韓国のGSOMIA破棄に米国は不満の意を表明した。それに対して、韓国政府を支持しているハンギョレ新聞は、8月23日の社説で“米国は日本の輸出管理の優遇措置廃止には何もいわず、韓国のGSOMIA破棄については不満を表明するのは不公平”と主張している。その抜粋は次の通り。なお、下線を施したのは頑固爺である。
「理解できない米国の反応と、居直った日本」
米国がGSOMIAの維持を強く希望してきただけに、このような反応はある程度予期されたものだった。しかし、韓日の対立が最高潮に達するまで、対岸の火事のように手を拱いてきたにもかかわらず、今になって声を荒げる米国の態度には、我々こそが失望させられたと言わざるを得ない。
過去の歴史問題を口実に経済報復措置に乗り出した日本に対しては沈黙を守る一方、対抗措置を取った韓国に対しては不満を露わにするのは、同盟に対する正しい態度とは言えない。米国は今からでも、日本の誤った行動について、批判すべきことは積極的に批判しなければならない。
日本がGSOMIAの終了決定に“居直り”ともいうべき無礼な態度を取ることについても、遺憾を覚える。日本側が韓国政府のGSOMIA終了決定を受け、真夜中にもかかわらず、駐日大使を呼んで抗議したのは常軌を逸するものだ。河野太郎外相が「韓国が極めて否定的で非合理的な行動を続けている」と抗議したのも盗人猛々しい行動と言わざるを得ない。
河野外相の主張こそがそのまま日本に返さなければならない言葉だ。安倍晋三首相が「韓国が韓日請求権協定に違反するなど、国と国との間の信頼関係を損ねる対応を続けている」と述べたのも、日本の経済報復に対する省察の態度が見られない発言という点で、同じ問題を抱えている。日本は、このような居直りの態度が韓日関係を解決するのに役に立っておらず、韓国国民の反感を高めるだけであることを自覚しなければならない。
日本が反発し、米国が抗議する状況だが、韓国政府はこのような時であればあるほど、国民を信じて毅然として対処しなければならない。GSOMIAの終了は日本の誤った行動に対する正当な対応であり、韓国の自尊心を守るために避けられない措置だ。政府は原則を守りながら、韓日関係が相互尊重と互恵の中で発展できる案を模索しなければならない。
【頑固爺所感】
(1) 輸出優遇措置の廃止は日本に裁量権があり、米国が口出しすべきことではない。一方、GSOMIA破棄は米日韓3国の安全保障の問題であり、米国が不満を表明するのは当然である。この二つの事案を同列に論じることは適切ではない。
(2) “日本が居直った”は、日本の朝鮮併合を悪として、日本を悪者と決めつけることが前提になっている。私は、朝鮮併合は両者の利害が一致した結果だったと認識しているが、百歩譲ってそれが“悪”だったとしても、それについては日韓基本協定で決着をつけたことであり、いつまでも被害者意識を振りかざすのは適切な態度ではない。
ところで、韓国内のGSOMIA破棄に賛成する意見をネットで探していたら、シンシアリーのブログにとんでもないコメントをみつけた。その抜粋は次の通り。
最近、韓国では国民が望まないだけでなく、国に害を及ぼす日本との条約や協定が続々と廃棄されている。これを、安全保障が危機になると大袈裟に騒ぐ人もいるが、これは、実は韓国の国民が強くなってきているという表示である。
要するに、相手が日本なら国際条約でも協定でも破って構わないということである。こうした極論に煽られ、気分を高揚させる韓国人もいることだろう。「いろんな意見があるものだ」と笑って済むことではない。
一方、北朝鮮はポンポン弾道ミサイルを発射するし、韓国近代史の嘘を暴いた「反日種族主義」という本が韓国でベストセラーになっているという。文大統領にとっては四面楚歌である。来年の選挙までは反日を煽り続けるだろうが、果たしてそれまで韓国経済が持ち応えられるだろうか。韓国の崩壊は対岸の火事ではなく、日本も火の粉を浴びる。大惨事にならぬことを祈る。
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