
6月のラボ便り
皆様、こんにちは。
今回のラボ便りは「受精卵の培養」についてご説明致します。
体外受精では、
精子と卵子を出会わせ、
受精した後に、
2日~5日受精卵を育て、
それぞれにグレードを付け(評価し)凍結保存しています。
2、3日育てた状態(初期胚)で凍結するものと、
5日目まで育てた状態(胚盤胞)で凍結する場合の2パターンの凍結があります。
長期培養することで、受精卵自体の質が変わるということではありません。
妊娠する受精卵は初期胚で移植しても、胚盤胞で移植しても妊娠します。
培養を行うことで、染色体異常がなくなる訳ではないのです。
一般的に初期胚よりも胚盤胞の方が妊娠率が高いと言われておりますが、
これは、初期胚から胚盤胞までの培養で、
染色体異常を持つ受精卵が淘汰されるためです。
染色体異常を持つ受精卵は胚盤胞まで育つことができません。
初期胚の移植をした群と胚盤胞の移植をした群を比べれば、
胚盤胞の移植の方が妊娠に至っていることが多いということになります。
より妊娠の確率が高い卵を選別できるのが、胚盤胞移植のメリットです。
一方、初期胚での移植にもメリットはあります。
インキュベーター(受精卵が育つ培養庫)の中で過ごす期間が短くなるというメリットです。
培養技術の発展により、インキュベーター内の環境と母体内は環境は同等です。
とはいえ、母体と比べどちらが良いかは、
実際のところ、
同じ受精卵で比べることができないので、わからないことでもあります。
”お母さんのお腹の中に勝るものはない!”と考えるならば、
体外での培養期間が短い事が、初期胚移植のメリットと言えます。
また、初期胚・胚盤胞それぞれの時期にグレードを付け、凍結保存しています。
受精卵の発育状況を表すグレードは妊娠のしやすさを表すものではありますが、
出生児の身体発育や先天性異常には影響しないと言われています。
グレードの低い受精卵で妊娠したからと言って、
お子さんの先天性異常の確率が上がるということではありません。
また、年齢と共に取れる卵の数は減り、質は落ちて行きます。
妊娠という結果を得るためにも、
体外受精へのステップアップが遅かったという事がないよう、
治療方針を考えて行きましょう!

とくおかラボスタッフより
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