8月30日の産経新聞は、韓国大統領、強く日本批判「歴史を歪曲、報復正当化」という見出しで、韓国の臨時閣議の席上での文在寅大統領の発言を第一面左側トップで報じた。その発言とは次のようである。
● 輸出管理で優遇措置から韓国を除外した件:
「日本は経済報復の理由すら明かさず、根拠なくその都度、言葉を変え、経済報復を正当化しようとしている」
●徴用工問題:
1965年の日韓請求権協定で解決済という日本の立場に対し「一度合意したからといって、全て過ぎ去ったと終わらせることができる問題ではない」「歴史を歪曲する日本政府の態度が被害者の傷と痛みを深くしている」(下線は頑固爺)
●竹島問題:
「日本の帝国主義により最初に犠牲になった。日本は自国領土だと根拠のない主張をしている」
ほかにも「日本は正直ではない」という部分もあった。
この文大統領の発言を大手各紙がどのように報じたか、調べてみた。
読売新聞:第7面の最下段で、小さく報じた。ほとんどの読者は見落としたのではないか。
朝日新聞:まったく報じなかった。
毎日新聞&日本経済新聞:なかほどのページに、ほどほどのサイズで報じた。しかし、下線部分は報じなかった。
一般論として、産経除く各紙は、日本人の嫌韓感を増幅させるような話題はできるだけ矮小化するか、無視して報じない傾向がある。何をニュースとして取り上げ、どのように書くかは各紙の裁量であるが、この文大統領の発言は重要視すべきだったと思う。
特に、下線の部分は“1965年の日韓基本協定を無視する”ということであり、重大な意味がある。産経新聞は翌31日の「産経抄」欄で「韓国とは何らかの合意や条約・協定を結んでも、無意味だということになる。国際社会の一員たる資格はないと、自ら宣言したようなものだ」と批判しているが、その通りである。
大手各紙の改善を期待する。