魔法少女なんかじゃねえぞ これでも悪魔だ 小悪魔だけどな(≧▢≦)!
85『寝ぐせの髪とサムズアップ』
「あ……そうだったんだ(;'∀')」
美優は、目覚めると黒羽のベッドなんで、瞬間とまどいやがる。
夕べは、自分から望んで黒羽の部屋を訪れ、本当の恋人に成っちまいやがった。
にしては……黒羽の姿が無え。
「いつまで寝てんの。英二さんとっくにいっちゃったわよ!」
階下からマダムの声がした。
にしては……黒羽の姿が無え。
「いつまで寝てんの。英二さんとっくにいっちゃったわよ!」
階下からマダムの声がした。
――お母さん、夕べのこと知ってんのかなあ……?――
階下のキッチンに降りると、母が美優のを残して朝食の後かたづけをしていやがる。
「英二さんも、忙しいわねぇ。今朝は、早くから記者会見なんだって?」
「ああ、うん。Pホテルでね。わたしは事務所のスタジオ。予備のコスできてる?」
「お店のカウンターの中に置いといた。でも、今度の新曲は、動き激しいのね、発表前に予備を八着も作るなんて初めてよ」
「なんたって、今度はオモクロとの対決だからね。振り付けの春まゆみさんも熱が入っちゃって、動きが激しいの。対決に勝ったら、ステージ増えるから、もう一揃え予備作るって。大もうけだねローザンヌも」
「そのときは、担当は美優ね。今度の曲は、美優の方が詳しいもの」
「……お母さん」
「世の中、いつ奇跡がおこるかも知れないもの……」
「……うん。わたしも信じてみる。だって、あと一日ちょっとで終わりなんて、ぜんぜん、そんな気しないもん」
「そうよね、快調そのものだもんね」
「……うん」
お互いの目が潤んできたので、美優は大あわてで、トーストにスクランブルエッグを乗っけ、トトロのような大口を開けて、かぶりついた……で、その瞬間を、マダムがスマホで写メったぜ。
「あ、お母さん!」
「うん、美優の自然な感じがとてもいいよ。あとで英二さんに送っとくね!」
「もお~、母子の縁きるよヽ(`Д´)ノ!」
「アハハハハハ(ᵔᗜᵔ*) 」
賑やかにじゃれ合いながら朝食をすませた。こんなふうにじゃれ合えるのも、あと一日……その思いは、ちょうど出勤してきたバイトのサエちゃんに向けた笑顔で忘れっちまいやがる。切り替え方がいじらしいぜ(^▭^;)。
通りに出て気づきやがる。
――お母さん、黒羽さんじゃなく、英二さんて言ったよね……――
マダムには、分かっていたのかもしれねえ。ショ-ウィンドウに映る自分の姿が、なんだか昨日までの自分と違ったような気がした……というか、髪に寝癖がついたままだぞ。
賑やかにじゃれ合いながら朝食をすませた。こんなふうにじゃれ合えるのも、あと一日……その思いは、ちょうど出勤してきたバイトのサエちゃんに向けた笑顔で忘れっちまいやがる。切り替え方がいじらしいぜ(^▭^;)。
通りに出て気づきやがる。
――お母さん、黒羽さんじゃなく、英二さんて言ったよね……――
マダムには、分かっていたのかもしれねえ。ショ-ウィンドウに映る自分の姿が、なんだか昨日までの自分と違ったような気がした……というか、髪に寝癖がついたままだぞ。
「ヤバイ(# ゚Д゚#)!」
あわてて手櫛で整える美優……恥ずかしさと爽やかさが一度にやってきやがった。
事務所に入ると、大柄な外人さんとすれ違いざまにぶつかりそうになった。外人さんは「ゴメンナサイ」とカタコトの日本語で言うと、ウィンクして行っちまいやがる。
若いスタイリストに予備のコスを渡すと、一着多かった。まあ、急な数の変更などしょっちゅう。マダムが数を言い違えたんだだろう。衣装チーフは伝票を確認するとあっさりサインしたんだから、間違いなしだ。
事務所に入ると、大柄な外人さんとすれ違いざまにぶつかりそうになった。外人さんは「ゴメンナサイ」とカタコトの日本語で言うと、ウィンクして行っちまいやがる。
若いスタイリストに予備のコスを渡すと、一着多かった。まあ、急な数の変更などしょっちゅう。マダムが数を言い違えたんだだろう。衣装チーフは伝票を確認するとあっさりサインしたんだから、間違いなしだ。
それから、美優は会長室のモニターでレッスンの様子を見にいったぞ。
今朝は、記者会見のために選抜メンバーはいねえ。研究生のアンダーやつらが春まゆみにしぼられてやがる。アンダー(アンダースタディー=万一の場合にそなえた代役)だけど悪魔みてえに真剣だ。
――わたしも、こんな風に燃焼……そんな時間はもう無い。英二さんとの時間だけを大事にしよう……ああ、だめだめ、ネガティブは――
頭を切り換えると、自然に『コスモストルネード』に合わせてリズムをとりやがる。
「やっぱり、高校生のときにスカウトしとけばよかったな」
いつのまにか、会長が並んで座っていやがる。
「あ、失礼しました!」
「やっぱり、高校生のときにスカウトしとけばよかったな」
いつのまにか、会長が並んで座っていやがる。
「あ、失礼しました!」
「いいよ、いつでも見ていいって言ったのはオレなんだから。しかし、ほんとに美優ちゃん、いけてたよ」
「そんな、わたしなんか、とんでもない!」
「いいや、美優ちゃんは、ミス乃木坂に選ばれたじゃないか」
「文化祭のイベントですよぉ。それも何年も前の話です(^_^;)」
「二年前に準ミス乃木坂に選ばれた坂東はるかは、今や新進気鋭の女優だよ」
「それは、たまたま坂東はるかって子に才能があったからです」
「あの子のディレクターは白羽ってんだけどね、ずいぶん食い下がってモノにしたみたいだ」
「黒羽さんだって……」
「あいつは、せっかくのスターのタマゴを自分一人だけのモノにしやがった」
「え……?」
「なんでも」
会長はルパン三世みてえに肩をすくめやがった。
「あの、スタジオの奥にシートでかけてあるのは、なんですか。無かったですよね、今まで」
「オレのアイデアで、道具ふやしたの。まだ企業秘密」
コンコン
そのとき、会長室をノックして、衣装の篠崎が入ってきやがった。
そのとき、会長室をノックして、衣装の篠崎が入ってきやがった。
「ちょっと、美優ちゃん。衣装のことで」
顔つきが怖い……やっぱり、なにかミスでもあったのだろうかと美優の顔が引き締まる。
――ほう、父親似だと思ってたけど、ちょっとマダムに似てきやがった――
ミツル会長は、腕を組んだまま小さくサムズアップしやがった。
美優は、マダムと相似形の顔になって、楽屋を兼ねた会議室へと向かったぜ……。
美優は、マダムと相似形の顔になって、楽屋を兼ねた会議室へと向かったぜ……。
☆彡 主な登場人物
- マユ 人間界で補習中の小悪魔 聖城学院
- 里依紗 マユの同級生
- 沙耶 マユの同級生
- 知井子 マユの同級生
- 指原 るり子 マユの同級生 意地悪なタカビー
- 雅部 利恵 落ちこぼれ天使
- デーモン マユの先生
- ルシファー 魔王、悪魔学校の校長 サタンと呼ばれることもある
- レミ エルフの王女
- ミファ レミの次の依頼人 他に、ジョルジュ(友だち) ベア(飲み屋の女主人) サンチャゴ(老人の漁師)
- アニマ 異世界の王子(アニマ・モラトミアム・フォン・ゲッチンゲン)
- 白雪姫
- 赤ずきん
- ドロシー
- 西の魔女 ニッシー(ドロシーはニシさんと呼ぶ)
- その他のファンタジーキャラ 狼男 赤ずきん 弱虫ライオン トト かかし ブリキマン ミナカタ
- 黒羽 英二 HIKARIプロのプロデューサー
- 美優 ローザンヌの娘
- 光 ミツル ヒカリプロのフィクサー
- 浅野 拓美 オーディションの受験生
- 大石 クララ オーディションの受験生
- 服部 八重 オーディションの受験生
- 矢藤 絵萌 オーディションの受験生
- 上杉 オモクロのプロディューサー
- 片岡先生 マユたちの英語の先生