今朝、チェーンソーの音が辺りを切り裂くように唸りをあげていたのは、枝垂桜を切り倒し、運びやすいように裁断していたからだ。
毎年美しい花で、私たちを楽しませてくれた枝垂桜が、逝ってしまった。
いや、正確には、今年の花が終わってまもなくに、突然枯死していたのだが。
その原因は、よくわかっていない。
病気でもあったし、虫もついていたけれども、まさか枯れてしまうほどではなかったように思う。
偶然であろうが、同時期に我が家の杉も二本枯れ、桜の樹からどちらも離れていて、除草剤などの薬害でもない。
命は、なんとあっけないものなのであろうか。
来年もまた当たり前のように咲いてくれると思っていたのは、大間違いだった。
そういえば、毎年この枝垂桜を写真に収めるとき、まじないのように心の中でつぶやきながらシャッターを切っていた。
「同じ桜の樹の花だけれど、この瞬間の美しさは今しかない。去年とも来年とも違うのだ。」
そうは思っていても、現実に失ってしまうと、なんとやりきれない寂しさがあるのもなのだろう。
桜も猫も、もう此処にはない。
ましてや大切に思う人であったなら、どれほどの悲しみが私を襲うのか。
流れ星の、消えるとわかっている最後の煌きに凄まじいほどの美しさが凝縮されていることを、私はよく知っている。
遠い宇宙にある星の瞬きが、私の網膜に届くときに、もうそれは存在しないかもしれないと考えると、その光は特別なものに昇華する。
存在が失われる、それが存在の重要性を裏付けるとは、なんとも皮肉に満ちた真理ではないか。
だからこそ、いま在るものを愛おしまなくてはいけないのだろう。
逝ってしまった枝垂桜よ、いままで見事な花をありがとう。
毎年美しい花で、私たちを楽しませてくれた枝垂桜が、逝ってしまった。
いや、正確には、今年の花が終わってまもなくに、突然枯死していたのだが。
その原因は、よくわかっていない。
病気でもあったし、虫もついていたけれども、まさか枯れてしまうほどではなかったように思う。
偶然であろうが、同時期に我が家の杉も二本枯れ、桜の樹からどちらも離れていて、除草剤などの薬害でもない。
命は、なんとあっけないものなのであろうか。
来年もまた当たり前のように咲いてくれると思っていたのは、大間違いだった。
そういえば、毎年この枝垂桜を写真に収めるとき、まじないのように心の中でつぶやきながらシャッターを切っていた。
「同じ桜の樹の花だけれど、この瞬間の美しさは今しかない。去年とも来年とも違うのだ。」
そうは思っていても、現実に失ってしまうと、なんとやりきれない寂しさがあるのもなのだろう。
桜も猫も、もう此処にはない。
ましてや大切に思う人であったなら、どれほどの悲しみが私を襲うのか。
流れ星の、消えるとわかっている最後の煌きに凄まじいほどの美しさが凝縮されていることを、私はよく知っている。
遠い宇宙にある星の瞬きが、私の網膜に届くときに、もうそれは存在しないかもしれないと考えると、その光は特別なものに昇華する。
存在が失われる、それが存在の重要性を裏付けるとは、なんとも皮肉に満ちた真理ではないか。
だからこそ、いま在るものを愛おしまなくてはいけないのだろう。
逝ってしまった枝垂桜よ、いままで見事な花をありがとう。