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輸出管理を怠る韓国

2019-08-21 11:51:14 | メモ帳

「正論」9月号に掲載されている西岡力氏の論文「安倍首相が信用しない理由」および添付の2016年~20193月における「戦略物資無許可輸出摘発および措置状況」(韓国・産業通商資源部貿易安保課作成)を仔細に読んで、韓国の輸出管理はかなりずさんだと認識するに至った。その理由を以下に説明したい。

(1)   同じ業者が繰り返し、不正輸出で摘発されていること

上記リストには142件の不正輸出が記録されている。輸出業者名は公表されていないが、A社、B社などの表記によって、特定業者による不正輸出の回数は知ることができる。すなわち、上位3社はS25件、D21件、H15件で、その合計は61件、全体の43%を占める。

つまり、同じ業者が繰り返し摘発されているのだ。では、その罰則は?というと、【輸出制限】【教育命令】【警告】があるが、これらの罰則が機能していないから、違反者が何遍も繰り返し違反し、摘発される結果になっていると推測する。

(2)   不正輸出の摘発とは何だ?

そもそも、不正輸出はどの時点で、どのように発見されるのか? このリストは不正輸出未遂事案を列記したものではなく、輸出が実行されたのちに、輸出申告書をチェックして“これは不正輸出だった”と気づき、それを列記したものだと推測する。

(1)(2)から導かれる結論は、“韓国は戦略物資の輸出を野放しにしている“である。日本政府がこの状況に不満を表明するのは当然であり、その詳細を公表してもいいはずだが、新聞紙上ではそれが報道されていない。だから、文大統領が事態を理解できず(もしくは気づかないふりをして)、日本を非難し、それに乗る形で反日団体が日本ボイコットを煽動する結果になったのではなかろうか。

当該リストには、ほかにも納得できないことがある。

(1)   日本向けの不正輸出が記録されていること。

一件数百ドルの対日輸出は無視するとして(返品か?)、$252,000の静水圧プレスとか、$131,000のタングステン・パウダーとは日本で何に使われたのか? そもそも、その輸入の記録はあるのか?

(2)不正輸出の大手(?)であるS社によるUAE向け輸出$160,000のフッ化水素酸とは何だ? フッ化水素は韓国では作れず、日本から輸入してフッ化水素酸に加工し、再輸出したのではないか? UAEにその製品の需要があるのか。 

ところで、日本の措置は“輸出管理(規制)の強化”とマスコミに呼ばれているが、筆者の西岡氏は“輸出優遇措置廃止”という用語を推奨している。これなら言外に“韓国が悪いから”という意味になるから、大賛成である。