
3月のラボ便り その2
顕微授精では、細い針を透明帯を貫通させて刺し、
細胞質内に精子を直接入れるため、
「透明帯形態異常」があっても、受精率には大きく影響しないとされています。
また、透明帯が厚すぎる・硬すぎるなどの異常がある場合、
胚が透明帯から脱出できないことで、着床率が下がることがあります。
こちらに関しては、
胚移植前にアシステッドハッチングを行って、
透明帯に切り込みを入れて脱出しやすくすることで、
解消することができます。
「透明帯形態異常」が起こる理由は、はっきりと分かってはおりません。
同じ患者様であっても、
全ての卵子が透明帯に異常を持つわけではありません。
また、透明帯に異常がある卵子でも、絶対受精しないというわけでは無く、
また、受精したのちに良いグレードの胚になる可能性は十分にあります。
透明帯は、胚が着床する際には脱ぎ捨てられて、不要になります。
従って、着床=ご妊娠されたのちは、
透明帯の異常が妊娠経過や胎児に何か影響を及ぼすということはありませんので、ご安心下さい。