つい最近、文在寅大統領が日本を非難する演説の中で、「盗っ人たけだけしい」と言った。この表現は現在の日韓の状況を説明するには適切だとは思えず、原文を知りたいと思っていたところ、毎日新聞(8月7日)にその答えがあった。それは「賊反荷杖(ジョクバンハジャン)」である。
その意味は“泥棒が逆ギレし、あべこべに鞭(むち)を振り上げる様子を表す”である。誰もいないはずの家に忍び込んだ泥棒が、家人に見つかって居直る様を思い浮かべればいい。それが「賊反荷杖」の元々の意味だが、もっと広い意味に使われるようになった。
頑固爺の意訳は次のようになる。
賊には“官軍対賊軍”のごとく、“悪者”の意味もある。朝鮮を併合した日本は悪者で、その悪者が居直るとはとんでもないことだ。日本は過去何度も韓国に謝罪しており、悪者だったことを認めているのだから、永久に被害者の韓国に反抗してはならないのだ。
1900~1910年ごろの朝鮮は自己統治能力を失い、他国の助けがなければ国家を維持できなくなっていた。相手がロシアだったら、反日どころの騒ぎではない。だから、日本は朝鮮併合を謝る筋合いはないのだが、実際には何遍も謝ってしまったのだから仕方がない。“賊”呼ばわりされてもやむをえないのである。
さて、文大統領のスピーチを別の角度から考えてみよう。
韓国(と北朝鮮)が漢字を廃止してから20~30年経つから、50歳以下の韓国人は漢字が読めない。だから、“ジョクハンバジャン”と言われても、それが「賊反荷杖」であることを理解できるのは、50歳以上の人々だけである。つまり、大半の韓国人は「賊反荷杖」の意味がわからないまま、なんとなく「日本を強く非難しているのだろう」という認識なのではないか。
文大統領は大部分の韓国人は漢字由来の熟語を理解できないという前提で、スピーチしなくてはならないのだ。(笑)
ちなみに、韓国(北朝鮮)が漢字廃止の弊害が大きいことを知りつつ、復活できない理由は、日本語由来の熟語が漢字のままでは日本語由来だということがすぐばれるからだという(「韓国が漢字を復活できない理由」豊田有著)。
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