7月のラボ便り
皆様、こんにちは。
ジメジメと雨が降る日が続いていますね。
梅雨明けが待ち遠しいです!
今回のラボ便りでは、奇形精子についてお話しします。
奇形精子とは、その名前の通り、形が正常でない精子を指します。
精子はおたまじゃくしのような形をしていて、
大きく分けると頭部・頸部・中部・尾部の4部分で成っています。
頭部には、DNAが含まれています。
DNAとは、男性の遺伝情報が含まれたとても大切なものです。
正常な精子の頭部はタマゴ型をしています。
頭部の形が大き過ぎる、小さ過ぎる、細長い、丸過ぎる、空胞(穴のようなもの)があるものは、
奇形精子です。
奇形精子は、DNAが損傷している=妊娠に至らない場合が多いのです。
また、形の異常は、頭部だけに起こるわけではありません。
例えば、中部に大きな細胞が付着しているものや、尾部が折れ曲がっているもの、
一つの頭部に尾部が二本くっ付いているものも奇形精子です。
奇形精子が全くいないという方はいらっしゃいませんが、
奇形精子の数が基準値よりも常に多い場合があります。
その場合奇形精子症と診断され、不妊の原因となります。
奇形精子の数が多い場合は、卵子の元までたどり着ける良い精子が少ないので、
タイミング治療や人工授精での妊娠が難しいことがあります。
そこで、体外受精(顕微授精)を行う事で、妊娠の可能性が高くなります。
奇形精子の割合が非常に高い方であっても、
顕微授精によって良い精子を見つけ、卵子に入れる事が出来れば、
受精卵を得られる=妊娠に至る可能性が上がります。
奇形精子が多いという結果が出た場合は、
精子の数や運動率等の他の数値も考慮した上で、
治療のステップアップを考えていかれることをおすすめします。
何かご不明な点がございましたら、スタッフまでご相談下さい。