昨日から何度も聴いた『Joy of Bach』。
ラスト以外の曲についてもちょっと。
とかく短調に偏りがちな前奏曲とフーガだけど、2曲の長調BWV550と
532が、屈託無い澄み切った明るい表現でとても素敵。
有名なト短調のフーガはテーマの弾き方が自然。
頑張って個性的に弾こうと思って、2小節目3拍目の8分音符をヘンな
アーティキュレーションで弾くヒトが少なくないので、これはイイ。
これだけ、泣ける小フーガも珍しいのでは。
BWV1027aのトリオは、私が人前で初めて演奏した曲で、あまり録音が
ないので、とても嬉しい。
ヴィヴァルディの調和の幻想を編曲したBWV596は、これまで意外に
イイ録音がなかったので、これまた嬉しい。
神秘的と言ってもイイはじめの楽章は特に出色。
トリオソナタが超難曲な様に、右手、左手、足が独立しているので大変
なのかも。
最後に書きたいのが録音。
BISの技師が携わったということで、雰囲気は抜群。
パイプオルガンというのは、送風音等のホワイトノイズが伴うのが常で
難しいところだけど、曲間にはそのホワイトノイズもしっかり録られて
いて、特に最後の曲が終わった後、30秒以上も録音されているのは
感動的。
堪能しました。
日本人でこんな奏者が出てきてくれて本当に嬉しい。
やっぱ、なんだかんだ言っても、オレはバッハ命のヒトなんだね。
もう一枚リリースされている中田さんのCDは、しばらく時間を置いてから
買おう。