8月27日の読売新聞に掲載された政治学者のデイビッド・レーニー早大教授のインタービュー記事には驚いた。それは、日米安保条約や安倍首相の歴史認識などの話題に続いて、慰安婦問題を論じている部分である。(下線は頑固爺)
米国では中国系と韓国系が一大コミュニティーを築き、慰安婦を象徴する少女像などの設置も相次いでいる。設置自体はニュースでも何でもないのだが、日本の大使館や領事館が抗議すると、全米的ニュースになる。(球技でいう)日本のオウンゴールだ。
私は韓国の味方でも、日本の味方でもない。対等な距離を保ってこの問題を見ているつもりだが、日本政府の対応は過剰だと感じる。日本の立場を他国に説明するだけでなく、像に献花するなどの対応があれば、日本に対する見方も変わるのではないか。
下線の部分を綜合すると、レーニ―教授は慰安婦像に対する日本政府の取るべき態度を次のように提案していると思われる。
“慰安婦像の設立に抗議するのは誤りで、像に献花するなど、像に敬意を表すべきだ。”
端的に言って、慰安婦とは単なる売春婦にすぎない。しかし、レーニ―氏は慰安婦が日本軍に拉致されたものと思い込んでいるのではないか。そう考えないと、論理が支離滅裂なのである。すなわち、日本軍が拉致してsex slaveにしたのだから、慰安婦像の設立を当然のものと受け止め、人権を蹂躙したことに対して誠意をもって謝罪すべきだ、という趣旨ではないだろうか。
レーニ―氏の専門は「日本の政治」と紹介文に書いてあるが、いままで何を勉強してきたのか。呆れるばかりである。
問題点は、慰安婦が日本軍に拉致されたと思い込んでいるのはレーニ―氏ばかりではなさそうだ、ということである。「拉致された」と思い込んでいる人々から見れば、慰安婦像設立に対する日本政府の抗議は不当だということになるだろう。
したがって、日本政府が慰安婦像の設立に抗議する場合は、“慰安婦は拉致されたのではなく、単なる売春婦である”という真実を明らかにしつつ抗議すべきである。韓国人コミュニティーは当然反発するだろうが、その都度歪曲を正していくことが事態を改善する道である。