「月刊WILL」9月号に掲載されている「日本は何をしているんだ! 米国に指摘された韓国の“闇営業”」(宇田川敬介)を読んで、「えっ、そうだったの!?」と驚いた。そのわけは、例の化学製品3品の輸出管理強化は、“韓国が戦略物資を危険国に横流ししているという米国からの情報に基づくもの”という指摘である。私は“横流し”情報は、日本政府が独自に入手したものと思っていた。
そして、さらに衝撃的な情報は、“韓国がイランから原油を買い、その代金決済を日本から輸入した重要物資と物々交換をしていた”という点。イランが絡んでいるなら、その敵対国であるイスラエルも韓国包囲網の一環を形成しているのか。
要するに、韓国をホワイト国から除外するという措置は米国の要請だった!!(注)
筆者の宇田川氏は、これらの情報をG20の際に、米国の随行員から聞いたというから、この情報にはかなり信憑性がある。(しかし、一介のフリージャーナリストがどうやってG20の会場に入ることができたのか、という疑問がある)
さて、日本政府が韓国の“横流し”情報をどこから得たにせよ、韓国をホワイト国からはずすという措置は、ひとえに安全保障の問題であり、自由貿易の原則に優先されてしかるべきである。しかし、朝日新聞(毎日新聞も大同小異)は、日本政府の措置を「自由貿易という大原則に反する」と批判した。明らかに優先順位を取り違えた、的外れの議論である。
しかも、日本は3品目を韓国に売らないとは言っておらず、横流しされないように厳格に管理すると言っているのだから、韓国はそのように態勢を整えればいいだけの話である。
一方、韓国のマスコミや文大統領は、朝日新聞の批判とまったく同じ論旨で日本を攻撃しており、それが日本品不買運動という頓珍漢な行動を誘発した。
頑固爺は、韓国のマスコミや文大統領の日本批判は朝日の意見を参考にした(もしくは、元気づけられた)と考えている。この推測が正しければ、日本品不買運動は朝日の反日記事に起因することになる。
ところが、31日の朝日新聞は「日韓悪化の一途、なぜ」と他人事(ひとごと)のような態度で、日韓の現状を説明した。朝日は的外れの批判をすることで、日韓の関係悪化に一役買ったことに気づいていないのか(笑)。
では、朝日が不明を詫びる記事を書けば、不買運動は止まるか。それはNOである。いったん爆発したものは、暫くは止まらないと思う。しかし、「はて、われわれは何のために不買運動をやってるのか」という疑問が韓国人に生まれれば、状況は違ってくるのではないか。そのためには、日本のマスコミは韓国の“横流し”問題を大々的に報じるべきである。そうなれば、韓国のマスコミも日本発の情報を無視できないだろう。
韓国のマスコミは韓国に都合の悪い情報は無視する傾向があるが、日本品不買運動に疑問を抱いているマスコミ人も多いはずだ、彼らの良識に期待したい。
(注)ポンペイオ国務長官は日韓にこれ以上深入りしないように求めているというが(本日の産経新聞)、どこに線を引けと言っているのか曖昧である。輸出管理強化をダメだと言っているなら、「米国に指摘された韓国の闇営業」の記事内容と矛盾する。