ブラスカル

元マラソンランナーですが、今や加齢と故障でお散歩専門、ブラタモリっぽく街歩きをしています。

米国のゲキリン

2013-05-29 23:37:16 | 政治経済
私は、従軍慰安婦発言に対する米国の反発は、安倍さんの憲法改正発言に対する米国のけん制と同じ根っこだと思っています。
一神教的な絶対的価値観、みたいなもの。

中学校の時の社会科の先生がそっち系で、日本国憲法の前文を暗唱させられました。
その反動か、私は今でも日本国憲法、とりわけその前文が好きではありません。
中学生が暗唱できるくらいですから、そんなに長い文章ではない。以下、引用します。

『日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたって自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によって再び戦争の惨禍が起ることのないようにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであって、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基づくものである。われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。
日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであって、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めている国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思う。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。
われらは、いずれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであって、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従うことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる。
日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓う。』

まず、日本語として悪文ですよね。英語を直訳したのが丸わかりです。
「日本国民は」を「○○国民は」に替えれば、世界中どこの国でも使えます。要はプロトタイプ、ひな型をそのまま使ったということ。
内容的にも、「人権と民主主義を守る」ことと、「世界の平和と秩序を守ることに国際貢献する」、ほぼこの2点に集約されます。
一部の右翼の方のように「日本を武装解除するために進駐軍が押し付けた憲法」とまでは言いませんが、ライフスタイルやビジネスモデル同様、米国が輸出したものが、結果として日本にとって悪いものでなかったので、そのまま今日に至ったのだとは思います。

憲法は普通の法律とは違う。民法や刑法は国民が守るものですが、憲法は国が守るもの、国のカタチを決めるものです。
前文はその顔の部分に当たります。
人権も民主主義も世界平和への貢献も確かに大事だけど、だからといって国のありようについて、自分の頭で考えずに、ひな型として輸入したものをそのまま使い続けるのは惰性、怠慢、プライドなしだと思います。
豊かな海に囲まれ、温暖な四季と美しい自然を持つ我が国、そんな風土と悠久の歴史、独自の宗教観の中ではぐくまれた文化、伝統。日本の国のカタチは、そういったものに根差した、日本人としてのアイデンティティを感じさせるものであるべきです。

私は、こと前文に関しては、一から作り直すべきと思っています。
それこそ、従軍慰安婦どころではない、米国の逆鱗に触れること間違いなしでしょうけど。
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