八十八夜が過ぎ、いよいよ立夏、初夏の訪れとなりました。
ゴールデンウィークをみなさまいかがお過ごしでいらしたでしょうか?
佐橋と私は、前半を東京の美術館巡りに、後半をそれぞれの老親のもとで過ごしました。
名古屋で同居している両親も88才と86才に、東京で独り暮らしの父も80才となり、年を重ねて生きるということの重みを私たちに投げ掛け、また教えてくれているように感じています。
今回は、特に安田靫彦と奥村土牛という長寿画家の回顧展を巡りましたので
特別に色々なことを考えもいたしました。
安田靫彦展については先日このblogで、また奥村土牛展についてはまた後日ゆっくりご紹介させていただこうと存じますが・・
今回の靫彦展の会場である国立近代美術館さんの常設展の出品作品がとても素晴らしく、また作品を写真に収めることもできましたので、今日は、少しみなさまにもご覧いただこうと思います。
申し訳ございません。作品名のご紹介は省略させていただいて、作家名だけお知らせいたします。
節句の御軸は美人画でお馴染みの鏑木清方。「粋」という点でピカいちの画家だろうと私は思っています。
下は天才、速水御舟。画家が写実を最も重んじた大正11年製作。色、そして何よりも線に命がやどり、木立の纏う空気がでこぼこと立体感を帯びています。
つい最近、ご家族でご来店くださったお客様のお話。
お父様は佐伯祐三がお好き、大学生のお坊っちゃまは古賀春江がお好き。
ちょうど、その二人の画家の作品が二つ並んで飾ってありました。
美術館ならではの趣向。一流の作品。羨ましくも、なぜか微笑ましく、じっくり作品を拝見しました。
そして、最後に 圧巻!!!安井曽太郎の4点。
もちろん、隣の壁には梅原の作品がずらっとならんでいましたが、
梅原は倉敷の大原美術館さんに軍配があがりそうな作品の印象。。
曽太郎の4点は全て代表作と言われる作品。まさに国立近代美術館の顔といった作品群です。
こちらもごく最近、安井の素描作品を扱わせていただく機会をお作りくださったお客様のことを思いながら、二人で作品に近づいたり、遠ざかったりしながら、思いきり作品を楽しませて頂きました。
いつか、私たちの場合、この「いつか」が本当に訪れるのか?さえわかりませんが・・
安井の油絵の人物か風景を!という佐橋の夢、果物を!という私の夢を思い出すこともできました。
近代美術館さんの作品をご紹介してしまったあとに大変厳しいのですが、
来週からは当店の5月の展覧会の出品作品についても御紹介して参ります。
よろしくお願いいたします。