本日より今年の営業をはじめさせていただきます。
皆様よろしくお願い申し上げます。
喪は明けても、昨年末にはなかなかお年賀状を書く気になれず、福井良之助展のご案内を早めに差し上げることでみなさまへのご挨拶がわりとさせていただこうと思っておりますが、今日店にきてポストを開けてみると、何人かのお客様からのお便りが届いていて大変申し訳なく、、そしてこの上なく嬉しく思いました。
まことにありがとうございます。
画廊を営んでいて、お客様にメールやお便りを差し上げてもお返事をいただけるなどということは稀なことだと思います。
特に、ご遠方のお客様がお便りのなかにこんな言葉をお書きくださり、新年の仕事始めに大変力をいただきました。
「世の自転は比較的真面目に来る 年も廻るものと推察致して居ります」
丁度私も寝正月の炬燵の中で、再び「おのずから」ということを考えておりましたし、夏目漱石の「門」を読み、今まで佐橋は聖者となってあの門の向こう側に行ってしまったと思いとても寂しく思っていたけれど、(日本人は死者に対して特別な意識をもっていますね。)きっと迷ったまま他界し、私の横で、まだその門の前で、佇んでいるかもしれないと感じていましたので、この「自転」「真面目に来る」という言葉に強く惹かれました。
お客様のお書きくださった「自転」はそれとはまた違った意味も多く含んでいるとは思いますが、時間というものの本質を考えるとき、自転は救いともなり、またそれが故にこの世への愛おしさにも生まれるように思います。
以前にもお伝えしたことがあると思いますが、最後に漱石の言葉を再びご紹介いたしますね。
「真面目とはね、君、真剣勝負のことだよ」
自然はいつも真剣にそこにいてくれるのだと考え、信じ、今年を過ごして参りたく存じます。
画像 重要文化財 十二神将立像 巳神
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