昨晩のバラエティー番組に、
二代目市川亀治郎改め、四代目市川猿之助を襲名された市川猿之助さんがご出演でした。
そのコメントを拝聴するにつれ、
やはり伝統が続く歌舞伎の世界に妥協はないのだなと実感致しました。
厳しい世界です。
その厳しい慣習が続くからこそ、誇り高い伝統芸術が続いていくのだと思います。
「歌舞伎は、基本、誉める事はしない。出来て当たり前。」
「出来なかったら、別の仕事にまわすしかない。」
(役者じゃなく、裏仕事という事になるのでしょうかね?
そこで、努力して、復帰も可能という事になるのでしょうかね?)
「そこでも出来なかったら、また次の仕事にまわす。
いろいろな仕事を与えても全然出来なかったら、はい、さようならとなるしかない。」
「その仕事に向いているかどうかを早く見極めてあげる事が、その人の為。」
というお言葉もございました。
歌舞伎俳優のお家に生まれれば、
幼い頃から訓練を受けて、子役として舞台に立ちながら芸を習得出来ますが、
一般ご家庭のお子様が歌舞伎俳優になる為には、
お弟子さんになるか養成学校に入学して勉学修行を受けて、卒業後舞台に立つという事になるそうです。
お家での訓練もかなり厳しいし、
養成学校での勉学修行もかなり厳しいという事でした。
その四代目市川猿之助さんの決め言葉が、
「可能性を見極める為に、あらゆる仕事に放り込むべし」
でございました。
どの世界でも、ユーティリティプレイヤー(*)である必要があるという事ですね。
(*)ユーティリティープレーヤー【utility player】
野球・サッカーなどのチームスポーツで、複数のポジションをこなせる選手。
一般社会においては、どんな役割でもこなせる人。
今の時代には大切な事だと思います。
これしか出来ません!では、これから先の時代を泳ぎ切っていく事は厳しいと思うからです。
その後の番組「ソロモン流」には、二代目中村獅童さんがご出演でした。
代々歌舞伎のお家に生まれたにも関わらず、お父様が歌舞伎俳優をやめてしまった為に、
後ろ盾がなくなってしまい、端役や最後尾の列ばかり与えられ、
「君は主役は出来ないよ」とも言われたそうです。
ですから、
舞台にかける中村獅童さんのお言葉は、
「皆が主役!」
「一人が皆の為に!皆が一人の為に!!」でした。
主役だけが輝けば良いってものではないですものね、舞台は。
皆の輝きがあって、最高のパフォーマンスとなるのですものね。
辛い下積み経験があったからこそ、輝きを放つ言葉になるのだと思いました。
逆境にぶつかりながら、挫折やコンプレックスをはねのけて、
多大なる努力を重ねて来られた様子がヒシヒシと伝わってくる仕上がりでした。
成功を手にする為の努力となると何だか空しい限りですが、
自分の魂を磨く為の努力
そして、
本物といわれるものに、少しでも近づく為の努力をしていける人間になりたいものです。
楽を選ぶ人、楽なところにいる人、楽に流れる人は、、、
やはりその道のプロにはなれないのだと思った二つの番組でした。
もっと努力していかないといけませんね・・・。
ーby事務長ー
とくおかレディースクリニック