日がなければ明日もない(宮部 みゆき)
TVドラマになった(小泉浩太郎さんはまり役)杉村三郎シリーズ最新作、このシリーズはずっと追っかけている。悪役キャラとしては「名もなき毒」の原田いずみが強烈だったが、本作の朽田美姫も相当に強烈。前作より本当に探偵になってしまった杉村三郎が、普通に常識ある人のスタンスで毒女と接し、探偵と言うよりも、事件が落ちるところに落ち着くお手伝いをするのだが、その善人寄りの観察眼による描写がなんとも心地よい。とはいえ、聞き込みのやり方など、杉村さんも段々と探偵らしくなってきた。
◆凍てつく太陽(葉真中 顕)
大東亜戦争末期、アジアの盟主を自認し欧米の支配に立ち向かう日本は、アイヌや台湾、朝鮮の人々をも天皇陛下の臣民と言うが、一方で民族の多様性を認めない傲慢さや差別意識があり、天皇の下の平等は欺瞞、偽善を孕んだものだった。被差別民であるアイヌの血を引く特高刑事・日崎は無実の罪で終身刑となるが、刑務所を脱走し、軍事機密「カンナカムイ」に潜む大きな陰謀に立ち向かう。
虐げられた人が、自らの大義を忘れ、打算と私利私欲に奔るエリート軍部官僚のたくらみを挫く。舞台装置は重たいが、実に痛快で良質な歴史エンタメ。
◆雪の階 (奥泉 光)
二・二六事件を題材にした歴史ロマンかと思い読んでみたら普通にミステリー。しかし実に緻密でよくできた、奇想天外なミステリーで、大いに満足。探偵役でヒロイン、特権階級のお嬢様の笹宮惟佐子のキャラが、常軌を逸しているというか、善悪を超越しているというか、最後の兄に対するやり口も大胆ですごい。相棒のお相手さん、千代子が常識的なのがこれまた面白く、ほっとする。
歴史小説が2冊。
◆清須会議 (三谷 幸喜)
明智光秀のクーデターの戦後処理会議であり、その後の歴史を決定づけた清須会議、その模様を面白おかしく、さもありなんと描いた傑作。時は未だ戦国、合議制や凡庸な大将では天下を収めることができないので、この結果は必然。
秀吉は、自分がやったことをそのまま家康にやられたわけで、因果応報というか、世の習いというか、ですなあ。
◆炯眼に候(木下 昌輝)
織田信長は全部お見通しのスーパースターであることを前提にした短編連作。木下さん独特のアクはやや弱め。
今川義元の首の話は、ミステリー仕立てでなかなか面白い。鉄砲や鉄甲船の話はさすがにそこまで?って感じ。本能寺の変の信長の首はねー、火をかけたので判別がつかないくらい焼けちゃったのかなと思っていたのだけどどうなんだろう。
その他小説いろいろ5冊
◆さざなみのよる(木皿 泉)
真っすぐに、自然体で生きた中年女性の死、その影響が、身内から、次第に友人、同僚の話に広がっていく。人間って互いに影響しあって生きている。自分も周囲にプラスの影響を与えられるような、死後にそう思ってもらえるような人生を生きたいと思う。
本屋大賞ノミネート作品、ま、大賞を取るようなタイプの作品ではないけど、ほのぼの良い話でした。
◆私の家では何も起こらない (恩田 陸)
丘の上の洋館で、実際にあった数々の事件、そして実際に起きる様々な怪異現象。ベタの少ない少女漫画のようなタッチで描かれた怪異譚は、子供時代の都市伝説的な思い出を回帰させる。
わかりにくさやなんでもありは薄れた記憶さながら。じっくり読む必要もないかなと思い、さっと読み飛ばした。
◆下町ロケット ゴースト(池井戸 潤)
いつもながらの勧善懲悪、正義の味方がワルを懲らしめる、日本人好みのビジネスもの。TVドラマ視聴済み、続編のヤタガラスを先に読んでしまったのだが、それでも面白いお約束のストーリーを安心して楽しみました。
◆山の音 (川端 康成)
川端康成というと「雪国」「伊豆の踊子」の印象が強いが、他の作品もなかなかで、さすがノーベル文学賞。
これは晩年の作品ですよね。時代は違えど信吾と似たような年代なので共感が半端なかった。思い通りにならない家族と自らの老い。突然ネクタイが結べなくなるとか、ぞっとする。淫夢の中の自分が若かったり、独身だったりというのもこれまた実感。忘れられない初恋の相手が妻の姉だったり、息子の嫁に対する淡い恋心が健気で切ない。
◆万引き家族(是枝 裕和)
映画は旅行の機内で見た。血のつながりのない、底辺で生きる人が一つ屋根の下に暮らす、その絆は偽善なのか、本物なのか。
是枝監督自らのノベライズ、僭越ながら、なかなか書けているじゃないですか。映画のキャストで脳内変換しながら読んだが、映画が補強されました。
海水浴での初枝のつぶやき、あれ樹木希林さんのアドリブだったんですね。それが小説にまで反映されるとは。。。
◆安彦良和の戦争と平和-ガンダム、マンガ、日本 (杉田 俊介)
NHKで「ガンダム THE ORIGIN」を視聴中なので、思わず手に取った本。前半がガンダムの話、後半は安彦さんの他の漫画作品について。安彦さんがこんなに漫画を描いているとは知らなかった、漫画は未読なのでこの部分は流し読み。安彦史観とでもいうべきものに触れた。
◆おもしろい! 進化のふしぎ ざんねんないきもの事典(今泉 忠明)
続々、続と読む順番が逆になってしまったが、これでシリーズ3冊読了。うんこネタが多い等、子供に興味を持ってもらえるようなネタを集めながら、さりげなく生物の進化の仕組みを刷り込む、子供に生物への興味を持たせるべく書かれた良書。大人も楽しんで読めました。
◆ブラタモリ 18 秩父 長瀞 大宮 室蘭 洞爺湖 宮崎
秩父三十四か所札所巡りを結願してしまうくらい、「あの花」の聖地巡礼もしてしまうくらい秩父好きの私、当然「秩父」「長瀞」の回は楽しみにTV視聴した。
昭和新山、中学生の時に行ったが、当時はまだ立ち入り禁止でもなく、木も生えていなくて、山肌に煙たなびく、低いながらも威容を誇る山だった。都内の氷川神社を巡っているのだが、大宮にある一宮はまだ行っていないなー、行かなきゃ。
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