とくおかレディースクリニック~ブログ~

日々、徒然なるままに、書き込んで参ります。
どうか宜しくお付き合い下さい。

体外受精・顕微授精のお話

2009年07月06日 | Weblog
本日は、『採卵』のお話をさせて頂きます。

体外受精も顕微授精も、まず、ママになりたい女性の身体から”卵子”を取り出さないといけません。
”卵子”を取り出す手術を、採卵手術といいます。

『採卵』は手術室で行います。
当院では、安心して手術に臨めるように、心電図と血圧を測りながら、まず麻酔をかけます。
麻酔が効いてきてから、超音波にて卵胞を確認しつつ、卵巣に向かって針を刺します。
”卵子”はポコポコっと、卵だけが取れるものではありません。
卵胞から、卵胞液をスピッツに吸い出します。所謂、卵胞液の吸引です。
吸引された卵胞液の入ったスピッツは手術室のお隣にある胚培養室=ラボに移ります。
ラボ内にて、胚培養士がその卵胞液を顕微鏡下で見て、”卵子”を探し出します。
それを「検卵」といいます。
"卵子”は’光’に弱いですから、かなりスピーディーにそして確実に”卵子”を探し出さないといけません。
高い能力と技術のいる大変な作業です。

排卵誘発などで卵胞を育ててきたわけですが、全ての卵胞に確実に”卵子”が入っている訳ではありません。
ここにも個人差があります。
年齢が高くなればなるほど、”卵子”の獲得率は下がっていきます。

本日の添付写真は、当院で使用しております「採卵針」です。
これは18ゲージというサイズです。
平均的に18~19ゲージの採卵針使用の施設が多いようです。
太さ&長さが分かりやすいように、右隣にボールペンを置きました。
左側に位置しているのが、採卵針です。

卵巣に向かって、身体に針を刺すわけですから、当然痛みを伴います。
採卵手術では、無麻酔で卵巣に針を刺して”卵子”を取り出す施設・針を刺す処だけ痛みがないようにする局所麻酔(麻酔の針を数箇所に刺していく痛みがありますし、手術中の意識ははっきりとしています)で行う施設・静脈麻酔による全身性の麻酔を使う施設と様々です。
当院では、静脈麻酔による全身性の麻酔で行っております。
8時30分の採卵手術ですが、お昼前にはすっかり麻酔から覚めて帰宅出来ますので、1日入院という事にはなりません。

次回も、続きを書かせて頂きます。

追伸ーこの夏、TBSにてドラマ「官僚たちの夏」が始まりました。
   高度経済成長期へと向かう昭和30年代の日本、舞台は通商産業省。
   夢と勇気と熱意とひたむきな努力・・・素晴らしいパワーを感じました。
   何でも揃ってしまっている現代に、不足してしまっているものを感じました。    

ーby事務長ー
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