とくおかレディースクリニック~ブログ~

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どうか宜しくお付き合い下さい。

6月のラボ便り

2021年06月04日 | ラボ便り

6月のラボ便り

皆様、こんにちは。

日に日に暑さが増してきましたね!

今回のラボ便りでは、卵子の老化についてお話しします。

卵子はお母さんのお腹の中にいる時期に作られ始めます。
妊娠5〜6ヶ月ごろに数のピークを迎え、その後減少し続けます。

卵子は新しく作られることがないため、年齢があがるとともに数は減少し、卵子自身も老化していきます。

卵子の老化によって以下のことが起こります。

①染色体異常
人の細胞には、染色体という遺伝情報が入ったものがあります。
染色体は、同じ長さのものが2本で一組になっており、一つの細胞につき23組46本入っています。
一方卵子や精子は、その半分の23本の染色体を持っています。
受精が起こると卵子・精子それぞれの同じ長さの染色体が対になり、23組46本になります。
卵子や精子の元となる細胞は、23組46本の染色体を持っているため、
卵子や精子になる過程で染色体を半分にする細胞分裂を行います。
この細胞分裂を減数分裂といいます。

卵子は減数分裂が途中で停止している状態で存在しています。
そして排卵の時にこの減数分裂を再開します。
細胞分裂が止まっている期間が長ければ長くなるほど、染色体が均等に分かれにくくなり、
染色体異常を持った卵子が多くなるのです。

染色体異常を持った卵子は受精しても染色体の数が通常よりも多いもしくは少ないため、
成長が途中で止まってしまったり、着床しても途中で成長が止まる(流産する)原因にもなります。

②ミトコンドリア
卵子にはミトコンドリアと呼ばれる、卵子のエネルギー源となる物質を産生するものが存在します。
このミトコンドリアは加齢とともに機能が衰え、十分なエネルギーが作れなくなります。
その結果卵子の細胞機能が低下します。

そしてこの卵子の老化の原因と言われているのが「活性酸素」です。

活性酸素とは、周りの細胞を酸化させる力が強くなった酸素のことで、
細胞伝達物質や免疫機能としての役割があります。
しかし過剰に発生しすぎると正常な細胞まで攻撃して(酸化させて)しまいます。

活性酸素により染色体上のDNAが損傷を受けたり、ミトコンドリアの機能が低下したりします。

活性酸素を発生させる原因として以下のものが挙げられます。
・加齢
・ストレス
・喫煙
・過量のアルコール摂取
・睡眠不足
・紫外線

反対に、活性酸素の過剰な発生を防ぐには
・規則正しい生活
・適度な有酸素運動
・ビタミンCやビタミンE、カロテンやポリフェノール、亜鉛などの抗酸化成分を、
 食事やサプリで摂取するなどが良いとされています。

生活習慣を見直し、適度な運動をすることで卵子の老化スピードが早まる事を防止できます。

しかし、完全に卵子の老化を防止することは出来ないため、早め早めの妊娠を考えていくことが大切です。

何かご不明点がございましたら、スタッフまでお声がけください。

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