魚売りのおばあさんが久しぶりに来た。
聞けば、このところ不良続きで売るほど魚が獲れなかったらしい。
今日の売り物は、小さなアジオンリーであまり購買意欲が湧かなかったが、『フライにしたら
絶対に美味いから』と何度も強調するので、購入後早速料理してみた。
アジはさすが獲れたてで、まだ硬直していて、ハラワタも臭みがない。
魚を下ろすのは下手な方ではないが、小さなアジを10匹以上三枚に下ろすのは、ちょっと
面倒くさい。
出来上がったフライは、レモンをかけて食べると身がフカフカで、あっというまにお腹に
収まってしまった。
アジフライが嫌いだったという妻も、喜んで食べていた。
おばあさんが言っていた、『獲れたてを作った人だけが食べられる特権よ』というのがまさに
実感されたおいしさであった。