6月のラボ便り
皆様こんにちは!
6月のラボ便りは「人工授精(AIH)」についてです。
「人工授精(AIH)」とは、
採取した精液を洗浄・濃縮し、子宮内へ注入することをいいます。
「人工」という名前が付きますが、
精子の注入後は『自然の場合と何ら変わりはありません』。
自然妊娠の範疇と思って頂いて構いません。
では、なぜ、
射出された精液をそのまま子宮内に注入せず、
精子調整を行う必要があるのでしょう。
採取したままの精液には、
既に死んでしまっている精子や、雑菌・白血球が混ざっています。
そのままを子宮内に注入したら、感染を起こしてしまいます。
それらを取り除き、良い精子(=運動性の高い精子、形の良い精子)を選別するために、
精液の洗浄・濃縮を行っています。
まず、試験管内で精液を特殊な調整液の上に重ねて遠心分離を行います。
すると、死んでいる精子や雑菌が上部に、良い精子が下部に集まります。
この試験管の下に集まった良い精子を回収して、子宮へと注入していきます。
子宮へと注入された精子は、精子自身の力で卵管へと進んでいきます。
その中でも卵子の元まで辿り着いたより良い精子が受精に至ります。
妊娠に至らないような精子は自然に淘汰されます。
したがって、精液の洗浄・濃縮を行うことで、
自然妊娠と比べて胎児の先天性異常が起こりやすくなることはありません。
精子が頸管粘液を通過できていない場合や運動精子の数が少ない場合には、
「人工授精(AIH)」は大変有効となってきます。
何かご不明な点がございましたら、お気軽にスタッフまでお声掛けください。