大橋むつおのブログ

思いつくままに、日々の思いを。出来た作品のテスト配信などをやっています。

かの世界この世界:158『デミゴッドの墓地・1』

2020-12-10 06:03:53 | 小説5

かの世界この世界:158

『デミゴッドの墓地・1』語り手:ポチ     

 

 

 半神族ってどんななの?

 

 素朴な質問をしたよ。

 シリンダーの変異体であるあたしはモノを知らない。

 1/6の人型妖精に変異してから、ずっと四号戦車の五人といっしょだった。冒険の旅の中に居たので世間というものを知らない。

 素朴すぎるかもと思ったけど、変に知ったかぶりしているよりもいいと思ったから。自分が変異体だというのを言いそびれただけで気持ち悪いもん。

「人と神さまの間に生まれた種族だよ」

「人と神さまの間?」

「その前に、乗り物が必要だな……この魔法石に乗り物のイメージを吹き込んで」

「どこかに行くの?」

「ああ、目標達成のために。とりあえず人里に出なくちゃ」

「うん」

 思いを込めると、魔法石は二号戦車になった。ずっと四号に乗っていたから乗り物と言うと戦車になってしまう。でも、最初から四号だとおっきいから失敗するかもって思ったから。

「こんなのでよかった?」

「無限軌道だから走破性がよさそうだね」

 フェンはチョイチョイと指を動かして二号を自動運転にした。

「運転は苦手だし、話の邪魔になるしね……意外に中は広いね」

 もともとは三人乗りだからね。

「デミゴッドの墓地へ」

 無人の操縦席に命ずるとブルンブルンとエンジンが起動して動き出した。

「お墓に行くの?」

「うん、このまま半神族の中には入れないからね、半神族のソウルを借りに行くんだ」

 よく分からないけど、質問を重ねると話が飛んで行ってしまいそうなので小さく頷いておく。

「神さまと人間はときどき恋をするんだ。異種族同士だけど、時々子どもが生まれる。その生まれた子と、その子孫を半神というんだ。寿命が人より長かったり魔法が使えたりする。半神族同士の結婚を繰り返して行けば神の属性は薄まることがないからね、半神族は半神族としか結婚しない。間違いが起こらないように、半神族は仲間の半神族を見抜く力を持っているんだ、だからね、ソウルを借りに行くんだよ」

 フェンは半神族の歴史と社会の話を面白おかしく話してくれる。オオカミ族の話も聞きたかったけど、いまはフェンのペース。

 途中、半神族と思われる思念が飛び込んでくる。二人の行方を探っている感じ。その都度、フェンは反対魔法を唱えて打ち消す。三回目くらいからは一緒になって反対魔法を唱えているんだからビックリ。わたしは順応性が高いと言うか、どうも流されやすいようだ。

 峠を二つ超えたところで墓地が見えてきた……。

 

☆ ステータス

 HP:20000 MP:400 属性:テル=剣士 ケイト=弓兵・ヒーラー

 持ち物:ポーション・300 マップ:14 金の針:60 福袋 所持金:450000ギル(リポ払い残高0ギル)

 装備:剣士の装備レベル55(トールソード) 弓兵の装備レベル55(トールボウ)

 技: ブリュンヒルデ(ツイントルネード) ケイト(カイナティックアロー) テル(マジックサイト)

 白魔法: ケイト(ケアルラ) 空蝉の術 

 オーバードライブ: ブロンズスプラッシュ(テル) ブロンズヒール(ケイト)  思念爆弾

☆ 主な登場人物

―― かの世界 ――

  テル(寺井光子)    二年生 今度の世界では小早川照姫

 ケイト(小山内健人)  今度の世界の小早川照姫の幼なじみ 異世界のペギーにケイトに変えられる

 ブリュンヒルデ     無辺街道でいっしょになった主神オーディンの娘の姫騎士

 タングリス       トール元帥の副官 タングニョーストと共にラーテの搭乗員 ブリの世話係

 タングニョースト    トール元帥の副官 タングリスと共にラーテの搭乗員 ノルデン鉄橋で辺境警備隊に転属 

 ロキ          ヴァイゼンハオスの孤児

 ポチ          ロキたちが飼っていたシリンダーの幼体 82回目に1/6サイズの人形に擬態

―― この世界 ――

 二宮冴子  二年生   不幸な事故で光子に殺される 回避しようとすれば光子の命が無い

  中臣美空  三年生   セミロングで『かの世部』部長

  志村時美  三年生   ポニテの『かの世部』副部長 

 


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